ものづくり補助金平成24年度高知県

物資輸送工事組立式自航艇の開発

株式会社高知丸高

成果海上での組み立て所要時間は1時間程度

この事例のポイント

  • 災害後の物資輸送や人命救助への対策が未だ不十分である。
  • 組立式で陸上輸送が可能な自航艇(組立フロート船)を開発した。
  • 海上での組み立て所要時間は1時間程度。組立式で陸上輸送でき、水深の浅い場所や橋脚の低い場所でも使える自走式の輸送船が完成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社高知丸高
所在地高知県 高知市
業種建設業
技術分野鋳造
従業員数68人
資本金2,000万円
設立1967年

事業の背景

創業以来、基礎工事のパイオニアとして特殊で厳しい条件の工事や大口径・大深度岩盤削孔工事に実績を持つ。特に山岳道の簡易橋SQCピア工法は災害復興に採用され、海外からも引き合いがある。スマトラ島沖地震や東日本大震災で現場対応に駆けつけた経験から、災害後の復旧作業への対策が不十分だと感じていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力災害後の物資輸送や人命救助への対策が未だ不十分である。
  • 新製品・新技術従来の復旧用作業船は大型で引船による回航が必要なため、水深の浅い場所や橋脚の低い場所で使えなかった。

やったこと

組立式で陸上輸送が可能な自航艇(組立フロート船)を開発した。フロートは4分割とし、主要鋼材の厚さは8〜9mmとした。外注加工会社で船体を加工し、エンジン部機械を据え付けた。高知新港岸壁で日本小型船舶検査機構の水圧試験・船内水漏れ試験を受け、異常なしの診断を得た。海上での組み立て所要時間は1時間程度で、航行試験もクリアし、平成25年12月13日付で船舶の検査書を受けた。河川での実証実験では、小型船1艇(2.0t)、鋼材(0.5t)、油圧ハンマー(0.6t)を全て引き上げた。

  • その他組立式自航艇組立フロート船エンジン66PS 2基

新しい製品・サービス:物資輸送工事組立式自航艇(フロート4分割、速度5ノット、搭載重機バックホウ・クレーン、重機自走乗入式、組立約1時間)

事業の効果

  • 海上での組み立て所要時間は1時間程度
  • 空航時の喫水は水位60cmで、水深60cmあれば自航できる
  • 重機搭載15tの場合、喫水水位は80cm

組立式で陸上輸送でき、水深の浅い場所や橋脚の低い場所でも使える自走式の輸送船が完成した。災害時には人命救助や物資輸送を円滑に行え、河川工事、浅瀬での作業、瓦礫除去、クレーン作業などにも使える。短時間で組み立てて使用後は解体して陸上保管でき、管理や補修も容易になった。災害対策と土木関連市場の獲得の目途が立ち、自治体から多くの工事要請があり、海外からも引き合い商談中である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性通常の作業船が入れない浅瀬・橋梁下での作業ができる点や、特殊基礎工事の実績が強みとして具体的に述べられている。
  • 4
    事業を進める体制社歴と施工実績、船舶検査機構の検査を経た試作・試運転の段取りが具体的に書かれ、遂行体制がうかがえる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け災害対応・河川工事・浅瀬作業など用途と、自衛隊や自治体など顧客ターゲットが明示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標引き合いや販売計画は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、実現可能性の数値根拠は乏しい。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の基礎工事の実績と防災製品開発の取組が書かれ、自航艇開発との関係は読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    通常の作業船が入れない浅瀬・橋梁下での作業ができる点や、特殊基礎工事の実績が強みとして具体的に述べられている。

  • 課題の認識と解決3

    従来の引船が使えない課題は認識されているが、高付加価値化・成長につながる具体的な事業計画数値は示されていない。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標2

    引き合いや販売計画は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、実現可能性の数値根拠は乏しい。

  • 事業を進める体制4

    社歴と施工実績、船舶検査機構の検査を経た試作・試運転の段取りが具体的に書かれ、遂行体制がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    災害対応・河川工事・浅瀬作業など用途と、自衛隊や自治体など顧客ターゲットが明示されている。

  • 事業化までの道筋4

    試運転、実証実験の段階的手順、2号機の小型化計画、コンテナ対応の検討など中長期の課題と解決の進め方が書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    組立式で陸上輸送でき水深60cmで自航できる自走艇は極めて珍しいと自負すると書かれ、同分野で高水準の性能が示されている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用4

    災害時の人命救助や物資輸送への対応、自治体からの工事要請数など、社会的インフラとしての必要性が具体的に書かれている。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    新しい自航艇の開発は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    災害対策や土木関連市場への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    高知の企業が地域の防災や河川工事に関わる点は読み取れるが、地域の雇用や経済成長への効果は具体的でない。

今後の展望

海外(インドネシア、ミャンマー)からの引き合いに対して営業を展開する。国内では自衛隊、消防団、自治体、建設業界を対象に販売およびリースを行う。小型化・軽量化・コストダウンを図った2号機を製作する予定である。また、40フィートコンテナに搭載できるよう船体を5分割できるか検討しており、受注次第対応する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。