ものづくり補助金平成29年度製造業茨城県

IoT技術の活用による成形状態の見える化とフィードバック環境構築による ダイカスト生産ショップ全体の生産ロス低減と効率の大幅向上の実現

日東自動車機器株式会社

成果データ収集・集積にかかる時間 6日→0.17日

この事例のポイント

  • 各種自動車部品のアルミダイカスト鋳造で、ダイカストマシン19台すべての稼働状況の把握が、作業員の手書き日報を元にした手作業のエクセル入力に頼っていた。
  • ダイカストマシン19台すべてに1台ずつタブレットを新たに装備し、工場内全体にWi-Fi環境を整備した。
  • データ収集・集積にかかる時間 6日→0.17日。手書きで最長6日かかっていたデータ収集と集積が10分ほどで終わるようになり、時間短縮が目標の生産効率5%アップにつなが…

事業者のプロフィール

事業者名日東自動車機器株式会社
所在地茨城県 茨城町
業種輸送用機械器具製造業
技術分野情報処理,精密加工,測定計測
従業員数110人
資本金3,000万円

事業の背景

日東自動車機器株式会社は、自動車部品のアルミダイカスト(鋳造)、加工、組立までの一貫生産を行い、建設機械や事務機器などの部品や試作品を製造している。金型部門では社内でのメンテナンスや溶接修正に対応し、湯流れ解析ソフトを用いた提案型の体制をとっている。28年度補助事業でロボットを活用した自動化システムを開発し、不良を造らず後工程に流さない生産ロスの低減に取り組んできた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力各種自動車部品のアルミダイカスト鋳造で、ダイカストマシン19台すべての稼働状況の把握が、作業員の手書き日報を元にした手作業のエクセル入力に頼っていた。
  • 品質・精度手作業によるデータ化は時間がかかり正確性にも課題が多く、品質トラブルの改善につながる作業上の問題点を洗い出しにくかった。
  • 生産能力効率の良いデータ集積ができず、設備不稼働の低減など、生産性を高める取り組みが進めにくかった。

やったこと

ダイカストマシン19台すべてに1台ずつタブレットを新たに装備し、工場内全体にWi-Fi環境を整備した。作業員がタブレットで作業(ショット)数や生産数などを直接入力し、各マシンの稼働状況(稼働が止まっている時間など)は新装備のセンサーが自動で集積する。作業員にベトナム人も多いため、タブレットは日本語とベトナム語の2カ国語に対応させた。すべてのデータは独自のサーバで一括管理し、自動集計で生産数や不良品数を算出してグラフ化した。日ごと、部品ごと、マシンごと、月ごとの稼働状況を細部まで閲覧できるようにし、現場に大型モニターを設置して全社員がデータを閲覧できるようにした。

その他タブレット(ダイカストマシン19台分、日本語・ベトナム語対応)
その他Wi-Fi環境(工場内全体)
検査測定稼働状況を自動集積するセンサー
ソフトデータの収集・データベース化ソフト
その他独自のサーバ
その他大型モニター

事業の効果

  • データ収集・集積にかかる時間 6日→0.17日
  • 目標とする生産効率5%アップ
  • 2022年までに現在の不稼働時間の半減化を達成する目標
  • 5%の生産性改善も見込んでいる

手書きで最長6日かかっていたデータ収集と集積が10分ほどで終わるようになり、時間短縮が目標の生産効率5%アップにつながると期待される。全社員がデータを閲覧できるようになり情報共有が進んだ。作業員から社長、経理、総務まで異なる部署が把握することで、それぞれのモチベーションアップや新たな発見につながっている。2022年までに不稼働時間の半減を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    28年度に自動化システムを開発し29年度に全19台へ実装したと書かれ、過去取組との連続性はうかがえるが経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    自動車部品のアルミダイカスト事業で一貫生産を行うとあるが、市場動向や競争上の強み・弱みへの言及はわずかにうかがえる程度。

  • 課題の認識と解決4

    手書き日報とエクセル入力で最長6日かかっていた課題が10分に短縮され、生産効率5%アップという目標も具体的に示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    2022年までに不稼働時間の半減と5%の生産性改善を見込むと数値目標が書かれている。ただし付加価値や賃上げの目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    社内に金型部門やメンテナンス体制があるとわずかにうかがえるが、補助事業の遂行体制や人材配置の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    自社の製品やサービスの価値、顧客ターゲット、選ばれる理由についての記述はわずかにうかがえる程度にとどまる。

  • 事業化までの道筋3

    Wi-Fiデータ取得の安定性や作業員のタブレット操作スキル向上など課題と改善方針が書かれているが、スケジュールは不明確。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ダイカスト生産の見える化は一般的な手法とみられ、高付加価値化や高価格化を図る記述はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用2

    自動化が急務となっていたことや社内外への展開の可能性は書かれるが、経済波及効果や雇用創出への言及は少ない。

  • 費用対効果4

    投資に対して生産効率5%アップと不稼働時間半減を見込み、データ化時間が6日から10分へ短縮された効果が具体的に示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTセンサーとWi-Fi、データベース化ソフトを組み合わせ、ベトナム人作業員向けに2カ国語対応するなど、現場のデジタル化による改善が具体的に書かれている。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    茨城町の事業所で事業を行うとわずかにうかがえるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今回のシステムは社内外への展開も可能なレベルに達したと評価しており、今後はこのシステムに対する新たな市場や、システムを応用した新たな事業も視野に入れている。Wi-Fiシステムのデータ取得の安定性や現場作業員のタブレット操作スキルの向上など、改良と現場指導の徹底を図っていく。

事業者の声

創業以来、製造業の誇りを持っています。IoT化により、社員の意識の共有化が図れ、1人当たりの付加価値の向上、ひいては全体の業績アップにつなげる道筋ができました。製品をつくると同時に、人の幸せを創出する「ハッピーメーカー」として、これからの時代を見据えた新たな事業展開にも取り組んでいきます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。