ものづくり補助金平成24年度広島県

艶消しめっきの質感・色感向上とその数値化評価に関する試作開発

柿原工業株式会社

成果めっき液の寿命 1倍以上→4倍以上

この事例のポイント

  • 艶消しめっきは本物のアルミ金属を削り出したかのような外観色調を求める品質向上の要求があり、質感・色感を高める必要があった。
  • 艶消しめっき添加剤を現状使用品以外も含めて選定し、ハルセル試験で検証した。
  • めっき液の寿命 1倍以上→4倍以上。艶消しめっき添加剤の検証により、従来工法の4倍以上のめっき液の長寿命化と安定した質感・色感の維持継続の可能性を見出した。

事業者のプロフィール

事業者名柿原工業株式会社
所在地広島県 福山市
業種一般機械器具製造業
技術分野めっき
従業員数240人
資本金9,000万円
設立1962年

事業の背景

当社は創業以来、金型・成形・表面処理・塗装・組立までの一貫生産体制を組んでいる。4年前から艶消しめっきの量産化を再開し、金属光沢感をもつ艶消しめっきとして展示会や営業で販路を開拓した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度艶消しめっきは本物のアルミ金属を削り出したかのような外観色調を求める品質向上の要求があり、質感・色感を高める必要があった。
  • 販路・情報発信展示会や営業活動で金属光沢感と粒子感を抑えたきめ細かい質感・色感への要望が多く、製品開発のきっかけとなった。
  • 品質・精度艶消し剤は時間の経過とともに粒子感が出やすく、色調を数値で管理する方法がなく品質の維持管理が難しかった。

やったこと

艶消しめっき添加剤を現状使用品以外も含めて選定し、ハルセル試験で検証した。レーザー顕微鏡による表面性状測定で表面の粗さ、光沢度、分光測色を測り、色調の数値化を検討した。艶消しニッケルめっき液の長寿命化も検討し、テストピースと金型でのめっき試験を行った。

新しい製品・サービス:自動車用樹脂部品のめっき技術「プラチナサテン チタニウム」を開発し、グレー調の濃い深みのあるチタン調の色を出せるようにした。

事業の効果

  • めっき液の寿命 1倍以上→4倍以上
  • 「質感・色感の向上した品質を目指す」ことについて75%の達成率とみている

艶消しめっき添加剤の検証により、従来工法の4倍以上のめっき液の長寿命化と安定した質感・色感の維持継続の可能性を見出した。テストピースや金型の試験では色調レベル0の光沢めっき品から色調レベル6の艶消え度合が強いサンプルまで試作できた。量産工程への適用可能性が確認され、質感・色感の向上は75%の達成率とみている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決課題として艶消し剤の経時変化による粒子感を示し、添加剤変更・レーザー顕微鏡による数値化・液の長寿命化という対策を具体的に挙げている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け本物のアルミ金属を削り出したような外観という価値、自動車用途、展示会での顧客要望が書かれ、ターゲットと選ばれる理由が読み取れる。
  • 4
    事業化までの道筋添加剤の検証、表面性状の数値化、液の長寿命化という段階的な検討内容と、テストピースでの色調レベル0~6の試作が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制自社のみで対応していると書かれており、体制の詳細は示されず、人材や事務処理能力の記述はほとんどない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    4年前から艶消しめっきを量産化し、展示会PRや営業で得た要望を開発のきっかけにしており、既存事業との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    展示会での『金属光沢感』『粒子感を抑えた質感』の要望や、自動車ドアハンドル採用、プラチナサテン技術の独自性が書かれ、強みと市場の関係はうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    課題として艶消し剤の経時変化による粒子感を示し、添加剤変更・レーザー顕微鏡による数値化・液の長寿命化という対策を具体的に挙げている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    4倍以上のめっき液寿命化の可能性と目標達成率75%が示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    自社のみで対応していると書かれており、体制の詳細は示されず、人材や事務処理能力の記述はほとんどない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    本物のアルミ金属を削り出したような外観という価値、自動車用途、展示会での顧客要望が書かれ、ターゲットと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    添加剤の検証、表面性状の数値化、液の長寿命化という段階的な検討内容と、テストピースでの色調レベル0~6の試作が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    プラチナサテンのような金属光沢を樹脂めっきで出せる点や、従来のアルミ調からチタン調へ広げた高付加価値化が具体的に書かれている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    市場拡大や自動車部品への採用は書かれるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    液寿命4倍以上や目標達成率75%は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    表面性状のレーザー顕微鏡評価システムの活用はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルの記述は乏しい。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    広島県福山市の企業であることはわかるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への波及は明示されていない。

今後の展望

本補助金事業を通じて質感が良く安定した品質を目指す。プラチナサテンとの3価クロムを組み合わせ、極寒地域のサテンめっき部品への対応も可能となっている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。