ものづくり補助金平成24年度熊本県

小型マイクロ減圧乾燥機の開発

株式会社プレシード

この事例のポイント

  • 市場にある既存のマイクロ減圧乾燥機は高価で大型のため、小規模食品製造業や研究機関で導入が難しい。
  • 既存の電子レンジを改造して試作機の第1号を製作した。
  • 小型マイクロ減圧乾燥機の試作により、乾燥後も果物の色を保てる乾燥技術とコンパクト化のノウハウを確立できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社プレシード
所在地熊本県 熊本県上益城郡嘉島町
業種生産用機械器具製造業
技術分野真空
従業員数100人
資本金1.99億円
設立1989年

事業の背景

当社は半導体関係の受注販売会社で、オーダー品の製作が主な事業だった。マイクロ減圧乾燥機は食品を変色させずに乾燥できる利点があり、ドライフルーツなどの用途で小規模食品製造業や研究機関からニーズがある。しかし既存製品は高価かつ大型で、こうした事業者には導入が困難な状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術市場にある既存のマイクロ減圧乾燥機は高価で大型のため、小規模食品製造業や研究機関で導入が難しい。
  • 新製品・新技術自社にはマイクロ減圧乾燥機の開発ノウハウがまったくなかった。

やったこと

既存の電子レンジを改造して試作機の第1号を製作した。マイクロ波を発生させるマグネトロンの取り付けや、その出力を制御する条件設定に苦労し、実験を繰り返して最良の条件を探った。真空に近い状態で密閉することと、効率よくマイクロ波を当てることが開発の要点で、試作機の改良を重ねた。その結果、庫内を円筒状にして反射させる方式を採用し、食材を問題なく乾燥でき、乾燥後も色が変わらない製品に近づいた。

新しい製品・サービス:安価でコンパクトな小型マイクロ減圧乾燥機

事業の効果

小型マイクロ減圧乾燥機の試作により、乾燥後も果物の色を保てる乾燥技術とコンパクト化のノウハウを確立できた。これにより小規模事業者でも導入しやすい製品の見通しが立った。開発の経験は次の商品開発にも生かされ、デザインに早い段階から取り組んで短期間で商品化につなげられた。また、半導体の受注販売から食品関係の装置メーカーへ事業を広げる契機にもなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.5 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

伸びしろがあった観点

  • 2
    課題の認識と解決課題として小規模食品製造業や研究機関での導入困難さに触れるが、付加価値化や成長につながる計画の具体性は乏しい。
経営戦略との整合性2.7
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の半導体関係の受注販売からの転換と書かれているが、経営戦略上の位置付けは文章から具体的に読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高価・大型の既存機に対し安価でコンパクトな機器を目指すと書かれ、差別化の方向性はうかがえるが数字の裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決2

    課題として小規模食品製造業や研究機関での導入困難さに触れるが、付加価値化や成長につながる計画の具体性は乏しい。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    開発経験や試行錯誤の記述はあるが、人材や事務処理体制について書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    変色せず見栄えがよいという特徴とドライフルーツ用途が示されるが、顧客ターゲットや需要の裏付けは限定的。

  • 事業化までの道筋3

    今後はデザイン・ソフト・インターフェイスの改良を経て発売する方針と順序が示されているが、スケジュールは不明確。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    マイクロ減圧乾燥機は普及度が低い分野で、変色しない乾燥という高付加価値の特徴が示されている。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    食品業界の国内生産の継続やそ野の広さに触れるが、国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    マイクロ波を用いた新しい乾燥方式だが、サプライチェーンへの波及や地域イノベーションの記述は限定的。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    食品関係の装置メーカーへの進出が書かれ、成長分野への転換の一端がうかがえる。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

今後はデザイン、ソフトウェア、インターフェイスを改良して商品としての品質を高め、近い将来の発売を目指す。小規模事業者にも導入しやすい価格を検討する。食品業界は国内生産がなくならず裾野が広いため、食品関係の装置を新たな事業の柱にしていく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。