ホログラムレンズによるプレゼンテーションと型抜き加工機へのデジタル送信による生産向上計画

香川県の学術研究・専門・技術サービス業が、ものづくり補助金でホロレンズとカッティングシステムを導入し、型抜き加工を内製化して利益率を上げた事例です。

ビジュアル・サービス株式会社

この事例のポイント

  • 看板などのデザインを紙面上で説明していたため、クライアントへのイメージ伝達の質を高めることが求められていました。
  • ホロレンズを導入し、デザインした看板や製品を立体化して現実空間に重ね合わせました。
  • ホロレンズによるプレゼンテーションでクライアントとの製品デザインのイメージ共有の質が高まり、顧客満足度が向上しました。

事業者のプロフィール

事業者名ビジュアル・サービス株式会社
所在地香川県 高松市
業種広告業
技術分野立体造形
従業員数15人
設立1972年

事業の背景

当社は1972年の創業以来、高松市を拠点に、クライアント企業のセールスプロモーション、屋外広告物の企画・設計・製作、各種印刷物の製作まで幅広く行っています。主な取引先は香川県を中心とした大手企業や官公庁です。

近年はクライアントからイメージ伝達の質の向上を求められるケースが増えていました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信看板などのデザインを紙面上で説明していたため、クライアントへのイメージ伝達の質を高めることが求められていました。
  • コスト・採算自社でデザインした製品の型抜き加工をすべて外注していたため、製作時間とコストが大幅にかかっていました。
  • 納期・工程型抜き加工を外注していたことで、納期と価格にも課題がありました。

やったこと

ホロレンズを導入し、デザインした看板や製品を立体化して現実空間に重ね合わせました。リアルタイムで移動、回転、サイズ変更を加えられるため、クライアントへイメージを正確に短時間で伝えることを目指しました。

導入後は操作方法を覚えるのに苦労しましたが、若いスタッフの知識の助けもあり、スムーズに操作できるようになりました。また、ZUND社製カッティングシステムを導入し、イラストレーターでデザインしたものを内製化できるようにしました。

このシステムでは、50mm厚までの硬材、アルミ複合材、アクリル、プラスティック、木材などの幅広い材料に対して、複雑で細かい加工を高精度に行うことを目指しました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

ホロレンズによるプレゼンテーションでクライアントとの製品デザインのイメージ共有の質が高まり、顧客満足度が向上しました。カッティングシステムの導入により型抜き加工を内製化し、製作時間とコストを低減して利益率を上げることに成功しました。

生産体制が社内で完結したことで、想定以上の短納期と価格の低減が実現しました。また、看板以外の製品サンプルも制作でき、社員のやる気や向上心が高まっています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.9 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性クライアントからイメージ伝達の質向上を求められた市場動向と、デザイン会社としての強みを組み合わせた点が具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決型抜き外注による製作時間とコストの課題を認識し、受注から納品までの社内完結体制で解決している。
  • 4
    イノベーションへの貢献ホロレンズとCAD/CAMデータ連携による社内完結の生産体制で、デジタル技術を用いた業務プロセスの革新が具体的に書かれている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標利益率の向上と想定以上の短納期・価格低減に触れるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    デザインを紙面説明からホロレンズでの立体化へ移し、従来の課題(型抜き外注)を内製化で解消する流れで、過去の取組との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    クライアントからイメージ伝達の質向上を求められた市場動向と、デザイン会社としての強みを組み合わせた点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    型抜き外注による製作時間とコストの課題を認識し、受注から納品までの社内完結体制で解決している。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    利益率の向上と想定以上の短納期・価格低減に触れるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    若いスタッフの知識を活かして操作を習得し、社内で一貫した生産体制を整えたと書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    クライアントとのイメージ共有の質向上と顧客満足度の向上が書かれ、顧客ニーズへの対応が読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の操作習得には苦労したと述べるが、中長期の検証や今後のスケジュールは記述が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    ホロレンズによる立体的なイメージ共有は看板製作の分野で一般的でないとは言えないが、高精度な加工の差別化として一定の付加価値を示している。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    地域の防災に貢献する蓄光看板や災害の仮想体験の取組が書かれ、地域への社会的貢献の意義が示されている。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値がなく、費用対効果は利益率向上の言及のみで定量的な根拠が薄い。

  • イノベーションへの貢献4

    ホロレンズとCAD/CAMデータ連携による社内完結の生産体制で、デジタル技術を用いた業務プロセスの革新が具体的に書かれている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    XRなどの最新技術活用に触れるが、日本経済の構造転換への寄与は直接的に述べられていない。

  • 地域経済への波及3

    香川県高松市を拠点に地域の防災貢献を掲げ、地元企業や官公庁との取引を中心にする地域密着の事業である。

今後の展望

社会に貢献できる技術や製品の開発に取り組んでいます。近年の河川の氾濫や地震災害の停電に備え、太陽光パネルを用いた蓄光看板を制作しました。

今後はXRなどの最新技術を駆使し、災害の仮想体験なども できるようにしていきたいと考えています。

同じ業種・悩みの採択事例

出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。