ものづくり補助金平成24年度広島県

CFRP製品の試作開発と、その成形型加工を行うマシニングセンター・CAD/CAMソフトの導入。

この事例のポイント

  • 型製作を外部に委託しており、納期が長期化しコストも増えていた。
  • マシニングセンター1台を導入し、メーカーの操作トレーニングセミナーを受講して機器の操作や切削加工の基礎を習得した。
  • 自社で機械加工によりCFRP部品用成形型を製作できるようになり、型の外部委託をなくして一連の工程をワンストップ化した。

事業者のプロフィール

所在地広島県 三次市
業種プラスチック製品製造業
技術分野繊維加工
従業員数8人
設立1992年

事業の背景

主にレーシングカーやジェットスキー等のCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製部品を製作している。熱硬化性樹脂を含浸させた繊維を加圧・加熱下で成形するオートクレーブ成形法を採用し、強度・軽量化・耐熱性を兼ね備えた製品を製造している。自動車レース用部品の受注により繁忙期と閑散期の差があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力型製作を外部に委託しており、納期が長期化しコストも増えていた。
  • コスト・採算自動車レース用部品の受注による繁忙期と閑散期で仕事量の差が大きく、仕事量を安定させる必要があった。

やったこと

マシニングセンター1台を導入し、メーカーの操作トレーニングセミナーを受講して機器の操作や切削加工の基礎を習得した。CAD/CAMソフト1式を導入し、工具経路(NCデータ)の作成と製品設計を行うため、ソフトの操作講習会で工具経路の作成やモデリング手法を習得した。成形型のCADモデルを作成し、CAD/CAMで工具経路を作成してマシニングセンターで成形型を加工した。その型を用いて自動車用CFRPドアミラーカバーを試作した。また広島県立総合技術研究所西部工業技術センターと契約し、熱可塑性CFRP平織物積層板端部の切削加工を実施して、被削材加工面の表面粗さと工具摩耗状況、切削距離の相関関係を明らかにした。

新しい製品・サービス:自動車用CFRPドアミラーカバー

事業の効果

自社で機械加工によりCFRP部品用成形型を製作できるようになり、型の外部委託をなくして一連の工程をワンストップ化した。自社で製作した型で設計通りのCFRP製ドアミラーカバーを試作できた。CFRP平織物積層板の端部トリム加工の加工条件を確立し、切削長さと表面粗さによる品質管理と工具寿命の予測による適切な工具交換が可能になった。今後は多様な分野のCFRP製品の製作やオリジナル製品の開発に力を入れていく。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決型製作の外部委託による納期長期化とコスト増を課題として明示し、自社加工で短納期化・コスト削減を図る方針が示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標ドアミラーカバーの装着率を5年で1%から2.0%へ増加と予測し、5年後に3,840万円規模の売上を目指す目標が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け自動車用CFRPドアミラーカバーを左右セット約12,000円でネット販売する想定と、ターゲットとなる自動車ユーザーの個性化ニーズが示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用CFRP製品市場の拡大に触れ、自動車や航空機など多分野への展開を述べるが、雇用や波及効果への言及は乏しい。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    CFRP製品の成形型製作を外部委託から自社化し、既存のレース部品受注との一貫性がうかがえる。経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車レース用部品の受注と繁閑差に触れ、自社の強みとしてCFRP成形の実績を挙げている。市場動向の分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    型製作の外部委託による納期長期化とコスト増を課題として明示し、自社加工で短納期化・コスト削減を図る方針が示されている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    ドアミラーカバーの装着率を5年で1%から2.0%へ増加と予測し、5年後に3,840万円規模の売上を目指す目標が示されている。

  • 事業を進める体制3

    メーカーの操作セミナーやソフトの操作講習会を受講し、広島県立総合技術研究所と契約した体制が書かれている。人材の人数などは不明。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車用CFRPドアミラーカバーを左右セット約12,000円でネット販売する想定と、ターゲットとなる自動車ユーザーの個性化ニーズが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作、端部切削技術の確立、今後の多分野展開という段階は示されているが、スケジュールや課題解決方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    CFRP製品は高強度・軽量の高付加価値品とされるが、市場での普及度や高価格化の水準を比較するデータは示されていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    CFRP製品市場の拡大に触れ、自動車や航空機など多分野への展開を述べるが、雇用や波及効果への言及は乏しい。

  • 費用対効果3

    マシニングセンター等の導入による生産サイクル短縮とコスト低減を挙げるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAMとマシニングセンターによる成形型加工のワンストップ化を実現したと記載され、デジタル活用の要素はある。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    CFRP製品市場の拡大を見込み多分野へ進出する方針がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    広島県三次市の企業でCFRP製品を製作しているが、地域の特性を活かした経済成長への具体的な記述は少ない。

今後の展望

自動車ユーザーの個性化ニーズで自動車用ドアミラーカバーの装着率が5年間で増加すると予測している。5年後に3,840万円規模の売上を目指す。今後はCFRP製品の市場拡大を見込み、自動車・航空機・医療・介護・工芸品・アート作品など様々な分野のオリジナル製品の開発・製作に力を入れていく。

  • 目標:自動車用ドアミラーカバーの装着率 1%→2%
  • 目標:CFRP製自動車用ドアミラーカバーを左右セット12,000円程度でインターネット等により販売し、5年後に3,840万円規模の売上を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。