ものづくり補助金平成24年度栃木県

ウォータージェットカッターの新制御方式による高精度で複雑な切削加工部品の試作

有限会社愛和精密製作所

成果加工精度 0.1mm→0.05mm

この事例のポイント

  • 多結晶シリコン、電磁鋼板、CFRPなどの難削材は加工時間が非常に長く、刃物の摩耗も激しい。
  • ウォータージェットカッターのノズルを試作・改良し、ソフトウェアのプログラムをカスタマイズした。
  • 加工精度 0.1mm→0.05mm。切削用の砥粒と改良型ノズルの組み合わせにより、加工精度が0.1mm程度から0.05mm程度まで向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社愛和精密製作所
所在地栃木県 さくら市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数16人
資本金300万円
設立1963年

事業の背景

試作が中心の当社は「削れるものはすべてトライする」をモットーに、金属のほかセラミックスや非鉄金属などの難削材にも対応してきた。主に自動車関連部品を製造している。2010年にウォータージェットカッターを導入して難削材の加工に使い始めたが、精度と複雑形状加工の面で課題が残っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多結晶シリコン、電磁鋼板、CFRPなどの難削材は加工時間が非常に長く、刃物の摩耗も激しい。
  • 生産能力セラミックスはレーザー加工ではできず、熱影響を嫌う部品も同様に加工しにくい。
  • 品質・精度2010年に導入したウォータージェットカッターは、何でも切れる有用な機械だが加工精度が低く、複雑形状の加工ができなかった。

やったこと

ウォータージェットカッターのノズルを試作・改良し、ソフトウェアのプログラムをカスタマイズした。切削用の砥粒と改良型ノズルを組み合わせ、ハイブリッドカーのモーターコアを試作した。試作では、エポキシ樹脂で接着した20枚の電磁鋼板を積層して切削加工を行った。ソフトウェアのカスタマイズにより、斜面上の輪郭形状を自由に作図でき、斜面に沿った加工移動(Z軸同期)も可能になった。

加工機ウォータージェットカッター(改良型ノズル)
ソフトウォータージェット制御ソフトウェア(カスタマイズ)

事業の効果

  • 加工精度 0.1mm→0.05mm

切削用の砥粒と改良型ノズルの組み合わせにより、加工精度が0.1mm程度から0.05mm程度まで向上した。斜面に沿った加工移動が可能になり、複雑形状の加工に対応できるようになった。加工精度の向上で業務範囲が広がり、自動車部品のフランジ(ステンレス製)の加工にも応用している。一つの工程でねじ穴の加工までできるため作業スピードが格段に上がり、短納期・小ロット生産を実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    2010年にウォータージェットカッターを導入し、難削材加工に取り組んできた経緯が書かれており、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多結晶シリコンや電磁鋼板、CFRPなど難削材の依頼増加に触れ、難削材対応という強みを示しているが、市場規模などの数字はない。

  • 課題の認識と解決3

    加工精度が低く複雑形状が加工できない課題を認識し、改良で精度0.1mmから0.05mmへ向上させたと具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工精度0.1mmから0.05mm程度への向上など数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員16名、設立1963年と規模は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高精度・短納期・低価格が求められるモーターコア試作などニーズに触れ、短納期・小ロット生産を実現した点が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は新素材や異素材の複合材料の切削加工に応用すると方向性は示されているが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    セラミックスや多結晶シリコンなど難削材の切削加工市場を開拓する方針が示され、同分野で高付加価値化を図る姿勢がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車部品やハイブリッドカーのモーターコアなど関連産業に触れるが、経済波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果2

    作業スピードが格段にアップしたとあるが、投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ソフトウェアカスタマイズによる斜面加工の自由化やZ軸同期など、デジタル技術の活用による加工の高度化が書かれている。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    新素材や複合材料の切削加工へ展開し新分野を開拓するとあり、構造転換への方向性がうかがえるが具体性は薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は新素材への対応を進め、異素材を一体的に組み合わせた複合材料の切削加工にも応用する。「切削」をキーワードに新たな分野を開拓し、新たなビジネスモデルの構築につなげたいとしている。

事業者の声

どうやったらより良い加工ができるか

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。