ものづくり補助金平成24年度熊本県

試作から量産までの最適な“型”の開発

有限会社AIWA

この事例のポイント

  • 取引先から多品種少量、複雑形状、納期短縮への要望が高まっており、試作から量産までに対応できる最適な型の開発が必要だった。
  • ものづくり補助金事業では、型の成形設備として中子製作用の砂型造形機(シェルマシン)を導入した。
  • 中子自体の成型を自社で行えるようになり、試作から量産までの最適な型の開発に取り組めるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社AIWA
所在地熊本県 西原村
業種金属製品製造業
技術分野切削加工
従業員数9人
資本金300万円
設立1980年

事業の背景

当社は型製作メーカーで、鋳物用の木型や金型、中子などを手がけている。最近の型製作の現場では、鋳造部品の自動化が進み、砂型を自動機で一度に大量生産する流れがある。取引先は地元の農業機械メーカーをはじめ、ロボット、建機、自動車、鉄道、船舶の部品メーカーである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力取引先から多品種少量、複雑形状、納期短縮への要望が高まっており、試作から量産までに対応できる最適な型の開発が必要だった。
  • 生産能力中子の製作を自社でできず、鋳造メーカーとの間で木型と中子型を受け渡していたため、トライアンドエラーや手直しが繰り返され、対応が遅れていた。
  • 新製品・新技術鋳造部品の自動化や3Dプリンターの進化により、試作モデルを経ずに金型を製作する傾向が強まり、中子製作にも対応することが求められていた。

やったこと

ものづくり補助金事業では、型の成形設備として中子製作用の砂型造形機(シェルマシン)を導入した。特に製作が難しい薄さや強度に対応できる木型の開発を進めた。型は3Dでデザインを起こして鋳造し、工作機械で削って作る方法をとった。型の材料は鉄、木材、スチロール、樹脂、アルミニウムなどを用い、ロット数や耐用年数によって使い分けた。

加工機中子製作用の砂型造形機(シェルマシン)

新しい製品・サービス:強化プラスチック(FRP)製品のOEM生産

事業の効果

中子自体の成型を自社で行えるようになり、試作から量産までの最適な型の開発に取り組めるようになった。これにより、トライアンドエラーや手直しが減り、スピーディーな対応が可能になった。新しい取引先の開拓にもつながり、導入前と比べて2〜3割の受注拡大を実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    型製作を続けてきた会社が中子製作へ広げる方向性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多品種少量・複雑形状・納期短縮への顧客要望に応える必要性は書かれているが、競争優位の根拠は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決3

    中子を自社で成型できれば試行錯誤が減りスピーディーになるという課題認識と解決の方向は読み取れるが、事業計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    導入後に2、3割の受注拡大につながったと記載があるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員9人の会社で設備導入に着手したことはうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種少量や複雑形状、納期短縮という顧客ニーズへの対応と、新規取引先開拓につながった点は読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    3Dデザインから鋳造・切削へ進める手順や中子製作の段階的導入はうかがえるが、スケジュールや課題解決方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    薄さや強度に対応する木型開発や、型製作で独自ノウハウを構築した点から高水準の技術化はうかがえるが、市場での位置付けは数字を伴わない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    取引先が農業機械・ロボット・建機・自動車・鉄道・船舶など多業種に及ぶ点は書かれているが、波及効果の定量説明はない。

  • 費用対効果2

    受注が2、3割拡大したとあるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    3Dデータ化や3Dプリンタの進化への対応は書かれているが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    熊本県西原村の地元農業機械メーカーとの取引が書かれているが、地域の経済成長への牽引効果は明示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も、さまざまな要望に対応した型製作に取り組んでいく方針である。支援機関や金融機関には、継続的で柔軟な支援を期待している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。