ものづくり補助金平成24年度山口県

多品種少量生産と高効率管理を実現する製造実行システムの開発および販売。

泉ダイス株式会社

この事例のポイント

  • 紙ベースの工場管理では、ムダな手間や煩雑な管理から、間違いによる不良が発生しやすかった。
  • 製造現場の声を反映させながら、現場での運用・検証・改善を繰り返す手法で、製造実行システム(MESソリューション)を自社で独自に開発した。
  • 製造現場に合わせた独自システムにより、受注から納品までの工場管理をシステム化し、情報の見える化と共有化を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名泉ダイス株式会社
所在地山口県 山口県熊毛郡平生町
業種金属製品製造業
技術分野金型
従業員数25人
資本金300万円
設立2000年

事業の背景

国内市場の縮小とグローバル化の進展により、海外メーカーとの競争が激化している。多品種少量・短納期・値下げへの要請や、トレーサビリティ管理・コンプライアンス強化により、企業に求められる管理・要求水準は一段と高まっている。当社は紙ベースでの工場管理が主流であり、中小・零細企業が抱える共通の課題でもあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度紙ベースの工場管理では、ムダな手間や煩雑な管理から、間違いによる不良が発生しやすかった。
  • 納期・工程紙ベースの管理では、間違いや手間に起因する納期遅れが発生していた。
  • コスト・採算中小・零細企業にとってパッケージシステムは導入対象になるが、汎用的なシステムは実際の製造現場に必ずしもマッチせず、根本的な課題の解決に至らないことが少なくなかった。

やったこと

製造現場の声を反映させながら、現場での運用・検証・改善を繰り返す手法で、製造実行システム(MESソリューション)を自社で独自に開発した。この手法により顧客先でのカスタマイズがほぼ不要となり、低価格・短期導入を可能にした。バーコードのみで操作できるよう、シンプルで使いやすさにもこだわった。刻印装置でQRコードを刻印し、ロット・トレース管理(ロット履歴情報追跡)を可能にした。バーコードリーダー(タブレット端末)を実装し、ロット別・工程別の進捗・実績管理を可能にした。DNCシステムにより1端末でMCプログラムを一元管理し、同じ図面番号であれば新たにプログラムをセットしなくても自動で繰り返し加工できるようにした。

  • その他刻印装置QRコード刻印バーコードリーダータブレット端末
  • ソフトDNCシステム製造実行システムMESソリューション

新しい製品・サービス:製造実行システム(MESソリューション)

事業の効果

製造現場に合わせた独自システムにより、受注から納品までの工場管理をシステム化し、情報の見える化と共有化を実現した。ロット・トレース管理を実現し、現代の市場要求にも対応できるようになった。進捗・実績・納期管理の効率と精度が上がり、不良発生や納期遅れのリスク低減が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決紙ベース管理によるミスや納期遅れという課題を認識し、受注から納品までの工場管理をシステム化して見える化する対応が書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け多品種少量・短納期の製造現場に合わせ、バーコード操作の簡便さや低価格・短期導入が特徴として整理されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値汎用パッケージでは対応しにくい多品種少量生産向けに独自開発したMESで、同分野での差別化が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、わずかに経営効果や継続収益への期待がうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    平成23年からシステム開発事業を展開し、紙ベース管理からの課題認識が書かれているが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    超精密分野や培った技術を基に製造現場向けシステムを開発したとあるが、市場動向や競争優位の根拠は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    紙ベース管理によるミスや納期遅れという課題を認識し、受注から納品までの工場管理をシステム化して見える化する対応が書かれている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、わずかに経営効果や継続収益への期待がうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    現場の声を反映しながら自社で開発・運用検証を繰り返した手法は書かれているが、人員や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    多品種少量・短納期の製造現場に合わせ、バーコード操作の簡便さや低価格・短期導入が特徴として整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として未導入市場の新規開拓と保守契約の構想が書かれているが、スケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    汎用パッケージでは対応しにくい多品種少量生産向けに独自開発したMESで、同分野での差別化が示されている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    中小・零細企業の共通課題の解決をうたうが、波及効果や雇用創出などの国が補助する理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果2

    低価格・短期導入やリスク低減への期待は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    QRコード刻印やバーコードリーダー、DNCを組み合わせたロット・トレース管理で、製造現場のデジタル化を進めている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    多品種少量・トレーサビリティ需要への対応がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    山口県平生町の企業である点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は薄い。

今後の展望

製造業をターゲットに、製造実行システムの未導入市場の新規開拓を行う。経営効果が現れれば、保守メンテナンス契約による安定したシステム稼働と業務改善の提案が可能となり、Win-Winの関係で将来にわたる双方の収益確保が期待できる。

業種と困りごとが近い成果事例

岡山県平成24年度

多品種小ロット、短納期の生産体制を実現

生産工程を改善するため、高性能の研磨設備を2台導入し、消耗品・部品を共通化するとともに、1台に不具合が生じても生産に影響が出ないようにした。

効果:塗装の乾燥時間 2日→0.67日

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。