ものづくり補助金平成24年度長崎県

精密機械加工の実現化による競争力の強化および市場シェアの拡大

出口工業株式会社

この事例のポイント

  • 顧客が加工・組立・製造までの一元化を求めているが、当社の現有設備では対応できない。
  • 低価格、高品質、短納期化を可能にするマシニングセンタを新たに導入した。
  • コスト削減、ワンストップ化による生産リードタイムの短縮、多品種少量生産、品質向上などの大きなメリットを得られるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名出口工業株式会社
所在地長崎県 時津町
業種金属製品製造業
技術分野切削加工
従業員数58人
設立2001年

事業の背景

当社は創業以来、造船業や電機機器製造業向けに製缶組立品の納入を行ってきた。精密機械加工分野は外注に依存してきた。顧客は近年、加工・組立・製造までの一元化を求めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力顧客が加工・組立・製造までの一元化を求めているが、当社の現有設備では対応できない。
  • コスト・採算精密機械加工を外注に依存しており、外注コストが経営を圧迫する要因の一つになっている。
  • 新製品・新技術顧客が要望する精密加工がセットされた製品を自社で一貫生産できず、失注することも多々あった。

やったこと

低価格、高品質、短納期化を可能にするマシニングセンタを新たに導入した。導入したマシニングセンタで特殊フランジ等の加工試作を行い、導入前と導入後の加工時間を比較評価した。一度の段取りで複数の部品加工が可能になり、切削時間の短縮と量産加工も可能になった。

事業の効果

コスト削減、ワンストップ化による生産リードタイムの短縮、多品種少量生産、品質向上などの大きなメリットを得られるようになった。精密機械加工への顧客ニーズに応える体制が整い、外注依存からの脱却と自社独自の製造展開を進められるようになった。若いオペレータの機械加工に対する意識も大きく変化した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.6 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性顧客が加工から組立までの一元化を求めている点と、当社の現有設備では対応困難という自社の弱みが具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決外注コストが経営を圧迫し失注も多いという課題を認識し、マシニングセンタで低価格・高品質・短納期を実現する計画が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制若いオペレータの意識変化に触れるのみで、補助事業を遂行する人材配置や事務処理体制の具体的記述はうかがえない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    外注依存の課題と、創業以来の製缶組立事業を背景にマシニングセンタ導入で内製化する方向性は読み取れるが、経営戦略上の位置づけの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    顧客が加工から組立までの一元化を求めている点と、当社の現有設備では対応困難という自社の弱みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    外注コストが経営を圧迫し失注も多いという課題を認識し、マシニングセンタで低価格・高品質・短納期を実現する計画が示されている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工時間の比較評価を行ったとあるが、具体的な数値目標や付加価値額、賃上げ目標は事例文からは確認できない。

  • 事業を進める体制2

    若いオペレータの意識変化に触れるのみで、補助事業を遂行する人材配置や事務処理体制の具体的記述はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客の低価格・高品質・短納期ニーズへの対応が選ばれる理由として示されるが、ターゲットや数量的な裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として大学連携や大手企業関係強化などが挙げられているが、遂行スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    特殊フランジ等の精密加工という分野だが、市場の認知度や高価格化の水準についての記述はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地域の製造業の内製化という点はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の数値的根拠は書かれていない。

  • 費用対効果2

    コスト削減やリードタイム短縮のメリットが挙げられるが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    大学との連携関係や一貫生産システムへの言及はあるが、デジタル技術の活用や地域サプライチェーンへの貢献は具体的でない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    九州管内の大学との連携や地域への言及がわずかにうかがえるが、地域特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

今後の展望

大手メーカーへのホーム関連製品を自社で一貫生産し、安定した工数確保と量産を図る。学術研究分野(長崎大学・佐賀大学など)への展開、新規顧客の開拓、自社オリジナル製品の開発を進める方針である。

事業者の声

中小企業こそ、常に時代認識力を高め、経営の持続発展のための継続的投資を行っていくべきだ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。