ものづくり補助金平成24年度福岡県

高生産性エレクトロスピニング法ナノファイバー量産機の試作開発

株式会社メック

成果ナノファイバーシートの有効幅 800mm→1,050mm

この事例のポイント

  • シート両端は電荷の反発によりファイバーの堆積が不足して薄くなるため使用できず、切り落として800mm幅のシートとしてしか使えていなかった。
  • 紡糸材料はPVDF、溶液は12.5%(DMF:アセトン=6:4)、吐出速度は3mlのプログノズル、ノズル数は154で条件を設定した。
  • ナノファイバーシートの有効幅 800mm→1,050mm。紡糸領域をテフロン樹脂で覆うことで、シート両端の厚みの落ち込みが緩和され、ナノファイバーシートの有効幅が800mmから…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社メック
所在地福岡県 小郡市
業種電気機械器具製造業
技術分野繊維加工
従業員数55人
資本金4,000万円

事業の背景

ナノファイバーの現在の世界市場規模は100億円程度である。本製品は他の製品と比べて品質と技術の優位性があり、応用先も増えている。高生産性で付加価値が高いと判断されれば、市場は約20倍に拡大すると期待されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力シート両端は電荷の反発によりファイバーの堆積が不足して薄くなるため使用できず、切り落として800mm幅のシートとしてしか使えていなかった。
  • 品質・精度コレクターが固定式のため、ナノファイバーが静電気でコレクターに付着し、シートの巻き取り時に破れることがあった。

やったこと

紡糸材料はPVDF、溶液は12.5%(DMF:アセトン=6:4)、吐出速度は3mlのプログノズル、ノズル数は154で条件を設定した。従来の固定式コレクターを改め、スチールベルトコレクターを導入して、ファイバーの付着による巻き取り時の破れを防いだ。紡糸領域をテフロン樹脂で覆い、静電的な反発を生じさせて紡糸領域外に逃げていたファイバーを紡糸領域に堆積させた。これによりシート両端の急激な厚みの変化が緩和され、有効幅を800mmから1,050mmに拡大できた。

  • 加工機高生産性エレクトロスピニング法ナノファイバー量産機
  • その他スチールベルトコレクター

新しい製品・サービス:高生産性エレクトロスピニング法によるナノファイバー量産機

事業の効果

  • ナノファイバーシートの有効幅 800mm→1,050mm

紡糸領域をテフロン樹脂で覆うことで、シート両端の厚みの落ち込みが緩和され、ナノファイバーシートの有効幅が800mmから1,050mmに拡大した。これにより生産性が高まり、当装置の引き合いは9億円程度となっている。スチールベルトコレクターの導入により、巻き取り時にシートが破れる問題も改善された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性市場規模約100億円が約20倍に拡大する期待、他製品より品質・技術の優位性があると記述され、外部環境と強みに触れている。
  • 4
    課題の認識と解決有効幅を800mmから1,050mmへ拡大し、引き合い9億円程度という数字で課題解決と事業化の見込みが示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けナノファイバー・メーカーをターゲットに医療・バイオ、化学工業市場を狙うと明記され、単価や引き合いの数字も示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性従来機の両端不良(800mm幅のみ使用)を改善する経緯は読めるが、経営戦略上の位置づけや過去の取組との一貫性は書かれていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性2

    従来機の両端不良(800mm幅のみ使用)を改善する経緯は読めるが、経営戦略上の位置づけや過去の取組との一貫性は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    市場規模約100億円が約20倍に拡大する期待、他製品より品質・技術の優位性があると記述され、外部環境と強みに触れている。

  • 課題の認識と解決4

    有効幅を800mmから1,050mmへ拡大し、引き合い9億円程度という数字で課題解決と事業化の見込みが示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    有効幅の改善率(約307%)はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制ー

    公開情報では判断できません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ナノファイバー・メーカーをターゲットに医療・バイオ、化学工業市場を狙うと明記され、単価や引き合いの数字も示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は廉価な単価の実現とシェア拡大、業界スタンダード化を目指すとあるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ナノファイバー市場は普及途上で、本製品は他製品より品質・技術の優位性があると記されている。量産機単価7,000万円も高付加価値を示す。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    ナノファイバー市場の拡大や医療・バイオ分野への展開が書かれているが、雇用創出や波及効果の記述はない。

  • 費用対効果3

    量産機単価7,000万円と引き合い9億円程度は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    テフロン樹脂による静電反発の工夫や電荷対策は読めるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    ナノファイバー製品の市場拡大が予想されると書かれているが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

ナノファイバー製品の世界市場規模は2020年に2,500億円以上と予想され、製造装置の市場も300億円規模になると期待できる。今後は廉価なナノファイバー生産単価を実現できる唯一の製造装置として、シェアを増やし業界のスタンダードを目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。