ものづくり補助金平成24年度大分県

別府竹細工の技術を活用したプロダクト品試作開発事業

別府竹製品協同組合

この事例のポイント

  • 国内の竹材需要の低迷と安価な海外竹製品の輸入により、別府竹細工の生産額は年々減少している。
  • 米国の竹製品市場に詳しい専門家(プロダクトデザイナー、マーケティングコンサルタント等)を招いて、外国製品との差別化が図れるプロダクト品を検討した。
  • 切削加工技術が向上し、竹材と金属金具などの異素材を組み合わせる治具の開発が進んだ。

事業者のプロフィール

事業者名別府竹製品協同組合
所在地大分県 別府市
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野発酵
設立1978年

事業の背景

別府竹細工は日本一のマダケ生産量を背景に、昭和54年に大分県唯一の伝統的工芸品に指定された。しかし国内の竹材需要の低迷や安価な海外竹製品の輸入により、生産額は減少が続いている。大分県と大分県竹産業文化振興連合会等は米国への販路開拓に動き出し、組合もこれに連動して従来の花籠や盛籠にとどまらない日用品、文具、生活雑貨の開発に取り組むことにした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信国内の竹材需要の低迷と安価な海外竹製品の輸入により、別府竹細工の生産額は年々減少している。
  • 新製品・新技術東南アジアを中心とした海外製の安価な竹製品と一線を画す、新しいプロダクト品を開発する必要がある。

やったこと

米国の竹製品市場に詳しい専門家(プロダクトデザイナー、マーケティングコンサルタント等)を招いて、外国製品との差別化が図れるプロダクト品を検討した。ニューメキシコ州サンタフェのアートギャラリー「タイモダン」の助言を受けながら、米国の消費者ニーズに沿ったジュエリーや文具などの試作品を開発した。竹材の切削加工や編組の技術を見直し、金属金具などの異素材との治具技術の問題点を整理して生産方法を導き出し、試作品を完成させた。完成品は米国美術館等でテストマーケティングを行い、得られたバイヤーや消費者の意見を集約して今後の開発に反映させた。補助金は2年目の原材料費、米国への運送費、専門家の旅費や謝金等に充てた。

新しい製品・サービス:ジュエリー、文具、生活雑貨などのプロダクト品(試作)

事業の効果

切削加工技術が向上し、竹材と金属金具などの異素材を組み合わせる治具の開発が進んだ。東南アジア等から模倣されにくい独自商品が生まれ、別府竹細工にさらなる希少価値が加わった。米国でのブランディングが成功すれば、逆輸入効果で国内の新たな市場形成も期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性生産量全国第1位の素材力と、国内需要低迷や安価な海外製品という外部環境を踏まえ、米国の高品質志向市場を狙う点が読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け米国の企業や個人コレクターなど、デザイン性の高い調度品を求める顧客ターゲットとニーズが具体的に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値東南アジア製の安価な竹製品とは一線を画す高品質な別府竹細工で、米国では竹工芸美術品市場が形成途上と読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標高付加価値化を示す目標値や売上・賃上げの数値は書かれておらず、実現可能性を判断する材料がわずかにうかがえる程度である。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    平成10年頃からの竹工芸の取組や伝統的工芸品指定を背景に、3年目の米国販路開拓プロジェクトとして位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    生産量全国第1位の素材力と、国内需要低迷や安価な海外製品という外部環境を踏まえ、米国の高品質志向市場を狙う点が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    国内需要の低迷と生産額減少という課題は認識されているが、高付加価値化の数値目標や収益見通しは示されていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化を示す目標値や売上・賃上げの数値は書かれておらず、実現可能性を判断する材料がわずかにうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    専門家、開発協力機関、若手生産者が参加し、米国美術館でのテストマーケティングも行ったと書かれ、体制の一端がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    米国の企業や個人コレクターなど、デザイン性の高い調度品を求める顧客ターゲットとニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    初年度から3年目までの段階的な開発と、テストマーケティングによる検証の流れが書かれ、遂行方法が読み取れる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    東南アジア製の安価な竹製品とは一線を画す高品質な別府竹細工で、米国では竹工芸美術品市場が形成途上と読み取れる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    逆輸入効果や観光への貢献、後継者育成など地域への波及効果が挙げられており、国が補助する理由がうかがえる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    米国市場での海外販路開拓を図る点はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する分野進出とは明確に書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    地域の伝統工芸である別府竹細工の振興、観光面への貢献、後継者育成が書かれ、地域経済を牽引する事業と読み取れる。

今後の展望

米国での別府竹細工の人気や評価が高まれば、海外市場の需要拡大と国内の新たな市場形成につながると期待されている。観光面への貢献や後継者育成への波及効果も期待されている。

業種と困りごとが近い成果事例

北海道平成24年度

装着型高照度光照射装置の開発

睡眠習慣の改善や季節性感情障害の緩和を目的に、装着型高照度光照射装置「ルーチェグラス」を開発した。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。