ものづくり補助金平成24年度岩手県

3D-CAD/CAM技術を活用した、製品開発を支える「金型レス」の「試作センター」化に向けた設備強化と技術高度化

有限会社ベルモデル

この事例のポイント

  • 鋳造試作では仮型の製造に費用と約2カ月を要し、短納期への要請に応えにくかった。
  • プラスチック(樹脂)タイプの3次元プリンタを導入し、造形サイズは平面A4、高さ200ミリの試作品を製作できるようにした。
  • 試作サンプル品の面品質や寸法精度などの品質が向上し、多くのメーカーから高い評価を得た。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ベルモデル
所在地岩手県 奥州市
業種はん用機械器具製造業
技術分野鋳造
従業員数9人
資本金500万円

事業の背景

当社は鋳造用金型、鋳造用木型、NCデータ、鋳造試作品の製造などを手がけている。得意先からは短納期への強い要請があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術鋳造試作では仮型の製造に費用と約2カ月を要し、短納期への要請に応えにくかった。
  • 品質・精度石膏系タイプの3次元プリンタでは細かい部分の造形の再現に限界があった。

やったこと

プラスチック(樹脂)タイプの3次元プリンタを導入し、造形サイズは平面A4、高さ200ミリの試作品を製作できるようにした。微細な仕上がりを重視し、高解像度の国内メーカー製を選定した。岩手大学の平塚貞人教授から3次元CAD/CAMの技術指導を受け、造形時の配置姿勢による寸法精度と面品質への影響、鋭角部や薄肉部の扱い、出力精度の調整方法を検証した。

事業の効果

試作サンプル品の面品質や寸法精度などの品質が向上し、多くのメーカーから高い評価を得た。従来の金型を用いる試作に比べ製造時間を大幅に短縮できた。医療機器関連メーカーからの評価を基に装置の改良を行い、面品質の向上と造形時間の調節が可能になった。その結果、他のメーカーからも問い合わせや見積依頼が増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    鋳造用金型・木型製作の既存事業と3次元CAD/CAMの活用が流れとして書かれ、試作センター化が今後の方向として述べられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    得意先の短納期要請や「金型レス」による時間短縮、医療機器メーカー等からの評価が書かれ、強みは読み取れるが数値比較は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    仮型製造に約2カ月を要していた課題を挙げ、3次元プリンタ導入で金型レスを実現したと、課題と解決策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    「大幅な時間短縮」「製造時間の短縮」とあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    岩手大学教授の技術指導を受け、専務取締役が精度向上に取り組むなど体制の一端が書かれているが、人材や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器・半導体製造装置など対象業界を挙げ、設計段階からのニーズに基づく試作品開発と評価を具体的に示している。

  • 事業化までの道筋3

    指導を受けた課題(寸法誤差、面品質、鋭角部の対策)と今後の試作センター化の方向は書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3次元プリンタによる金型レス試作は地域の鋳造業で珍しいとも読めるが、普及度についての記述は少ない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    「オンリーワン企業」や医療・半導体など産業分野への波及が述べられ、地域の製造基盤への貢献がうかがえる。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値額の増加など費用対効果を示す数字は書かれておらず、時間短縮の効果のみ触れられている。

  • イノベーションへの貢献4

    3次元CAD/CAMと3Dプリンタを用いた金型レスの試作により、製品開発の上流を支えるイノベーションが具体的に述べられている。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    医療機器や半導体製造装置など成長分野への進出が今後の展望として書かれ、構造転換との関連がうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    奥州市水沢区の地場企業として試作センター化を目指す方向が書かれ、地域の特性との関係は一部読み取れる。

今後の展望

設計から実寸大のサンプル製作、供給まで一貫して対応する「試作センター」化を目指している。リニアパネル製造装置、半導体製造装置、医療機器製造のメーカーなどが今後ニーズの高い産業分野と期待している。

  • 目標:従来は仮型の製造に約2カ月を要していた。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。