ものづくり補助金平成24年度福岡県

地震発生時に身を守るシェルターとなる防災テーブルの開発

株式会社星野民藝

この事例のポイント

  • 地震時に家具の倒壊から身を守れる防災機能を備えたダイニングテーブルがなかった。
  • 国産のサクラ材とヒノキ材を使い、天板はフィンガージョイント工法で強度を確保した。
  • 防災用テーブルでありながら重厚な民芸調のデザインに仕上がり、天板裏の収納部は外から見えないようにできた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社星野民藝
所在地福岡県
業種家具・装備品製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数18人
資本金2,000万円

事業の背景

2011年の東日本大震災を機に防災意識が高まり、非常用食料の備蓄や家具の転倒防止用具が普及した。近年も大地震の発生が予想され、防災意識はさらに高まっている。当社は職人による伝統技術と民芸調のデザインを強みとしており、家族が集まるダイニングテーブルに防災機能を加えた家具を開発することにした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術地震時に家具の倒壊から身を守れる防災機能を備えたダイニングテーブルがなかった。
  • 生産能力天板の研磨は手作業で行われており、時間がかかっていた。

やったこと

国産のサクラ材とヒノキ材を使い、天板はフィンガージョイント工法で強度を確保した。脚部は下広がりに取り付け、横方向の荷重にも耐えるようにした。天板下には飲料水や毛布などの防災用品を収納する部分を設け、避難した人の邪魔にならないようゴム製の網状収納部を装着した。地震の揺れで人が投げ出されないよう、天板下にゴム製の手すりを設置した。天板の研磨には研磨機を導入し、研磨時間を半減させるとともに仕上がりを良くした。当社の荷重実験では約2.8トンの強度に耐えた。

新しい製品・サービス:地震発生時にテーブル下が一時避難場所となる防災テーブル

事業の効果

防災用テーブルでありながら重厚な民芸調のデザインに仕上がり、天板裏の収納部は外から見えないようにできた。サクラとヒノキの国産無垢材を使い、インテリアにこだわる顧客の期待にも応えられる製品になった。研磨機の導入により研磨時間が半減し、仕上がりも良くなった。他社の類似品に比べ低価格で提供できるため、販売の拡大も見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性国産サクラ・ヒノキ材や他社類似品より低価格という強みを示し、防災需要とインテリア志向の顧客に応える優位性がある。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けインテリアにこだわる顧客や防災意識の高い層をターゲットとし、重厚な民芸調デザインと防災機能の両立で選ばれる理由を整理している。
  • 4
    新しさ・高付加価値防災機能付きダイニングテーブルは一般的な普及度が低く、重厚な民芸調デザインで高水準の高付加価値化を図っている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標テーブル出荷数約20万台の数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    当社の職人による伝統技術と民芸調デザインを活かした家具開発で、既存の事業資源との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国産サクラ・ヒノキ材や他社類似品より低価格という強みを示し、防災需要とインテリア志向の顧客に応える優位性がある。

  • 課題の認識と解決3

    防災意識の高まりという課題認識から防災機能付きテーブルを開発し、高付加価値化を図る計画となっている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    テーブル出荷数約20万台の数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員18人の企業であることは示されるが、補助事業を遂行する体制や人材の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    インテリアにこだわる顧客や防災意識の高い層をターゲットとし、重厚な民芸調デザインと防災機能の両立で選ばれる理由を整理している。

  • 事業化までの道筋3

    荷重実験や福岡県工業技術インテリア研究所での耐震実験の進捗、百貨店やネット販売などの販売展開が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    防災機能付きダイニングテーブルは一般的な普及度が低く、重厚な民芸調デザインで高水準の高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    地震時の避難シェルター機能を提供し、高齢者や子供の安全確保に資する社会的意義があり、需要創出も見込める。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数字は示されておらず、費用対効果は読み取りにくい。

  • イノベーションへの貢献2

    研磨機導入による研磨時間半減の効率化は触れられているが、デジタル技術や地域サプライチェーンへの波及は薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    福岡県の地元職人の伝統技術と国産材を活かし、地域の家具製造を基盤とした事業となっている。

今後の展望

テーブルの出荷数は年間約20万台あり、防災意識の高まりから当製品の需要が見込める。今後は関東や関西に加え東北地方の百貨店でも展示販売を検討し、ジャパンホームショーや防災関連展示会も活用する。ネット販売への参入や、販社・ハウスメーカーとの提携、行政機関への販路開拓も進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。