ものづくり補助金平成24年度岡山県

新金型の開発で射出成型人工芝のコストダウンを実現

ワタナベ工業株式会社

成果原料使用量(30cm角人工芝1枚あたり) 200g→180g

この事例のポイント

  • 原油・ナフサ高でプラスチック成型原料が高騰し、人工芝も原料費の上昇を製品価格に転嫁せざるを得なかった。
  • 金型メーカーに依頼し、射出成型人工芝の新金型の設計・製作に取り組んだ。
  • 原料使用量(30cm角人工芝1枚あたり) 200g→180g。新金型により原料を1割削減し、品質を維持したままコストダウンを実現した。

事業者のプロフィール

事業者名ワタナベ工業株式会社
所在地岡山県 岡山県総社市
業種プラスチック製品製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数185人
資本金4,000万円
設立1956年

事業の背景

ワタナベ工業株式会社は明治14年に創業し、昭和29年に塩化ビニール製すだれの生産・販売を始めた。押出成型・射出成型・不織布・フィルム・人工芝など多種のプラスチック成型品を手がけている。人工芝は金型で成型する射出成型とタフテッド法の2種類で製造しており、射出成型品は長年の実績があり取扱量も多いが、国内メーカー同士の競合が激化している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算原油・ナフサ高でプラスチック成型原料が高騰し、人工芝も原料費の上昇を製品価格に転嫁せざるを得なかった。
  • 集客・繁閑製品価格を上げると他社との競合に勝てず、市場でのシェアを維持するには原料削減によるコストダウンが求められた。
  • 新製品・新技術原料を削減した製品を作るための新しい金型が必要だった。

やったこと

金型メーカーに依頼し、射出成型人工芝の新金型の設計・製作に取り組んだ。開始から約3カ月で新金型が完成し、それを使って人工芝を試作した。目標は30cm角で約200gの製品を160g程度にすることだった。金型からの離型方法を変えて、押し出しに必要だった格子をなくし、芝生部以外の格子部・脚部の薄肉化を図った。薄くしすぎると強度が不足し型から離れにくくなるため、試作品で強度や厚みを検証しながら金型の調整を繰り返した。

  • 金型射出成型用新金型人工芝

新しい製品・サービス:原料を削減した新金型による射出成型人工芝

事業の効果

  • 原料使用量(30cm角人工芝1枚あたり) 200g→180g

新金型により原料を1割削減し、品質を維持したままコストダウンを実現した。平成26年8月から新金型による射出成型人工芝の製造を開始し、これまでのところ売上は以前の状態を維持し、商圏も確保されている。コスト競争力が向上したことで、シェアの維持確保につながった。今後は高耐久性や防災など付加価値のある製品開発を進め、さらなるシェア拡張を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決原料費高騰と競合という課題を認識し、原料1割削減と売上維持・競争力向上という結果まで示されている。
  • 5
    付加価値・賃上げの目標目標160gに対し最終180gで原料1割削減を実現したと数字で示され、目標達成の実績が明確である。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性原油・ナフサ高騰や国内メーカー競合の激化を踏まえ、原料削減でコスト競争力を高める方針が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    新しさ・高付加価値人工芝は一般的な製品分野で、高耐久性や防災など付加価値製品は今後の開発として触れられているのみである。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のプラスチック加工の歴史と射出成型人工芝の実績が書かれ、既存事業との連続性がうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    原油・ナフサ高騰や国内メーカー競合の激化を踏まえ、原料削減でコスト競争力を高める方針が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    原料費高騰と競合という課題を認識し、原料1割削減と売上維持・競争力向上という結果まで示されている。

事業の実現可能性3.6
  • 付加価値・賃上げの目標5

    目標160gに対し最終180gで原料1割削減を実現したと数字で示され、目標達成の実績が明確である。

  • 事業を進める体制3

    金型メーカーに依頼し試作を繰り返したと書かれるが、社内の人員や事務処理体制は記載がない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    家のベランダや庭で使われる製品で、既存顧客の維持が課題とあるが、ターゲットの詳細や選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    約3カ月で新金型完成、平成26年8月から製造開始と時期が書かれ、試作と調整の繰り返しという方法も示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    人工芝は一般的な製品分野で、高耐久性や防災など付加価値製品は今後の開発として触れられているのみである。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    国内の雇用創出や波及効果に関する記載は見られず、国が補助する理由はうかがえる程度である。

  • 費用対効果2

    補助金投入額や費用対効果の数字は書かれておらず、原料1割削減という効果のみ示されている。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    岡山県総社市に立地する企業であることは分かるが、地域特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は乏しい。

今後の展望

今後は高耐久性や防災など付加価値のある製品開発を進め、さらなるシェアの拡張を目指す。

事業者の声

金型を変更することで、品質を維持しつつ、原料の従来比1割削減を実現しました。その結果、売上維持と競争力の向上に繋がったと考えています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。