ものづくり補助金平成24年度群馬県

ポリイミドフィルム製膜試験機の開発による生産性向上の実証

西工業株式会社

成果重合の成功率 20%→80%

この事例のポイント

  • 熱硬化方式は生産速度が遅く、大型設備が必要である。
  • 温度・湿度を厳密に管理する重合用の専用ブースを別途設置し、絶対湿度を保つための除湿装置を導入した。
  • 重合の成功率 20%→80%。湿度管理の環境と原料水分の把握により、重合の成功率が約20%から80%に向上し、化学硬化方式で製膜試験機により高品質の…

事業者のプロフィール

事業者名西工業株式会社
所在地群馬県 桐生市
業種一般機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数33人
資本金1,500万円
設立1984年

事業の背景

ポリイミドフィルムは絶縁性、耐熱性、低誘電性に優れ、金属箔と積層したフレキシブル回路基板のベースフィルムとして使われている。現在の生産工程は熱硬化方式が主流である。同社は触媒で化学的に硬化させる化学硬化方式の製膜試験装置を開発していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力熱硬化方式は生産速度が遅く、大型設備が必要である。
  • 品質・精度化学硬化方式の既存PI製膜試験装置では品質が安定せず、試行錯誤を繰り返していた。
  • コスト・採算製膜速度を上げ、設備を縮小して生産コストを確実に抑える必要がある。

やったこと

温度・湿度を厳密に管理する重合用の専用ブースを別途設置し、絶対湿度を保つための除湿装置を導入した。水分測定器を導入して重合に必要な原料の水分量を計測した。水分混入を防ぐ改良を加えた新重合反応機を製作し、既存の重合反応機の改良も行った。乾燥用の恒温器を導入し、高温加熱処理を行った。

新しい製品・サービス:化学硬化方式のポリイミドフィルム製膜装置(量産機)

事業の効果

  • 重合の成功率 20%→80%
  • 従来の熱硬化方式に比べ、設備コストを65%削減できると判断した。

湿度管理の環境と原料水分の把握により、重合の成功率が約20%から80%に向上し、化学硬化方式で製膜試験機により高品質の製品を安定して生産できることを実証した。従来の熱硬化方式と比べて設備コストを65%削減できると見込んでいる。事業期間内では物性測定値の目標は未達だが、環境下で原料レシピを調整すれば達成できると考えている。量産機への応用により、既存取引先、新規取引先、透明PIフィルムを開発中の新分野の3市場が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存PI製膜試験装置の開発から継続した取組で、化学硬化方式を量産機へ応用する方針が示されている。事業の位置付けは読み取れるが数値は少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ポリイミドフィルムの用途として回路基板やラベルが挙げられ、量産機の市場として3種のフィルムメーカーが見込まれると書かれている。自社の強みとの関係は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    重合の成功率が約200から80%に高まり、熱硬化方式比で設備コストを65%削減可能と具体的な数値で課題解決が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    設備コストを65%削減可能と示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    体制や人材、事務処理能力について書かれておらず、わずかに試験や技術指導を受けた様子がうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    対象市場として取引のあるメーカー、新規メーカー、透明PIフィルム開発中のメーカーの3つが具体的に挙げられている。

  • 事業化までの道筋4

    除湿装置設置や水分測定、新重合反応機の製作、恒温器導入など課題ごとの対応と、量産機への応用という段階的な進め方が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    化学硬化方式の採用で生産速度を高め、高品質の製品を安定生産できたと書かれ、同分野で高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    ポリイミドフィルムが回路基板などに幅広く使われると書かれるが、国が補助する経済波及や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果4

    設備コストを65%削減可能、重合成功率を約200から80%に改善と、投入に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    化学硬化方式による製膜技術の改良はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    フレキシブル回路基板やラベル分野での利用と、透明PIフィルム分野への展開がうかがえるが、構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

試験装置での技術を新方式のPIフィルム製膜装置量産機へ応用する。量産機は既存取引先、新規取引先、透明PIフィルム開発中の新分野メーカーの3市場が見込まれる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。