ものづくり補助金平成24年度山口県

最適栽培のための遠隔監視操作・生育制御システムを装備した高効率植物プラントの開発

株式会社ウベモク

成果ビタミンC含有量 1倍以上→2倍以上

この事例のポイント

  • 従来の植物プラントは高額な初期建築コストと運転コストにより採算性の確保が難しい。
  • 商店街の空き店舗を活用して植物プラント「ウベモクファーム」を整備し、ベビーリーフを中心に約20種類の野菜を栽培している。
  • ビタミンC含有量 1倍以上→2倍以上。栄養価の高い付加価値のあるベビーリーフの栽培が可能であることが分かり、商用化の目処が立った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ウベモク
所在地山口県 宇部市
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野発酵
従業員数37人
資本金5,000万円
設立1987年

事業の背景

当社は木材、建材、住宅建築用資材、2X4フレーミング工事及び建築工事、アルミサッシ、ガラス製品の加工及び販売などを手掛けている。気候変動や農業従事者の高齢化・減少により野菜の収穫が不安定になりつつあり、栽培過程が見え安定した収穫が可能な植物プラントが注目されている。しかし従来の植物プラントは高額な初期建築コストと運転コストにより採算性の確保が難しいとされてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算従来の植物プラントは高額な初期建築コストと運転コストにより採算性の確保が難しい。
  • 生産能力気候変動や農業従事者の高齢化・減少により野菜の収穫が不安定になりつつある。

やったこと

商店街の空き店舗を活用して植物プラント「ウベモクファーム」を整備し、ベビーリーフを中心に約20種類の野菜を栽培している。植物栽培用の照明は4色(赤色、青色、緑色、遠赤色)のLEDを組み合わせて設計し、光質と光量を設計した。栽培方式はDFT(湛液)型の水耕栽培で、栽培棚は4段、栽培ブールを2列4段で計8ブールを2系列設置した。温度、湿度、二酸化炭素濃度、養液のpH、電気伝導度を調整し、遠隔監視システムを開発した。

  • その他植物栽培用LED照明赤色、青色、緑色、遠赤色の4色
  • 加工機水耕栽培装置DFT型、栽培棚4段、栽培ブール8ブール
  • ソフト遠隔監視システム
  • その他空調・クリーンルーム設備

新しい製品・サービス:ベビーリーフを中心とした約20種類の野菜の水耕栽培と、苦い・辛い味の葉のみ、甘い・優しい味の葉のみなど4種類の味を楽しめる商品

事業の効果

  • ビタミンC含有量 1倍以上→2倍以上
  • カルシウム含有量 1倍以上→1.3倍以上
  • 栽培期間 100%→60%
  • 新鮮な状態を長く(10日)保つことが可能

栄養価の高い付加価値のあるベビーリーフの栽培が可能であることが分かり、商用化の目処が立った。露地物と比べてビタミンCとカルシウムの含有量が高く、農薬不使用でクリーンな環境のため洗わずに食べられ、新鮮さを10日保てる。栽培期間も一般の露地栽培に比べ短縮できた。今後はコストダウンと販路確保、リピーターの獲得により知名度を上げ拡販を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付け栄養価が露地物よりビタミンC2倍以上、カルシウム1.3倍以上、洗わずに食べられ10日鮮度を保つなど、具体的な差別化要素が示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値ベビーリーフの水耕栽培で4色LEDを用いた4種類の味の商品化を行い、高付加価値の野菜として位置付けている点が具体的に示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制社内に37人の従業員がいる点はわかるが、補助事業を遂行する体制や人材配置についての記述はほとんどない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    木材・建材の事業から新事業として植物プラントに挑戦し、経営理念「新しいことにチャレンジ」に沿う位置付けが読み取れるが、戦略上の明確な位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自社の技術力やネットワーク、県内の企業・大学・行政との連携を活かす点はうかがえるが、市場動向との関係の記述は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決3

    従来の植物プラントの高額な建築・運転コストという課題を認識し、LED化や空き店舗活用で対応する方針が書かれているが、成長性の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    栽培期間を60%(3週間程度)に短縮し、ビタミンC2倍以上などの付加価値が示されているが、目標値と実現見込みの記述は限定的である。

  • 事業を進める体制2

    社内に37人の従業員がいる点はわかるが、補助事業を遂行する体制や人材配置についての記述はほとんどない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    栄養価が露地物よりビタミンC2倍以上、カルシウム1.3倍以上、洗わずに食べられ10日鮮度を保つなど、具体的な差別化要素が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後はコストダウン、販路確保、機能性野菜やキット販売への展開など方向性は示されているが、スケジュールは明記されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ベビーリーフの水耕栽培で4色LEDを用いた4種類の味の商品化を行い、高付加価値の野菜として位置付けている点が具体的に示されている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    気候変動や農業従事者の減少による野菜の収穫不安定化という社会課題に触れているが、国が補助する積極的理由の記述は乏しい。

  • 費用対効果3

    栽培期間の短縮や栄養価向上など効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値や費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    LEDや遠隔監視システム、環境制御など先端技術を組み合わせた点はうかがえるが、サプライチェーンへの波及の記述は薄い。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    植物工場という農業分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及3

    山口県内の企業・大学・行政が連携し地域の知を結集した点はあるが、地域経済成長や雇用への効果は具体的に書かれていない。

今後の展望

今後は野菜の販売だけでなく、機能性野菜やメディカルハーブを栽培してサプリメントなどに展開し、消費者の健康増進に寄与したい。栽培キットの販売や、野菜が自宅内で栽培可能となる住宅の建築・販売、植物プラントを事業化しようとする企業への設備販売やコンサルティングも考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。