ICT を活用した測量で作業効率および労働環境の改善

北海道の測量を手がける会社が、ものづくり補助金でドローンと測量用ソフトを導入し、作業の効率化と安全性の向上を目指した採択事例です。

西江建設株式会社

この事例のポイント

  • より精度の高い測定が必要であり、3次元データの取得・処理も必要だった。
  • 最新鋭の測量用ドローンと、ドローンが撮影した画像を処理して自動的に3次元図面に変換する測量用ソフトウェア、情報処理能力・画像処理能力に優れた高性能パソコン(測量ソフトウェア専用P…
  • 従来の測量手法より少ない誤差で詳細な地形情報を得られるようになり、測量時間と人的労力の負担を大幅に軽減しました。

事業者のプロフィール

事業者名西江建設株式会社
所在地北海道 帯広市
業種技術サービス業(他に分類されないもの)
従業員数67人
資本金1億円
設立1953年

事業の背景

同社は道内の同業他社に先駆けてICT建機の導入に力を入れてきた。特に測量分野の技術は日進月歩で、ドローンや3Dなど新しい手法への対応が求められていた。

造成工事では地形を測量して土量を計算し工事の進捗を管理するが、トータルステーションなどを用いて地上で測量する方法では、現場の規模が大きいと測量や図面の作成に手間がかかっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度より精度の高い測定が必要であり、3次元データの取得・処理も必要だった。
  • 人手・技能同じ測量作業を何度も繰り返さなければならなかった。
  • コスト・採算作業時間が長くなり、人件費・出張費がかさんでいた。

やったこと

最新鋭の測量用ドローンと、ドローンが撮影した画像を処理して自動的に3次元図面に変換する測量用ソフトウェア、情報処理能力・画像処理能力に優れた高性能パソコン(測量ソフトウェア専用PC)を導入しました。ドローンによる写真測量・レーザー測量をもとに短時間で高精度な3次元図面を作成し、大型重機の配置や手順を事前にシミュレーションしたり、土量や工事の進捗を管理したりできるシステムを構築しました。

導入したドローンはDJIの産業用ドローン「MATRICE 300 RTK」で、レーザー測量器を搭載しており、森林域など植生帯でも地表面の位置情報を取得できます。相対測位と呼ばれる測定方法で高精度な3次元地形情報を取得します。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

従来の測量手法より少ない誤差で詳細な地形情報を得られるようになり、測量時間と人的労力の負担を大幅に軽減しました。離れた地点から測量できるため、作業員が危険な地形や高所に立ち入る必要がなくなり、測量作業中の安全性が向上して労働災害や事故のリスクの低減につながりました。

図案化作業も大幅に効率化されました。作業の効率化が進んだ結果、工期短縮や工事成績評定の向上につながり、競争力が強化されました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.1 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性創業70周年の公共土木主軸の実績と、ICT施工の内製化・人材育成を続けてきた過去の取組が、今回のドローン測量導入に連続している。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性道内同業他社に先駆けたICT建機導入と、国交省ICT施工を評価された治山・林道コンクール受賞など、自社の強みを踏まえた導入になっている。
  • 4
    課題の認識と解決測量の品質・作業効率・コストの3課題を明示し、短時間での3次元図面作成や土量管理で解決を図っている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標測量時間の大幅短縮や工期短縮は述べられているが、賃上げや付加価値額の目標値や数値は示されていない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    創業70周年の公共土木主軸の実績と、ICT施工の内製化・人材育成を続けてきた過去の取組が、今回のドローン測量導入に連続している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    道内同業他社に先駆けたICT建機導入と、国交省ICT施工を評価された治山・林道コンクール受賞など、自社の強みを踏まえた導入になっている。

  • 課題の認識と解決4

    測量の品質・作業効率・コストの3課題を明示し、短時間での3次元図面作成や土量管理で解決を図っている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    測量時間の大幅短縮や工期短縮は述べられているが、賃上げや付加価値額の目標値や数値は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    ICT施工の内製化、現場を支援する部署の立ち上げ、デジタル人材の育成に取り組んできた体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    国交省のi-Construction対応という需要に基づき、ドローン測量の安全性・効率性という選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ドローン測量の導入から3次元図面作成、施工管理への活用という遂行手順が示され、実際に効果が出ている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    ドローン測量は技術の日進月歩の分野とあるが、普及度や高付加価値化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    測量作業の安全性向上や労働災害リスク低減、災害時の復旧など、インフラ整備を担う地域的な意義が述べられている。

  • 費用対効果2

    工期短縮や工事成績評定の向上は述べられているが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    ドローンによる3次元点群測量とレーザー測量を現場に導入し、建設現場のデジタル化の先導に取り組んでいる。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    i-Constructionへの対応は示されているが、日本経済の構造転換への寄与を示す記述は薄い。

  • 地域経済への波及3

    十勝管内を中心に道内インフラ整備に貢献してきた地域密着の事業で、地域の建設業の担い手として位置付けられている。

事業者の声

現場が負担に感じていた業務だけに、役に立っているのを実感できる。

作業の効率化が進んだ結果、工期短縮や工事成績評定の向上につながり、競争力が強化された。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。