ものづくり補助金平成24年度岡山県

レーザ・パンチ複合機の導入による板金加工製品の短納期化・低コスト化

有限会社田中製作所

成果レーザー加工外注費の買掛費に占める割合 30%→11%

この事例のポイント

  • 厚板で複雑な形状の試作品や機械部品は現有のタレットパンチプレス機では加工できないことが多く、レーザー加工を外注するしかなくコストがかさんでいた。
  • 2013年11月にレーザ・パンチ複合機を導入し、レーザー加工を内製化した。
  • レーザー加工外注費の買掛費に占める割合 30%→11%。レーザー加工の内製化により外注費が大幅に削減され、所要日数も3日以上短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社田中製作所
所在地岡山県 倉敷市
業種金属製品製造業
技術分野部材の締結
従業員数14人
資本金1,000万円
設立1972年

事業の背景

1972年の創業以来、主に配電盤・制御盤の筐体製造を手掛けてきた。景気の影響で盤製品の市場は縮小したが、多品種小ロット・一貫生産体制を強みに、農業機械の試作品や機械部品の分野で受注を獲得している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算厚板で複雑な形状の試作品や機械部品は現有のタレットパンチプレス機では加工できないことが多く、レーザー加工を外注するしかなくコストがかさんでいた。
  • 品質・精度試作品の製作中に気づいた問題点を顧客にフィードバックする必要があったが、外注工程の問題には関与できず、顧客に完全な情報を提供できないジレンマがあった。
  • 人手・技能作業者の時間的ゆとりがないため、社内の技術継承が進まないことが喫緊の課題であった。

やったこと

2013年11月にレーザ・パンチ複合機を導入し、レーザー加工を内製化した。タレットパンチでは3mm程度までだった扱える板厚が6mmまで可能となった。金型の選定や割付作業が不要で、ボタンひとつでCAMデータまで作成される。切断スピードが速く切断面が平滑なため、バリ取りなどの後処理が不要になった。一度のセットでレーザー切断からパンチ穴開け加工まで自動で行える。従来機と新型機で同じサンプルを製作したところ、新型機では17分の時間短縮となった。作業者同士で加工方法や手順を確認し、外注から内製に切り替え可能な製品を選別した。

事業の効果

  • レーザー加工外注費の買掛費に占める割合 30%→11%
  • 扱える板厚 3mm→6mm

レーザー加工の内製化により外注費が大幅に削減され、所要日数も3日以上短縮された。省力化によって作業者1人あたり1日1時間以上の時間が生まれ、その時間を熟練者から若手への技術継承、教育・研修、社内コミュニケーションに活用できるようになった。試作品について顧客に有益なフィードバックができたことで信頼が増し、受注量も増加した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決外注費が買掛費の30%から11%に減少、所要日数3日以上短縮、作業者1人1日1時間以上の時間短縮など数字つきで課題解決と効果が示されている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性多品種小ロット・一貫生産を強みとし、厚板対応不可の課題から6mm加工を可能にした内製化を進めた点が具体的に読み取れる。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標外注費比率30%→11%、所要日数3日以上短縮など具体的な改善数値はあるが、賃上げや付加価値向上の目標値は示されていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    新しさ・高付加価値板金加工分野の普及度や高付加価値化の程度は直接は書かれておらず、わずかに機械部品・試作での差別化がうかがえる程度。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の盤製造から農業機械試作・機械部品へ広がった経緯は読み取れるが、レーザ導入が経営戦略上どう位置付けられるかの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    多品種小ロット・一貫生産を強みとし、厚板対応不可の課題から6mm加工を可能にした内製化を進めた点が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    外注費が買掛費の30%から11%に減少、所要日数3日以上短縮、作業者1人1日1時間以上の時間短縮など数字つきで課題解決と効果が示されている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    外注費比率30%→11%、所要日数3日以上短縮など具体的な改善数値はあるが、賃上げや付加価値向上の目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    作業者同士で加工方法を確認し内製化対象を選別したとあるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客へのフィードバックにより信頼が増し受注量が増加したとあり、選ばれる理由の一端が読み取れる。ターゲットの明確化は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    社内の技術継承や教育・研修に時間を充てる方針は示されるが、中長期のスケジュールや課題解決の方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    板金加工分野の普及度や高付加価値化の程度は直接は書かれておらず、わずかに機械部品・試作での差別化がうかがえる程度。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    地域の製造業における試作・機械部品の内製化は示されるが、波及効果や雇用創出の具体的な記述は薄い。

  • 費用対効果3

    外注費削減と時間短縮の数字はあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザ・パンチ複合機の導入は示されるが、先端デジタル技術の活用や新ビジネスモデルへの言及は乏しい。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    岡山県倉敷市の地域企業で農業機械試作を手掛けることは読み取れるが、地域の特性を活かした付加価値創出の記述は薄い。

今後の展望

社内の知的財産の継承が進み、ノウハウが必要な特注の盤製品なども若手がこなせるようになってきている。機械の余力を利用してデザイン性の高いオリジナル製品づくりにも挑戦しており、この分野も少しずつ伸ばしていきたいとしている。時代に合った社内制度を整備し、家業から企業への転換を進めており、若い人材を惹きつける魅力ある会社を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。