ものづくり補助金平成24年度秋田県

インサート成形による複雑形状のコネクタ開発事業

睦特殊金属工業株式会社

この事例のポイント

  • 取引先から、より高機能なコネクタの製造要望が出されたが、樹脂製の本体に複数の金属部品を組み込む成形技術は確立されていなかった。
  • 自動車の電装部品向けに、複雑形状の樹脂部品へ複数の金属を組み込んで成形するインサート成形技術の確立と事業化に取り組んだ。
  • インサート成形の成形条件を確立し、樹脂温度、射出速度、圧力、冷却の条件を決めたことで、複雑形状のコネクタを安定して成形できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名睦特殊金属工業株式会社
所在地秋田県 横手市
業種プラスチック製品製造業
技術分野切削加工
従業員数148人
資本金4,800万円
設立1946年

事業の背景

昭和21年の創業以来、精密プラスチック射出成形と金型の設計・製造・販売を手がけており、親会社は睦特殊金属工業である。PPS樹脂などのスーパーエンプラを用いた各種自動車部品や精密成形品を製作し、熱硬化性成形も得意としている。自動車のハイブリッド化やEV化の普及により、制御系の電気信号伝達に加えて動力源の電気エネルギー使用のウエイトが高まり、接続するコード類やコネクタの数が増加している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術取引先から、より高機能なコネクタの製造要望が出されたが、樹脂製の本体に複数の金属部品を組み込む成形技術は確立されていなかった。
  • 人手・技能形状が複雑化したコネクタの製造には高い技術力と経験が必要とされていた。

やったこと

自動車の電装部品向けに、複雑形状の樹脂部品へ複数の金属を組み込んで成形するインサート成形技術の確立と事業化に取り組んだ。成形条件の割り出しでは、樹脂温度260℃±0.1℃、射出速度100mm/sec、圧力120Mpaの多段制御、金型ストレート冷却による冷却時間20秒以下という条件を設定した。これにより寸法公差を確保できた。その条件をもとに高品質コネクタの試作開発を行い、防水機能を付加した。さらに内部にマグネットを封止し、過酷な状況でも接続が離れないコネクタを実現した。

新しい製品・サービス:防水機能を付加し、内部にマグネットを封止して過酷な環境でも接続が離れにくい高品質コネクタ

事業の効果

インサート成形の成形条件を確立し、樹脂温度、射出速度、圧力、冷却の条件を決めたことで、複雑形状のコネクタを安定して成形できるようになった。冷却時間は20秒以下となり、寸法公差も確保できた。試作開発により防水機能を付加でき、内部にマグネットを封止したことで過酷な状況でも接続が離れないコネクタを実現できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    取引先から高機能コネクタの製造要望があったことが書かれ、精密射出成形を手がける既存事業との関連は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    電装部品の小型・高機能化やハイブリッド化の普及という外部環境はうかがえるが、競争優位性に関する記述は見当たらない。

  • 課題の認識と解決3

    形状の複雑化・多機能化に対応する課題認識は書かれているが、高付加価値化や成長につながる事業計画の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員148人や創業以来の成形事業の経歴はうかがえるが、補助事業を遂行する体制についての具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    防水機能付加やマグネット封止で接続が離れないコネクタとする特長は書かれているが、顧客ターゲットや市場ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    インサート成形の条件(樹脂温度260℃±0.1℃、射出速度100mm/sec、圧力120Mpa等)を割り出し、試作開発の段階を分けて記述している。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    複数金属を樹脂に組み込むインサート成形の確立を目的とするが、普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車のハイブリッド化・EV化に伴う需要増加はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出への言及はない。

  • 費用対効果3

    冷却時間が20秒以下となったなど成果の数値はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    電気信号・電気エネルギー利用の高まりに対応する技術開発の方向性はうかがえるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの記述はない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    自動車の電動化という成長分野への対応はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。