ものづくり補助金平成24年度山口県

小規模工場・事業所向け電力使用量の最適化支援ツールの開発

エコマス株式会社

この事例のポイント

  • 大企業と比べて省エネ対策が遅れている小規模工場では、電力使用量を把握できず節電対策が打てない。
  • 工場の生産性向上と電力使用量削減を同時に達成するため、電力使用量の最適化を支援する安価で簡易に導入できるツールを開発した。
  • 低価格のLinuxシステムと無線ネットワークにより導入工事コストを削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名エコマス株式会社
所在地山口県 宇部市
業種情報サービス業
技術分野金型
従業員数4人
資本金3,000万円
設立2002年

事業の背景

当社はMAL解析アルゴリズムの研究開発から始まり、大量の情報を扱うシステム開発を得意としている。今後、固定価格買い取り制度などの影響で企業の電力費用は増加すると予想される。中小規模工場にとって電気使用量の削減は必須の課題となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大企業と比べて省エネ対策が遅れている小規模工場では、電力使用量を把握できず節電対策が打てない。
  • コスト・採算電力料金の増加が企業の利益を直接減らすため、電気使用量の削減が切実な課題である。
  • 人手・技能小規模工場では専任のエネルギー管理者を配置することができない。
  • 新製品・新技術個別装置への電力モニタリングシステムが導入されておらず、自社工場の電気使用の実態がつかめない。

やったこと

工場の生産性向上と電力使用量削減を同時に達成するため、電力使用量の最適化を支援する安価で簡易に導入できるツールを開発した。工場内に設置できるLinuxベースの小型専用装置とデータ収集用のゲートウェイを開発し、センサーのデータはゲートウェイを経由してストレージに保存する。データはクライアントPCで表示し、制御信号はクライアントPCからゲートウェイを経由してセンサーに送信する。導入を容易にするため無線で接続できる仕組みとし、大がかりな工事を不要とした。システムはオープンプロトコルのIEEE1888を採用し、様々なシステムと接続できるようにした。

  • その他工場内に設置するLinuxベースの小型専用装置データ収集用ゲートウェイ
  • ソフト電力監視・制御用のクライアントソフトウェアエネルギー監視システム

新しい製品・サービス:工場の電力使用量を最適化するための、安価で簡易に導入できるエネルギー監視システム(電力モニタリングシステム)。

事業の効果

低価格のLinuxシステムと無線ネットワークにより導入工事コストを削減できた。ソフトウェアはすべてクラウドシステムとしたため、システムメンテナンスとシステム管理者の配置が不要となり、運用コストも削減できた。IEEE1888の採用により、センサーやアプリケーションを別のベンダーから調達でき、ユーザは最適な機器やソフトを選べるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付け低コストで簡易に導入できる点、クラウド化によるメンテ不要、IEEE1888採用による接続性など、価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。
  • 4
    波及効果・雇用電力料金の上昇と中小工場の省エネ課題、エネルギー管理者不在という社会的背景が具体的に述べられている。
  • 4
    イノベーションへの貢献IEEE1888による接続やデータ駆動のエコシステム構築を示し、IoT時代のデータ利用に貢献する点が書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標導入コストや運用コスト削減は述べられているが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の計算機技術・情報処理の強みを活かし、電力監視ツールを新製品として位置づけている。ただし経営戦略上の明確な位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    電力料金増加と中小規模工場の省エネ遅れという外部環境を述べ、大量情報を扱う得意分野に言及している。自社の強みとの結びつきは概括的。

  • 課題の認識と解決3

    電気使用量削減が中小工場の必須課題と述べ、課題認識は明確。ただし高付加価値化・成長につながる計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    導入コストや運用コスト削減は述べられているが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員4人の小規模体制と開発実績は読み取れるが、補助事業の遂行体制の具体的な役割分担は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    低コストで簡易に導入できる点、クラウド化によるメンテ不要、IEEE1888採用による接続性など、価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望としてガス・水道への発展と導入ターゲットは示されているが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    大企業に比べ省エネ対策が遅れた小規模工場市場を狙う点は示されるが、分野の普及度や高価格化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用4

    電力料金の上昇と中小工場の省エネ課題、エネルギー管理者不在という社会的背景が具体的に述べられている。

  • 費用対効果2

    導入工事費と運用コストの削減は述べられているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    IEEE1888による接続やデータ駆動のエコシステム構築を示し、IoT時代のデータ利用に貢献する点が書かれている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    中小工場の省エネ市場とIoTのエコシステム化に触れるが、日本経済の構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    山口県宇部市の企業であることは示されるが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への具体的な記述はない。

今後の展望

エネルギー監視システムの新規導入を指向する小規模工場をターゲットに、設置する電装関係企業を対象とする。電力計測センサーを既に有する企業には、機器制御をセールスポイントに、システム切り替えによる導入を目指す。今後はガス・水道等のユーティリティの監視・管理や、様々な用途でデータを収集・利用できるシステムへ発展させる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。