ものづくり補助金平成24年度神奈川県

低圧力で駆動可能な圧力モーターの開発

有限会社中野製作所

成果出力 0.5W→5W

この事例のポイント

  • 回転効率の向上、回転方向の制御、動力伝達方式の改善が必要だった。
  • 水道管内の水圧で発電する羽根を使わない小型発電ユニット「ブレードレスタービン」の開発を行った。
  • 出力 0.5W→5W。ブレードレスタービンは構造がシンプルで低コストであり、故障が少なくメンテナンスも容易である。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社中野製作所
所在地神奈川県 横浜市神奈川区
業種一般機械器具製造業
技術分野真空
従業員数13人
資本金1,000万円
設立1968年

事業の背景

1968年に東京都大田区で創業し、その後横浜市に工場を移転した。顧客の要求に応じた工業用精密部品や治具、自動化装置の設計製作を行っており、売上比率は自動化装置の設計製作が約80%、部品等の製作が約20%である。食品、衣料品、自動車、電子部品など幅広い分野で省エネを推進する自動化装置を強みとしている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術回転効率の向上、回転方向の制御、動力伝達方式の改善が必要だった。
  • 人手・技能開発は通常業務の合間に1人で行っており、開発を思うように進められなかった。
  • 新製品・新技術磁石やニードルを使ったモーター試作では、磁石の割れや錆び、高水温での磁力低下、ニードルの摩耗といった問題があった。

やったこと

水道管内の水圧で発電する羽根を使わない小型発電ユニット「ブレードレスタービン」の開発を行った。補助事業では、動作原理や内部構造の模索、実験治具の製作、測定装置を組み合わせた回転性能測定器の製作などの試作開発の準備を行った。その後3回にわたり試作品の開発、実験、動作確認、性能評価を行い、磁石やニードルの問題から弾性体へ変更した。展示会での顧客の意見や、知人・大学との相談をもとに改良を重ね、第1号機を顧客に届けられる段階まで進めた。

新しい製品・サービス:羽根を使わない小型発電ユニット「ブレードレスタービン」

事業の効果

  • 出力 0.5W→5W

ブレードレスタービンは構造がシンプルで低コストであり、故障が少なくメンテナンスも容易である。1つで様々な流量に対応でき、流量に応じて出力も変えられる。改良により出力は当初の0.5ワットから5ワットに向上し、入口と出口の圧力差0.1メガパスカル、毎分6リットルの流量で3ワットの出力が可能である。展示会をきっかけに顧客から引合いや受注を得ており、共同研究開発の打診も複数きている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の自動化装置の設計製作と精密部品の強みが示され、自社開発の水道発電へつながる流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    省エネを推進する自動化装置設計製作を強みとし、幅広い業種の顧客から引合いがあると書かれるが、市場動向との対比は具体的でない。

  • 課題の認識と解決2

    トイレの芳香剤散布装置の電源確保という課題認識はうかがえるが、事業計画としての高付加価値化の道筋は詳しく書かれていない。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売開始後の引合い40件・受注10件は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    開発人員の増員や検査機器導入、大学との連携、専門家の助言など体制の記述はあるが、事務処理能力は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    低コスト・故障が少ない・1つで様々な流量に対応といった特長と、出力3ワットや圧力差0.1メガパスカルなど数値で価値が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    1月からの販売開始や展示会での認知度向上など今後の進め方は書かれるが、課題解決の方法やスケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    羽根を使わないブレードレスタービンによる水道水の圧力発電を世界初と示し、0.5ワットから5ワットへの出力向上が数値で書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    水道管に設置できる小型発電で省エネに寄与しうる点はうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は明記されていない。

  • 費用対効果3

    補助金により開発人員増員や測定機器導入が加速したと書かれ、補助の効果は読み取れるが、投入額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    大学との連携や展示会からの顧客情報を改良に活かしたと書かれ、新技術による地域イノベーションへの言及は一部ある。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    水道発電という新しい分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    横浜市の新羽町など町工場との地域連携が魅力と書かれ、地域の特性を活かした事業であることは読み取れるが、雇用や成長への効果は具体的でない。

今後の展望

2025年10月からサンプルの配布を開始し、翌1月から販売を開始する予定である。現時点で40件の引合いと10件の受注が決まっている。今後は展示会を中心に認知度を高め、販売につなげていく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。