ものづくり補助金平成24年度東京都

工場のはさまれ・巻き込まれ事故を防ぐ「危険回避用カラーサーチシステム」の開発

株式会社信濃工業

成果異物を感知して機械が停止するまでの時間 0.1秒→0.05秒

この事例のポイント

  • 技術力を証明できる自社製品がなく、メーカーとして世に出せる製品を模索していた。
  • 2号機の開発では、異物を感知して機械が停止するまでの時間を0.1秒から0.05秒に改良した。
  • 異物を感知して機械が停止するまでの時間 0.1秒→0.05秒。異物を感知して機械が停止するまでの時間が0.1秒から0.05秒に短縮され、危険な挟まれ・巻き込まれ事故を防ぎやすくなっ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社信濃工業
所在地東京都 東京都葛飾区
業種生産用機械器具製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数7人
資本金1,000万円
設立1961年

事業の背景

昭和36年創業の当社は、発注元の要望により産業用機械の設計から製作までを請け負う受注生産を主業務としている。搬送システムや省力化自動装置、試験装置、検査装置など工場のFAに関連する装置の開発を得意とし、発注元からは大きな信頼を得ている。一方で、技術力を証明できる自社製品がないことから、平成22年に危険回避用カラーサーチシステムの1号機の開発に着手していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術技術力を証明できる自社製品がなく、メーカーとして世に出せる製品を模索していた。
  • 品質・精度1号機は異物を感知して機械が停止するまでに0.1秒かかり、安全補助機器としては機能不足と判断して商品化を諦めていた。

やったこと

2号機の開発では、異物を感知して機械が停止するまでの時間を0.1秒から0.05秒に改良した。操作画面を持つアプリケーションを開発し、誰もが直感的に正しく使えるインターフェイスを整えた。実用化にあたっては社内テストだけでなく、ユーザーにも協力を仰いで念入りな動作テストを行った。試作機の完成以降も搭載機能を増やし、警報だけを出す領域と機械を止める領域の2段階を設定できるようにした。さらに、高さを判別するための感知センサーを別につけられるようにした。作業者の手の色を画像で取り込んでおき、手と同じ色の危険領域への侵入を検出する仕組みを具現化した。

ソフト操作画面アプリケーション

新しい製品・サービス:危険回避用カラーサーチシステム「CSSセーフティーロガー」2号機

事業の効果

  • 異物を感知して機械が停止するまでの時間 0.1秒→0.05秒

異物を感知して機械が停止するまでの時間が0.1秒から0.05秒に短縮され、危険な挟まれ・巻き込まれ事故を防ぎやすくなった。画像処理とセンサーの両方で作業を見守れる点が高く評価され、既存業務では新規取引が難しかった大手素材メーカー数社に導入された。止まった瞬間の画像や1,000枚の画像を保存できる機能は、熟練工の作業手順を撮影して新人教育に活用されるという副産物も生んだ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    受注生産中心の事業から自社製品化を模索し、2010年の1号機開発に着手したとあり、過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社センサー式との差別化点(手の色を画像で取り込み検出)が示されるが、市場動向や自社の強み弱みの定量的な分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    製品化の課題として認知度向上が挙げられ、停止までの時間を0.1秒から0.05秒に改良した点は示されるが、事業計画の具体は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    社内テストやユーザー協力による動作テスト、営業活動の初挑戦など体制の一端は読み取れるが、人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    画像とセンサーの両方で監視でき、大手素材メーカー数社に導入されたという顧客面の裏付けと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の改良予定(サーモグラフィ搭載等)は示されるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    画像処理で手の色を検知する機能は他社の単純な式とは異なる高付加価値な安全装置として示され、一般的な普及度は低いと読める。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    工場の挟まれ・巻き込まれ事故防止という社会的意義は読めるが、経済波及や雇用創出の具体的数字は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    画像処理による作業監視と熟練工の作業手順の撮影・新人教育への活用が示され、デジタル技術の活用は読み取れるが波及効果は限定的。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    工場の安全装置を通じて製造現場の安全性を高める点はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製品の認知度を上げていくことが今後の課題である。多くの顧客の意見を聞き要望に応えていくという新たな挑戦を続けており、サーモグラフィを搭載してモーターの異常加熱を検知する機能などの改良も構想している。

事業者の声

安全補助装置を開発するノウハウはありませんでした。しかし、かえってよかったと思います。7年という年月はかかりましたが、従来にはない発想と工夫を盛り込み、そしてユーザーの方が必要とされていることに向き合って、ここまで開発してきました。これからはサーモグラフィを搭載してモーターの異常加熱を検知する機能等、より良い製品になるよう改良していきたいです。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。