ものづくり補助金平成24年度福岡県

海苔の品質、及び歩留まりを飛躍的に向上させる海苔裁断用刃物の生産性を増加させる設備の導入

大川精工株式会社

この事例のポイント

  • 生海苔を切断する際、切断方法によって品質低下を招く恐れがあった。
  • マシニングセンタを導入し、社内の加工体制を確立した。
  • 従来品と比べて切れ味が増し、海苔のツヤがよくなったことで、海苔の等級や単価が上がる効果が口コミで評判となった。

事業者のプロフィール

事業者名大川精工株式会社
所在地福岡県 大川市
業種金属製品製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数10人
資本金1,000万円
設立1972年

事業の背景

大川市は家具の街で、自社は木工用刃物の製造を手がけてきた。自社の強みを他分野で生かせないかと考えていたところ、海苔の養殖が盛んな地元有明海に着目した。海苔を裁断する加工機向けの刃物に自社の技術を応用することにした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度生海苔を切断する際、切断方法によって品質低下を招く恐れがあった。
  • 品質・精度既存の他社製刃物は海苔が押し切り状態となり、思い通りの切れ味が出ず切断面が粗くなっていた。

やったこと

マシニングセンタを導入し、社内の加工体制を確立した。材料の鋼材に角度を付けてセットできるようにし、傾斜穴を作ることを可能にした。切り刃とプレートがハサミのように交差する構造とし、プレートの穴を楕円形にした。これにより海苔の細胞をつぶさずに裁断できるようになり、独自構造の海苔裁断用刃物を製品化した。

加工機マシニングセンタ

新しい製品・サービス:切り刃とプレートがハサミのように交差する構造の海苔裁断用刃物

事業の効果

従来品と比べて切れ味が増し、海苔のツヤがよくなったことで、海苔の等級や単価が上がる効果が口コミで評判となった。納入先は有明海沿岸から瀬戸内海や東京湾にも広がった。さらに韓国からも引き合いが出ており、海外向けに納められる体制を整えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    木工用刃物の技術を海苔裁断用刃物に応用する方針が示され、既存の木工技術との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社品は押し切り状態で切断面が粗いという課題と、独自構造で切れ味を高めた点は読めるが、市場規模などの外部環境の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    他社刃物の押し切り課題を認識し、切り刃とプレートの交差構造で解決する実効性のある方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値向上は品質向上や等級・単価上昇の記述にとどまり、数値目標や賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社内の加工体制を確立したとあるが、人材や事務処理体制の具体的記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    海苔の品質維持や切れ味向上、短納期対応という価値と、有明海沿岸や瀬戸内海などの顧客層が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    MC導入による製品化の流れは書かれているが、中長期の課題検証やスケジュールの記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    楕円形の穴と交差構造による独自性が示され、他社比で割高だが高性能を売りとする高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地元有明海の養殖業への貢献はうかがえるが、経済波及や雇用創出の具体的な数字は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する効果の数値は示されず、単価上昇などの効果が口コミ評価として述べられる程度。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    家具の街大川の木工技術を地元有明海の海苔産業に生かし、地域の産業資源を活用している点が明確に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は海外向けに納められるように体制を整えていく。

事業者の声

切れ味の良さと短納期対応が自慢

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

山梨県平成24年度

アルミダイカスト高真空鋳造技術の開発

セラミックフィルターの採用による溶湯の清浄化、溶湯保持状態での脱ガス処理の改善、真空ダイカスト法の採用と改善を行った。

効果:歩留り 55%→90%

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。