スマート車検システム導入による生産性向上とデジタル営業の展開

島根県のサービス業の会社が、ものづくり補助金で車検の検査システムを導入し、検査の処理時間を半分にした事例です。

日進自動車株式会社

成果帳票作成を含む検査処理時間 1時間/台→0.5時間/台

この事例のポイント

  • 整備士の高齢化と人手不足が深刻で、整備士を募集しても人が集まりにくい。
  • 2023年(令和5年)5月に補助金を活用して、コンピューター式検査システムSmart-VISを導入しました。
  • 帳票作成を含む検査処理時間 1時間/台→0.5時間/台。検査工程をワンストップで行えるようになり、処理時間が半分になった。

事業者のプロフィール

事業者名日進自動車株式会社
所在地島根県 松江市
業種自動車整備業
従業員数11人
資本金4億円
設立1965年

事業の背景

1965年創業の車検の指定工場で、車検業務と新車の納入整備を行っている。自動車整備業界は人口減少に伴う市場規模縮小に加え、従業員の高齢化と人手不足が大きな課題となっている。

同社は自動車販売にも力を入れており、10数年前から取り組むカーリースに注力している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能整備士の高齢化と人手不足が深刻で、整備士を募集しても人が集まりにくい。
  • 生産能力車検業務に1台当たり1時間ほどかかる受け付け、検査、帳票作成の処理に時間がかかっている。
  • 品質・精度検査の数値を手書きで記録簿に記入しており、ヒューマンエラーを防ぐため数値の入念なチェックが必要になっている。
  • 人手・技能残業を減らしていく必要があり、生産性を上げるしかない状況にある。

やったこと

2023年(令和5年)5月に補助金を活用して、コンピューター式検査システムSmart-VISを導入しました。地面に設置されたサイドステップテスタやブレーキ・速度計コンビネーションテスタ、排ガステスタ、ディーゼルスモークテスタなどがコンピューターで接続されています。

検査の数値はコンピューターが自動的に記録簿に打ち出すため、手作業の入力をデジタル化しました。導入後は受け付けから検査、帳票作成までをワンストップで行えるようになりました。

また、SNSやWeb広告などのITツールを活用したデジタル営業も展開しています。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • コンピューター式検査システムSmart-VISサイドステップテスタブレーキ・速度計コンビネーションテスタ排ガステスタディーゼルスモークテスタ設備の種類:検査・測定
  • ラインコントローラー設備の種類:その他の設備

事業の効果

  • 帳票作成を含む検査処理時間 1時間/台→0.5時間/台
  • 検査の効率化で残業時間は導入前より1割ほど削減できた。

検査工程をワンストップで行えるようになり、処理時間が半分になった。数値の記入ミスや計算間違いがなくなり、精神的な負担も大きく減った。

不正車検問題などコンプライアンスへの対応も可能になった。従業員が13人から11人に減る中でも残業時間は1割ほど減り、デジタル営業とカーリースを中心に売上拡大を目指している。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.9 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決整備士の高齢化・人手不足と残業削減の課題を示し、1台1時間の帳票作成が半分の時間になると効果を具体的に示している。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員数や業務内容は書かれているが、導入後の運用体制や人材育成についての記述は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    1965年創業の指定工場として車検業務を続けており、コンピューター式検査システム導入は既存の車検事業の延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    指定工場の強みである1日車検を背景に、車検・カーリースへ顧客流入を増やす方針が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    整備士の高齢化・人手不足と残業削減の課題を示し、1台1時間の帳票作成が半分の時間になると効果を具体的に示している。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標3

    処理時間が半減、従業員減でも残業1割削減という成果が示され、生産性向上の目標は一定の実現性がある。

  • 事業を進める体制2

    従業員数や業務内容は書かれているが、導入後の運用体制や人材育成についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ワンストップ検査や1日車検、カーリースの確約など、顧客に選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入時期や装置構成は示されるが、遂行スケジュールや中長期の課題検証についての記述は少ない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    車検の自動化検査システムは一般的な普及度が高いとは言えないが、高付加価値化を強く示す記述は少ない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    整備士不足や不正車検問題への対応という業界課題の解決に向けた取組として、社会的な意義が読み取れる。

  • 費用対効果3

    処理時間半減や残業1割減という効果が示され、投入額に対する生産性向上の見込みが読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    コンピューター式検査システムでデータを自動連携し、SNSやWeb広告のデジタル営業も展開している。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    自動車整備業界の市場縮小を課題として挙げるが、成長分野への進出や構造転換との関係は薄い。

  • 地域経済への波及3

    松江市の地域事業者として車検・カーリースで地域の顧客を獲得し、売上拡大を目指す姿勢が示されている。

今後の展望

カーリースや車検を中心に顧客流入を増やし、売上を拡大させていきたいとしている。

  • 目標:従業員数 13人→11人

事業者の声

当社も整備士を募集してもなかなか来てもらえない。一方で残業も減らしていかなくてはならない。こうした状況に対応していくためには車検業務の効率化を図り、生産性を上げるしかない

カーリースはお客さんにとっては初期費用が必要なく、税金などの維持費も月額料金に入っていて手軽。当社にとっては車検が100%確約されるメリットがある。車検、カーリースを中心に顧客流入を増加させ、売り上げを拡大させていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。