寝具類等の「移動式抗菌・消臭・乾燥サービス」

島根県のサービス業の会社が、ものづくり補助金で移動式の寝具抗菌・消臭・乾燥サービスを始め、閑散期の需要と売上の平準化を目指した事例です。

浅尾繊維工業株式会社

この事例のポイント

  • 寝具の販売時期は冬場に集中し、4〜8月は閑散期となって受注が低迷していました。
  • 寝具類の中まで抗菌・消臭や乾燥ができる設備として、東海機器工業株式会社の燦マットレス抗菌・消臭乾燥機NBC(車載式)を導入しました。
  • 閑散期の受注が低迷していた課題に対し、寝具の乾燥や殺菌消毒を訪問して行う新事業により、年間を通した需要と売上の平準化を見込めるようになりました。

事業者のプロフィール

事業者名浅尾繊維工業株式会社
所在地島根県 出雲市
業種その他の事業サービス業
従業員数137人
資本金3.5億円
設立1947年

事業の背景

1877年の創業以来、寝具の製造販売を全国展開しており、西日本最大規模の自社工場で羽毛や羊毛、和布団の製造を手掛けています。近年は睡眠の質への関心が高まり、機能性の高い製品開発に力を入れて売上を伸ばしてきました。

一方で、少子化による人口減少や取引先経営者の高齢化により廃業件数は増加傾向にあり、コロナ禍の影響もありました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑寝具の販売時期は冬場に集中し、4〜8月は閑散期となって受注が低迷していました。
  • 販路・情報発信量販店やネット販売は既存の寝具専門店との取引関係があるため参入が難しく、販売店に依存しない新たな事業形態を確立することが課題でした。

やったこと

寝具類の中まで抗菌・消臭や乾燥ができる設備として、東海機器工業株式会社の燦マットレス抗菌・消臭乾燥機NBC(車載式)を導入しました。この機械は最大温度100度で1〜2時間をかけて処理し、一度に掛け・敷の布団10枚、またはマットレス5枚を処理できます。

抗菌剤などは均等なシャワーの流量で扇形に噴霧するスプレーノズル(クリーンシャワー)から噴霧します。車両に寝具を積み込み、宿泊施設、介護施設、一般家庭に出向いてその場で処理する訪問型の移動式サービスを立ち上げました。

新しい製品・サービス:移動式抗菌・消臭・乾燥サービス

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

閑散期の受注が低迷していた課題に対し、寝具の乾燥や殺菌消毒を訪問して行う新事業により、年間を通した需要と売上の平準化を見込めるようになりました。依頼者の持ち込みの手間が省けるため利用者の満足度が高まり、既存の取引先との競合も生じないため本業への影響もありません。

ホテルなどでは処理証明書を発行しており、清潔さを提示できる点も強みになっています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性創業147年の寝具製造販売の歴史と、既存の機能性製品開発の延長で新事業を立ち上げた経緯が書かれ、一貫性が明確。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性量販店・ネットは既往取引で参入困難と分析し、自社の西日本最大級工場と地域密着の訪問型で競合を避ける強みを示している。
  • 4
    課題の認識と解決閑散期4〜8月の受注低迷と販売店依存の課題を明示し、年間を通じた稼働と売上平準化を目指す実効的な計画になっている。

もう一歩だった観点

  • 2
    イノベーションへの貢献車載型の訪問サービスとして新しいビジネスモデルを示すが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は薄い。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    創業147年の寝具製造販売の歴史と、既存の機能性製品開発の延長で新事業を立ち上げた経緯が書かれ、一貫性が明確。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    量販店・ネットは既往取引で参入困難と分析し、自社の西日本最大級工場と地域密着の訪問型で競合を避ける強みを示している。

  • 課題の認識と解決4

    閑散期4〜8月の受注低迷と販売店依存の課題を明示し、年間を通じた稼働と売上平準化を目指す実効的な計画になっている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    付加価値や賃上げの具体的目標値は見当たらないが、年間を通じた売上確保を見込むと記載されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員137名の製造会社で、営業部係長が担当し、既存の営業所と工場を持つ体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小規模旅館、福祉施設、共働き世帯など顧客を分け、調査回答でダニ対策や手軽さへのニーズを裏付けている。

  • 事業化までの道筋3

    半年に1回の目安や処理能力、処理証明書の発行など遂行方法は示されているが、中長期の検証の記述は限定的。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    山陰では珍しい抗菌・消臭乾燥機搭載の訪問型サービスとして、同分野での新しさが示されている。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用3

    SDGs時代に沿う物を大切に使うサービスとして、地域の宿泊・介護施設や一般家庭の需要に応える点が示されている。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    車載型の訪問サービスとして新しいビジネスモデルを示すが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    販売店に依存しない新事業形態への転換を示すが、日本経済の構造転換への言及は弱い。

  • 地域経済への波及3

    出雲市を拠点に山陰の地域密着型サービスを展開し、地域の宿泊・介護施設と共栄を図る点が書かれている。

今後の展望

今後は処理証明書による清潔さの提示や宣伝により知名度を上げ、年間を通した稼働を目指します。

同じ業種・悩みの採択事例

出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。