ものづくり補助金平成24年度宮城県

プラスチック成形品生産工程における静電気発生位置検出装置の試作開発

凌和電子株式会社

この事例のポイント

  • 製造ラインで静電気が帯電し、プラスチック成型品のズレ、飛び、搬送フレームへの吸着などのトラブルが起き、検査の歩留りが極端に悪い。
  • 産総研九州センターが開発した静電気測定技術を活用し、搬送系で高速測定が可能な静電気位置検出装置を試作開発した。
  • パーツフィーダ搬送時のプラスチック成型品の静電気検出に成功し、ベルトコンベア搬送時も帯電量と極性を測定できることが分かった。

事業者のプロフィール

事業者名凌和電子株式会社
所在地宮城県 仙台市
業種電気機械器具製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数120人
資本金7,000万円
設立1972年

事業の背景

電子部品やプラスチック製品の製造ラインでは、小型化・軽量化に伴い静電気の帯電によるトラブルが課題となっている。測定器メーカーや除電器メーカーは製造機械の除電対策を持ち合わせていないのが現状である。当社の顧客は生産ラインや生産工場を持つものづくりの会社である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度製造ラインで静電気が帯電し、プラスチック成型品のズレ、飛び、搬送フレームへの吸着などのトラブルが起き、検査の歩留りが極端に悪い。
  • コスト・採算市場に出回っている静電気計測装置は高額である。

やったこと

産総研九州センターが開発した静電気測定技術を活用し、搬送系で高速測定が可能な静電気位置検出装置を試作開発した。静電気測定法は3種類の中から最適な方法を検討し、静電気検出後の除電方法も最適なものを探った。プラスチック製品搬送系の製作は外部に依頼し、元町工場のクリーンルームに設置した。静電気測定アンテナは産総研九州センターに試作を依頼して製作したものを取り付けた。

検査測定静電気位置検出装置
その他高周波型除電装置
その他軟X線型除電装置
その他直流型除電装置

新しい製品・サービス:静電気位置検出装置(プラスチック成型品生産工程における静電気発生位置検出装置)

事業の効果

パーツフィーダ搬送時のプラスチック成型品の静電気検出に成功し、ベルトコンベア搬送時も帯電量と極性を測定できることが分かった。除電では高周波型装置が最も効果があり、除電方法を見出した。今後は静電気対策コンサルタントや各メーカーの課題を解決する除電対策装置の販売など新たな事業展開が見込める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来から産総研東北センターとの協力関係があったことが書かれ、計測・検査器設計製作を事業内容とする点も読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    市場の課題として静電気計測装置が高額である点と、測定器メーカーが除電対策を持たない現状が書かれ、強みの一端がうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    製造ラインの静電気トラブルという課題を明示し、静電気位置検出装置の試作と除電方法の検討で解決に向けた実効性のある取組が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、新たな事業展開が見込めるという定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制4

    産総研九州センターとの協力、外部委託、元町工場のクリーンルームでの設置など、実施体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は生産ラインを持つものづくり企業で、相談を受けたことがきっかけとなった点や、センサーが安価で複数台設置できる点が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は測定から評価コンサルタント、除電器選定まで総合対応する展開が示されるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    静電気測定の高速化や搬送系のノイズ除去に特許申請を行った点が書かれ、新規性がうかがえるが、市場での水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    電子部品やプラスチック製品の製造ラインでの課題解決に触れるが、雇用創出や経済波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果2

    安価で複数台設置できる点は書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果を示す数字はない。

  • イノベーションへの貢献3

    静電気測定技術の活用や超音波を用いた2次元掃引などの技術的特徴は書かれているが、サプライチェーンへの貢献は明記されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    電子部品やプラスチック製品の製造ラインの課題に触れるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

静電気の測定、発生原因の特定、評価コンサルタント業務、除電器選定・設置までの静電気対策など、ユーザーに合わせて総合的に対応していく形で事業を進める。

事業者の声

製造ラインが静電気を帯びて正確な製品検査ができない。何とかならないか

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。