ものづくり補助金平成24年度福岡県

フィルムコンデンサ向け高精度プラスチック金型の開発

シバタ精機株式会社

この事例のポイント

  • フィルムコンデンサの薄膜化に伴い、フィルム巻き取りコア部分に厳しい寸法精度が求められていた。
  • 従来の金型を使ったコア部分を3次元測定器で測定したところ、図面寸法に対し円筒形部品の中央部の直径が細くなっていた。
  • 金型を改良し、巻き取りコア部品の成型試作を繰り返したことで、コア部分へのフィルム巻き取り時のしわがなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名シバタ精機株式会社
所在地福岡県 朝倉市
業種プラスチック製品製造業
技術分野金型
従業員数58人
資本金1,000万円
設立1980年

事業の背景

同社はプラスチック金型設計・製作、精密部品加工、精密カスタムプレート製造を行っている。フィルムコンデンサはアルミなどを使った膜で、巻くためのコア部分に円筒形状のプラスチック芯を使う。寸法精度の要求は厳しく、取引先からの評価を高める必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度フィルムコンデンサの薄膜化に伴い、フィルム巻き取りコア部分に厳しい寸法精度が求められていた。
  • 生産能力従来は射出成形と旋盤加工の両方が必要で、後工程を要しない金型の開発が求められていた。
  • 品質・精度射出成形では円筒形の芯の端と中央部で太さに違いが生じることがあり、旋盤による後加工で対応していた。

やったこと

従来の金型を使ったコア部分を3次元測定器で測定したところ、図面寸法に対し円筒形部品の中央部の直径が細くなっていた。プラスチックの流れ込み方と金型を冷やす仕組みを工夫し、プラスチックの収縮度を考慮した金型寸法の修正と、金型を冷却するための配管の工夫を行った。成型試作を繰り返しながら金型寸法や成型条件を改善した。射出成形の流動解析や金型冷却配管の設計を用い、加工工程ごとに測定を実施して課題を客観的に分析した。

検査測定3次元測定器

新しい製品・サービス:後工程を必要としない高精度プラスチック金型(フィルムコンデンサ向け巻き取りコア用)

事業の効果

金型を改良し、巻き取りコア部品の成型試作を繰り返したことで、コア部分へのフィルム巻き取り時のしわがなくなった。3次元測定器により客観的に課題を分析できるようになり、製品への信頼性が増して顧客の評価が高まっている。今後は測定器の活用を広げ、受注拡大を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去にサポイン事業に選定された経験が書かれ、取引先からの補助金情報も得ている。経営戦略との位置づけは記述が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    長年蓄積した高い技術や流動解析・配管設計の活用は書かれるが、市場動向や競合に対する優位性の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    射出成形と旋盤加工が必要だった課題に対し後工程を不要にする金型を開発し、5年後に1000万円の受注増を目指すと書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5年後に1000万円の受注増という具体的な目標が示されている。付加価値額や賃上げの数値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    社員数58人の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    フィルムコンデンサの薄膜化に伴う寸法精度の要求が顧客ニーズとして示され、製品の信頼性向上で評価を得たと書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    工程ごとに3次元測定を行い、成型試作を繰り返して金型寸法と冷却配管を改善した手順が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    薄膜化フィルムコンデンサ向けの高精度プラスチック金型という分野の特徴は書かれるが、普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    フィルムコンデンサの薄膜化に関わる言及はあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    サポインの採択経験を活かした点と受注増目標はあるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    3次元測定器の画像活用や測定データの納入先提供にわずかに触れるが、サプライチェーン全体のイノベーションは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    福岡県朝倉市の所在地は書かれるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

3次元測定器は今回の金型以外にも応用を検討しており、製品に対するユーザーの評価は高まっていて、5年後に1000万円の受注増を目指している。

  • 目標:5年後には1000万円の受注増を目指す

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。