ものづくり補助金平成24年度佐賀県

射出成形部品重欠点外観検査ユニットの開発販売

九州大栄工業株式会社

成果当初計画した製品規格及び仕様に対し要件達成率 60/64 = 93.8%

この事例のポイント

  • 射出成形現場の外観検査は作業員の目視に頼っており、検査員の技量差によりバラつきや見逃しが発生している。
  • 成形重欠点検査(ゲート、ショート、大異物など)に限定し、低価格で簡単設置・簡単操作をコンセプトとした外観検査ユニットの開発試作を行った。
  • 当初計画した製品規格及び仕様に対し要件達成率 60/64 = 93.8%。重欠点を対象とした低価格で簡単設置・簡単操作の外観検査ユニットを開発し、自社成形ラインへの導入により出荷品質の向上と廃…

事業者のプロフィール

事業者名九州大栄工業株式会社
所在地佐賀県 三養基郡
業種プラスチック製品製造業
技術分野動力伝達
従業員数120人
資本金1,000万円

事業の背景

当社は射出成形による樹脂製品の製造を行っており、企業の品質イメージを最も損なう重欠点の流出が課題となっている。作業員の熟度や資質に依存しない安定した不良検知を求めつつ、既存の画像検査機は高価で操作も難しく、同規模の事業所には導入の障壁が高い状況にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度射出成形現場の外観検査は作業員の目視に頼っており、検査員の技量差によりバラつきや見逃しが発生している。
  • 品質・精度微小な不良の見逃しに加え、人為的ミスにより特定の場所に発生する不良や大きな欠陥などの重欠点も流出している。
  • コスト・採算全てを検査機で観ようとすると非常に高価で操作も難しく、自社のような規模の事業所では導入に至らない。
  • 生産能力目視検査の自動化は価格や操作の難しさなどの理由で進んでいない。

やったこと

成形重欠点検査(ゲート、ショート、大異物など)に限定し、低価格で簡単設置・簡単操作をコンセプトとした外観検査ユニットの開発試作を行った。必要構成部品は必要スペックと目標価格から機器調査で候補を絞り込み、テスト機等で実験評価を行って選定した。画像処理ソフトは、予め記憶させた複数の良品画像と検査対象を比較して不良判定し、良品範囲の製品を再記憶させることで判定基準を自動更新する学習機能とし、撮像時の製品のズレを修正する機能も開発した。外観検査ユニット4式を試作し、静止体評価用の手置きステージ、動体評価用のコンベア検査ライン、フィールド評価用ユニットも併せて製作した。

新しい製品・サービス:画像検査ユニット「みえるくん」(重欠点検査向けの低価格外観検査ユニット)

事業の効果

  • 当初計画した製品規格及び仕様に対し要件達成率 60/64 = 93.8%
  • 検査速度 0.2秒(検査箇所・面積等により変動)
  • 最小検査面積 @0.4mm(標準レンズ F12)
  • 標準システムでカメラ2台まで増設可能、オプション使用時は最大6台
  • 約30分のトレーニングで設定操作ができる

重欠点を対象とした低価格で簡単設置・簡単操作の外観検査ユニットを開発し、自社成形ラインへの導入により出荷品質の向上と廃棄ロス率の削減を目指す。試作機はフィールド評価できるレベルまで完成し、サンプル評価や見積依頼を受けるなど販売活動が進んでいる。検査員の技量に依存しない安定した不良検知により、生産コスト面での競争力強化につながることが期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決目視検査のばらつきや廃棄ロス率削減という課題を示し、重欠点に特化した開発と自社ラインでの評価を計画しており、課題認識と解決策の対応が具体的。
  • 4
    事業を進める体制弊社人員九州7名、名古屋3名で材料調達や組立調整、アフターサービスを担い、協力会社名も挙げられており、体制が具体的。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け検査速度0.2秒、最小検査面積0.4mm、約30分で操作習得などの数字で価値を示し、顧客の重欠点削減ニーズを狙うと明記している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用国が補助する社会的意義としての雇用創出や波及効果は書かれておらず、わずかに地域や業界全体への広がりがうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の目視検査の課題(検査員の技量差による見逃し、重欠点流出)から自社ラインへ導入し外販化する流れは読み取れるが、過去の取組との一貫性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    低価格・簡単操作で重欠点に限定し、自動車・電気機器・食品など広範な樹脂成形メーカーを狙う点は読み取れるが、競争優位の根拠となる数値比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    目視検査のばらつきや廃棄ロス率削減という課題を示し、重欠点に特化した開発と自社ラインでの評価を計画しており、課題認識と解決策の対応が具体的。

事業の実現可能性3.6
  • 付加価値・賃上げの目標3

    要件達成率60/64の記載や販売開始の進捗はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、高付加価値化の数値目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制4

    弊社人員九州7名、名古屋3名で材料調達や組立調整、アフターサービスを担い、協力会社名も挙げられており、体制が具体的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    検査速度0.2秒、最小検査面積0.4mm、約30分で操作習得などの数字で価値を示し、顧客の重欠点削減ニーズを狙うと明記している。

  • 事業化までの道筋4

    残件として照明開発、画像保存機能、30万画素カメラ評価などを挙げ、それぞれの課題と解決の方向性が整理されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    射出成形品の重欠点に限定した低価格検査ユニットで、高価な全数検査機との差別化を図る点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    国が補助する社会的意義としての雇用創出や波及効果は書かれておらず、わずかに地域や業界全体への広がりがうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    廃棄ロス率の削減や生産コスト競争力の強化は期待として書かれているが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    画像処理による学習型の不良判定やサウンド通知など、デジタル技術を用いて成形現場の検査を変える取組が具体的に書かれている。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    製造現場の検査自動化という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

当初は取引関係のある顧客や展示会で引き合いのあった顧客を中心に営業し、商社の協力を得て範囲を広げる計画である。全国のセットメーカー・メンテナンス会社を発掘し、供給及びメンテナンス体制を強化していく。残課題として、マルチ照明の開発、検査画像の外部保存機能、30万画素カメラやストロボ照明対応のオプション評価に取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。