ものづくり補助金平成24年度福島県

ボールねじの静音化および低振動化に向けた製造技術の確立

東洋シャフト株式会社

成果ボールねじ軸の振れ0.01mm以内を達成

この事例のポイント

  • ボールねじの静音化・低振動化に必要な「ねじ溝の振れ」や「ねじ軌道面の微細なうねり」を正確に測りきれていなかった。
  • 精密測定機器を導入し、静音化・低振動化の重要要素である振れと微細なうねりを抑える製造技術を検討し、試作加工を行った。
  • ボールねじ軸の振れ0.01mm以内を達成。ボールねじ使用時に発生する音の原因を解明でき、穴位置の精度を機械精度に頼らず正確に測定管理できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名東洋シャフト株式会社
所在地福島県 石川町
業種一般機械器具製造業
技術分野位置決め
設立1957年

事業の背景

主力製品は「焼き入れスライドシャフト」「すべりねじ」で、15年前から精密ねじ・精密シャフトの製造にも取り組んでいる。半導体製造装置や医療機器など、静かな場所に設置される機械装置への需要が近年増している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ボールねじの静音化・低振動化に必要な「ねじ溝の振れ」や「ねじ軌道面の微細なうねり」を正確に測りきれていなかった。
  • 人手・技能音や振動の要因を解析する測定機器と評価システムがなく、ユーザーニーズに合った商品を提供しにくかった。

やったこと

精密測定機器を導入し、静音化・低振動化の重要要素である振れと微細なうねりを抑える製造技術を検討し、試作加工を行った。ねじ軸の振れは二次元高速寸法測定でねじ形状を読み取り、加工前の軸の振れを一定以下に管理して研削工程の加工抵抗値を抑制した。ねじ軌道面の表面はデジタルマイクロスコープで観察し、表面の凹凸の有無を確認して異音の発生を抑えた。組立・取付を行う部分の穴位置は0.01mm単位で管理し、組立後の音の発生を抑制した。

  • 検査測定精密測定機器二次元高速寸法測定機デジタルマイクロスコープ
  • ソフト解析評価システム

新しい製品・サービス:静音化・低振動化に対応したボールねじ

事業の効果

  • ボールねじ軸の振れ0.01mm以内を達成
  • 穴位置を0.01mm単位で管理

ボールねじ使用時に発生する音の原因を解明でき、穴位置の精度を機械精度に頼らず正確に測定管理できるようになった。表面観察により研削加工条件の管理も可能になった。事業目標の「ボールねじ軸の振れ0.01mm以内、ボール軌道面の微細なうねりがない状態」をクリアした。高度な測定・解析評価システムにより新規案件の依頼が増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業50年の歴史と精密ねじ・シャフトを15年前から手がけてきた経緯が書かれ、過去の取組との連続性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    半導体製造装置・医療用装置で静音化・低振動化ニーズが年々高まっていると書かれ、市場動向との対応は読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    振れ0.01mm以内、表面凹凸の抑制など数値目標を示し、測定・解析システム導入で課題の要因を特定したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    ボールねじの振れ0.01mm以内という目標達成が書かれるが、高付加価値や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    創業50年の企業であることはうかがえるが、補助事業を担う人材や事務処理体制の記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    静音化・低振動化のニーズと顧客からの新規依頼が書かれるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後は新商品発表の予定と新分野開拓の方針が示されるが、スケジュールや課題解決の具体的な方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    静音・低振動ボールねじの高水準化をうかがわせるが、市場の普及度や認知度については書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    半導体・医療分野の新規案件創出や新分野開拓が書かれ、波及効果をわずかにうかがわせる程度である。

  • 費用対効果2

    費用や付加価値額の増加、生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果はうかがえるに留まる。

  • イノベーションへの貢献2

    測定・解析評価システムの構築が書かれるが、デジタル技術のサプライチェーンへの貢献までは述べられていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体製造装置やロボット分野への進出が書かれ、成長分野への展開がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    省エネ工場の棚倉町建設が書かれるが、地域の雇用や経済成長への言及は薄い。

今後の展望

静音化・低振動化の技術を取り入れた新商品を発表する予定で、ロボット分野や半導体製造装置など新分野の開拓も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。