ものづくり補助金平成24年度佐賀県

小ロット・短納期に対応したオンデマンドパッケージ生産システムの構築

株式会社サガシキ

成果初年度は売上規模500万円を目標

この事例のポイント

  • 従来の木型によるカッティング方法は大量生産向けで、極小ロットの領域では生産性が著しく低い。
  • 小口・個人オーダー向けの小ロットパッケージに対応するため、WEB提案・WEB受注・デジタル印刷・デジタルカッティングの体制を構築した。
  • 初年度は売上規模500万円を目標。今まで受注できなかった中小企業や農業法人・個人を対象に極小ロットでのものづくりが可能となり、新たな事業として位置づけら…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社サガシキ
所在地佐賀県 佐賀市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野金型
従業員数85人
資本金3.3億円

事業の背景

段ボール・印刷紙器のパッケージ事業は平成年度より若干ながら生産金額の伸びがみられる。顧客層を問わず「小ロット」「短納期」が求められ、大量に安く生産された汎用品より、パーソナライズされた特別感のあるオンデマンドパッケージへの需要が増加している。一方、印刷通販ビジネスへの新規参入が活性化しており、2011年末時点で200社以上が存在し、市場規模は約500億円で、最大手G社が約120億円と2割以上のシェアを持つ。印刷通販市場は成長期にあり、将来は1,000〜3,000億円に達するといわれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の木型によるカッティング方法は大量生産向けで、極小ロットの領域では生産性が著しく低い。
  • 人手・技能木型の仕上げに3日から5日程度の納期を要し、展開寸が小さい場合は多面付けによるプレス圧や位置合わせの調整でセット時間と材料の調整ロスが発生している。
  • 納期・工程小ロット・短納期の要求に対応するため、従来とは異なる新たなカッティング方法の確立が必要である。

やったこと

小口・個人オーダー向けの小ロットパッケージに対応するため、WEB提案・WEB受注・デジタル印刷・デジタルカッティングの体制を構築した。カッティングには業界トップクラスの高精度・高品質なカッティングマシンを導入し、デジタル印刷物との位置合わせ用のCCDカメラモジュール、コンベア状のブランケット、自動給紙排紙のシートフィーダーも併せて導入した。刃材は材質、丸の大きさ、刃の角度を因子として最適条件を割り出し、実証試験でカッティング精度を向上させた。CCDカメラによる位置合わせでは丸型パッチの追加と位置ズレのバラつきを低減するセット方法を確立した。紙の厚みや種類による吸着トラブルは給紙テストを繰り返して吸い圧と吸盤位置を調整し、自動給紙・自動排紙による自動運転を確立した。さらにフロントウェブサイト「デザインパッケージドットコム」を立ち上げ、商品CADデータを検索してカッティングマシンに送信するシステムを構築した。

  • 加工機カッティングマシン
  • 検査測定CCDカメラモジュール
  • その他コンベア状ブランケット
  • 加工機シートフィーダー自動給紙排紙
  • ソフトフロントウェブサイト・CADデータ連携システム

新しい製品・サービス:選んでつくるセミオーダーのオリジナルパッケージ(デジタルカッティングによる極小ロット生産)

事業の効果

  • 初年度は売上規模500万円を目標
  • 3年で1,500万円を目標
  • 5年で5,000万円程度を目標

今まで受注できなかった中小企業や農業法人・個人を対象に極小ロットでのものづくりが可能となり、新たな事業として位置づけられる。従来の顧客に対しても小ロットに対応することで他社との差別化を図り競争力をつけられると見込まれる。事業化は平成年度からを見込み、売上目標は初年度500万円、3年で1,500万円、5年で5,000万円程度としている。事業化後も品質や生産性改善のための追加開発、広域エリアへの新たな設備投資、パッケージ以外の商品のカッティング技術の確立に取り組む。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性印刷通販市場約500億円、200社以上、最大手G社シェア2割超など外部環境の数字があり、小ロット需要への対応を差別化と位置づけている。
  • 4
    課題の認識と解決木型による3〜5日の納期やセット時間・材料ロスという課題を示し、木型不要のサンプルカッター導入で解決する計画になっている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標初年度500万円、3年で1,500万円、5年で5,000万円という売上目標が数字で示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制担当者として管理部部長の名前はあるが、補助事業を遂行する人員や技術体制の具体的な記載はわずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    段ボール・印刷紙器のパッケージ事業で生産金額が伸びているとあり、既存事業との関連は読めるが、過去の取組との一貫性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    印刷通販市場約500億円、200社以上、最大手G社シェア2割超など外部環境の数字があり、小ロット需要への対応を差別化と位置づけている。

  • 課題の認識と解決4

    木型による3〜5日の納期やセット時間・材料ロスという課題を示し、木型不要のサンプルカッター導入で解決する計画になっている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    初年度500万円、3年で1,500万円、5年で5,000万円という売上目標が数字で示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    担当者として管理部部長の名前はあるが、補助事業を遂行する人員や技術体制の具体的な記載はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小ロット・短納期を求める顧客層と、パーソナライズされたオンデマンドパッケージへの需要増が具体的に説明されている。

  • 事業化までの道筋3

    事業化は令和6年度からとされ、追加開発や他商品カッティングへの展開が書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は詳細が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    木型不要の一枚からの断裁・罫線加工という切削技術の確立は新しさを示すが、市場における普及度や高価格化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    印刷通販市場の成長や中小企業・個人の起業が増える点はうかがえるが、経済波及や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    従来の木型工程の日数や材料ロスを示すが、投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD データをWebサイトからカッティングマシンへ送信する受注連携が記載され、デジタル活用の具体性はあるがサプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    印刷通販市場の成長とデジタル化への移行がうかがえるが、日本経済の構造転換に資する根拠としては具体性が薄い。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

事業化後も品質や生産性改善のための追加開発、広域エリアへの新たな設備投資、パッケージ以外の商品(カード、包装紙、ポスター、樹脂など)のカッティング技術の確立に取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。