ものづくり補助金平成24年度鹿児島県

屋久杉の地材(間伐材)を活用した割箸の試作品開発

有限会社橋口木材加工センター

この事例のポイント

  • 従来の割箸より品質の高い製品にするには、伐り出しの段階から配慮が必要だった。
  • 屋久島の地杉材(間伐材・林地残材)を原料に、熱処理による乾燥と切削加工で割箸を製造し、防腐剤や漂白剤を一切使わない国産割箸とした。
  • 防腐剤や漂白剤を使わない安心・安全な国産割箸により、輸入品との差別化と消費者ニーズへの対応が図られる。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社橋口木材加工センター
所在地鹿児島県 屋久島町
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野切削加工
従業員数3人
資本金300万円
設立2005年

事業の背景

国内では年間250億膳の割箸が使われているが、その98%が海外からの輸入品で、そのうち99%が中国製である。輸入品には防腐剤や漂白剤が使われているのに対し、国内産は自然のもののみで作られ安心・安全であり、消費者ニーズに合致している。屋久島の地杉材を活用した割箸は新規性があり、原材料を自社内で調達して一貫生産できるためコスト面の優位性が高く、収益性の向上が見込まれる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来の割箸より品質の高い製品にするには、伐り出しの段階から配慮が必要だった。
  • 人手・技能間伐材や小杉は直径が小さく節・曲がり・腐れが多いため、分別・選定作業に手間がかかり材料確保に苦労した。
  • 品質・精度割箸製造機から出た割箸は全体にガサつきがあり、角も立っていた。
  • 新製品・新技術屋久島の地杉材を使って割箸を製造するのは県内で初めての試みだった。

やったこと

屋久島の地杉材(間伐材・林地残材)を原料に、熱処理による乾燥と切削加工で割箸を製造し、防腐剤や漂白剤を一切使わない国産割箸とした。伐り出しでは従来より根元を少し除いてチェンソーで玉切りし、材料の選別を丁寧に行った。乾燥には化石燃料を使わず、端材や木片を燃料とする乾燥用ボイラと中温簡易乾燥機を新たに導入して乾燥させた。割箸製造機から出た割箸のガサつきをなくし角を取る処理をし、さらに天取りをして手触りのよい高級感のある仕上がりとした。

新しい製品・サービス:屋久島の地杉材を使い、防腐剤・漂白剤を使わずに天取りして仕上げた国産割箸

事業の効果

防腐剤や漂白剤を使わない安心・安全な国産割箸により、輸入品との差別化と消費者ニーズへの対応が図られる。屋久島の自然を生かした色・香り・持ちやすさを備えた高品質な割箸が完成した。原材料を自社で調達して一貫生産できるためコスト面の優位性が高く、収益性の向上が見込まれる。間伐材や林地残材の活用は治山・治水や森林整備、山の再生への貢献につながり、新たな人材の雇用や育成、シルバー人材の採用にも結びつく見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    地域経済への波及屋久島の地杉材と自社内一貫生産を活かし、地域の森林資源を付加価値化する事業として具体的に記載されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け防腐剤・漂白剤不使用で安心安全、屋久島独自の色・香り・持ちやすさという価値と、消費者ニーズに合致する点が具体的に示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値県内初の取組であり、割箸の98%が輸入品という状況で国産の無添加割箸として高付加価値化を図る点が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    課題の認識と解決課題として原材料の選別・集材に多くの時間を要したことは書かれるが、高付加価値化につながる事業計画の具体性は薄い。
経営戦略との整合性2.7
  • これまでの取組との一貫性3

    事業は屋久島の地杉材活用と山での伐り出しからの一貫生産として書かれるが、経営戦略上の位置づけや過去の取組との関係は読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内割箸の98%が輸入品という市場データと、自社の原木内製による収益性の優位性が述べられている。ただし数値的な強み評価は限定的。

  • 課題の認識と解決2

    課題として原材料の選別・集材に多くの時間を要したことは書かれるが、高付加価値化につながる事業計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    従業員3人の小規模体制であることはうかがえるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    防腐剤・漂白剤不使用で安心安全、屋久島独自の色・香り・持ちやすさという価値と、消費者ニーズに合致する点が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    販売はお土産店やホテルから始め、PR活動を続けて販売先を広げるという段階的な方針が書かれている。課題解決の方法は概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    県内初の取組であり、割箸の98%が輸入品という状況で国産の無添加割箸として高付加価値化を図る点が示されている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用4

    治山・治水や森林整備、山の再生への貢献、シルバー人材を含む新たな雇用・育成への波及効果が具体的に述べられている。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数値は書かれておらず、収益性向上が見込まれるとの記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献2

    間伐材の活用とバイオマス燃料の循環が示されるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献の記述はない。

政策面5.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及5

    屋久島の地杉材と自社内一貫生産を活かし、地域の森林資源を付加価値化する事業として具体的に記載されている。

今後の展望

箸として使用した後は島内外の新ボイラでバイオマス燃料として使う計画である。まずは屋久島のお土産用として島内のホテルやお土産店で販売し、イベント参加などで県内外へのPR活動を続けながら販売先を広げていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。