ものづくり補助金平成24年度宮城県

バーコードシステム導入による生産管理の高度化と多品種少量生産および短納期化実現計画

株式会社堀尾製作所

この事例のポイント

  • 在庫や製造の状況を工程ごとに把握しきれず、400種類以上の製品の在庫管理・製造管理が煩雑になっていた。
  • まず現状の生産管理の問題点と課題を抽出するため、工程調査を行い、部品番号と工程マスターデータを作成した。
  • バーコードシステムの導入により、各部品・工程ごとの在庫をリアルタイムで確認できるようになり、工程間の数量確認が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社堀尾製作所
所在地宮城県 石巻市
業種非鉄金属製造業
技術分野鋳造
従業員数53人
資本金2,000万円
設立1968年

事業の背景

当社は自動車関連部品を中心に精密亜鉛ダイカスト製品を製造しており、その数は400種類以上にのぼる。製品の在庫管理と製造管理は煩雑で、以前からデータ管理による見える化の必要性を感じていた。顧客ニーズは多様化して商品サイクルも短くなり、多品種小ロット・短納期の生産が求められるようになっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程在庫や製造の状況を工程ごとに把握しきれず、400種類以上の製品の在庫管理・製造管理が煩雑になっていた。
  • コスト・採算製品数が多いためシステム導入には大幅な改変が必要で費用も高額となり、データの見える化に手が出せなかった。
  • 品質・精度部品の混同や誤認などの人為的ミスが起きる恐れがあり、作業工程上のロスも生じていた。

やったこと

まず現状の生産管理の問題点と課題を抽出するため、工程調査を行い、部品番号と工程マスターデータを作成した。システム運用に向けて部番および工程マスターのデータ登録を行った。次に全工程にバーコードを読み込むためのハンディーターミナルを設置してシミュレーションを実施し、各工程での動作は部品確認シートの進捗表をハンディーターミナルで読み込むだけとして、工程スタッフの管理業務を簡単にした。その結果をもとにシステム制作会社と協議・改良を重ね、バーコードシステム運用の最適化を図った。

ソフトバーコードシステム(オリジナル生産管理システム)
その他ハンディーターミナル

事業の効果

バーコードシステムの導入により、各部品・工程ごとの在庫をリアルタイムで確認できるようになり、工程間の数量確認が可能になった。不良部品が出た際もすぐに適正在庫数に合わせられるようになった。製造する部品すべての生産数と在庫数が見える化されたことで、無駄な在庫や無駄な生産を防ぎ、生産効率と生産管理が大幅に向上した。生産に余力が生まれたことで新たな生産や売り上げ向上の可能性も広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    「事業の発展には、まず現状の生産体制の効率化が第一」とあるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置づけは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    中国の2工場と本社工場の体制、DVDピックアップ部品で世界シェア30%とあり強みは読めるが、市場動向との関係は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    多品種小ロット・短納期化の要求に対し生産管理の高度化が必要と課題認識を示し、在庫の見える化で効率化する計画が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産余力による新規生産や売上向上の可能性は述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値は数字で示されていない。

  • 事業を進める体制3

    システム制作会社と協議・改良を重ねたとあるが、社内の推進体制や人材、事務処理能力については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種小ロット・短納期の顧客ニーズに応える必要性は示されるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    工程調査、部番・工程マスター作成、ハンディーターミナルでのシミュレーション、システム改良と段階的な実施内容が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    DVDピックアップ部品で世界シェア30%、従来の2倍の強度の亜鉛ダイカストを開発とあり高付加価値性はうかがえるが、分野の普及度との比較は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    新規開拓や技術開発への余力、大学との協力開発に言及があるが、経済波及効果や雇用創出への言及は読み取れない。

  • 費用対効果2

    在庫・生産の見える化で無駄を防ぎ生産効率が大幅に向上したとあるが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    バーコードシステムで工程データを一元管理する点は示されるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    宮城県石巻市の本社工場で製造する点は示されるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への牽引については書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

顧客ニーズの多様化に応えるため、構築したオリジナル生産管理システムを活用し、管理だけでなく品質向上にも注力していく。生産に余力ができたことで技術開発にも力を入れ、大学や研究室と協力開発しながら新しい市場開拓を視野に入れた営業展開を目指す。

事業者の声

事業の発展には、まず現状の生産体制の効率化が第一と考えていました。そのためにはバーコードシステムの導入は念願でしたが、膨大な労力と費用が掛かってしまうので着手することができませんでした。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。