ものづくり補助金平成24年度香川県

レーザー裁断工程の確立による低発塵仕様縫製手袋の開発

ウインセス株式会社

成果脱落物数 63個→5個

この事例のポイント

  • 縫製手袋は刃物で裁断するため、電気製品の組立工程などで裁断面から糸くずなどの発塵が生じることが課題だった。
  • 手袋型を設計し、CADデータ化を行った。
  • 脱落物数 63個→5個。レーザー裁断により、生地の裁断部が熱で溶けて固着し、ほつれが生じにくくなった。

事業者のプロフィール

事業者名ウインセス株式会社
所在地香川県 高松市
業種繊維工業
技術分野プラスチック成形加工
設立1937年

事業の背景

創業は昭和12年で、昭和36年に法人化した。作業用手袋を主力に、クリーングローブやクリーンウェア、防寒手袋などを製造販売している。電化製品や自動車は高度化・高品質化に伴い、作業工程での低発塵が求められる傾向にあり、同社の既存顧客からも同様のニーズが寄せられていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度縫製手袋は刃物で裁断するため、電気製品の組立工程などで裁断面から糸くずなどの発塵が生じることが課題だった。
  • 新製品・新技術既存顧客から低発塵の作業環境で使える縫製手袋が求められていたが、対応できる製品がなかった。

やったこと

手袋型を設計し、CADデータ化を行った。平成25年10月にレーザープロッタ用の200V電源工事を実施し、翌年にレーザー裁断機を導入して裁断条件を出した。平成25年8月から12月にかけて1次試作を行い、設計と試作を繰り返してデザインも改善した。その後、レーザー裁断機を使ってサンプルを作成し、縫製作業を経て試作品を完成させた。

新しい製品・サービス:低発塵仕様の縫製手袋

事業の効果

  • 脱落物数 63個→5個

レーザー裁断により、生地の裁断部が熱で溶けて固着し、ほつれが生じにくくなった。裁断刃で裁断した生地では多数のほつれが発生したが、レーザー裁断ではほつれが見られなかった。脱落物の量もレーザー裁断の方が明らかに少なく、低発塵仕様の縫製手袋の開発に至った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性電気製品組立や自動車塗装工程での低発塵ニーズを捉え、レーザー裁断機で裁断面のほつれ0件を示し、自社の手袋製造ノウハウを生かす点が具体的。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標1年目に1,000万円(約33,000枚)の売上、単価280円から350円程度と数字で目標が示されており、実現可能性の根拠は一部読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け低発塵が求められる顧客ニーズ、市場年間3億円程度、大手自動車メーカーへの試作評価など、ターゲットとニーズの裏付けが具体的。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性縫製手袋の製造で半世紀以上の実績があり、クリーン用手袋の製法に優位性があると書かれているが、経営戦略上の位置付けまでは読み取れない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    縫製手袋の製造で半世紀以上の実績があり、クリーン用手袋の製法に優位性があると書かれているが、経営戦略上の位置付けまでは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    電気製品組立や自動車塗装工程での低発塵ニーズを捉え、レーザー裁断機で裁断面のほつれ0件を示し、自社の手袋製造ノウハウを生かす点が具体的。

  • 課題の認識と解決3

    裁断面での糸くず発生という課題を認識し解決に取り組んだことは読めるが、高付加価値化や成長への計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1年目に1,000万円(約33,000枚)の売上、単価280円から350円程度と数字で目標が示されており、実現可能性の根拠は一部読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    社内の体制や人材についての記述はなく、わずかに縫製作業の工程が図で示されている程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    低発塵が求められる顧客ニーズ、市場年間3億円程度、大手自動車メーカーへの試作評価など、ターゲットとニーズの裏付けが具体的。

  • 事業化までの道筋3

    設計から試作、量産化へ向けた工程は示されているが、中長期の課題検証や詳細なスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    低発塵の特殊用途手袋の市場を年間3億円程度と推測し、既存より高水準の機能で高単価化を図る内容が示されている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    電気製品や自動車の高度化に伴う低発塵ニーズへの対応とあるが、経済波及や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果3

    補助金投入額と付加価値増加の関係は書かれていないが、1年目売上1,000万円の目標が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザー裁断という技術を使うが、デジタル技術によるサプライチェーンへの波及効果までは読み取れない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    香川県高松市の地域企業で、創業昭和12年、法人設立昭和36年と地域の事業者であることは分かるが、地域経済への牽引効果の記述は薄い。

今後の展望

低発塵の特殊用途手袋の市場は年間3億円程度と見込まれる。今後は量産化をめざし、製品単価を1枚280円から350円程度と想定して、1年目に1,000万円の売上を目標としている。まずは既存顧客への販売を見込んでおり、大手自動車メーカーなどに試作品を無償譲渡して評価を得ている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。