ものづくり補助金平成24年度新潟県

重症患者治療装置の低圧制御に関する組込みソフトウェアの開発

ケイセイ医科工業株式会社

成果体圧 32.48mmHg→14.24mmHg

この事例のポイント

  • 寝たきり患者の床ずれ防止には低反発マットレスやエアーマットレスが使われるが、体圧が重症患者治療装置に比べて高く、床ずれ防止効果が十分でない。
  • 欧米市場にニーズのある複合システムの開発に先立ち、重症患者治療装置の効能・効果を発揮させるため、低圧制御に関する組込みソフトウェアを開発した。
  • 体圧 32.48mmHg→14.24mmHg。開発システムは流動時の体圧が14.24mmHgで、マットレス無し、ウレタンマット、エアーマットと比べて大きく下回り、目…

事業者のプロフィール

事業者名ケイセイ医科工業株式会社
所在地新潟県 東京都
業種電気機械器具製造業
技術分野冷凍空調
従業員数88人
設立1934年

事業の背景

日本では人口の高齢化により社会保障費の負担が増え、介護者が不足するなど様々な社会問題が表面化している。介護分野は人力に頼る部分が多く、機械化の決定的な標準が確立されていないのが実情である。床ずれ防止には低反発マットレスやエアーマットレスが用いられるが、欧米では体圧が低く床ずれ防止効果の高い重症患者治療装置が主流になっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力寝たきり患者の床ずれ防止には低反発マットレスやエアーマットレスが使われるが、体圧が重症患者治療装置に比べて高く、床ずれ防止効果が十分でない。
  • 新製品・新技術重症患者治療装置は重量が500kg超と非常に重いため、体圧の最も掛かる腎部と仙骨部のみに使い、他の部位は軽いエアーマットレスを備えた複合システムが求められている。

やったこと

欧米市場にニーズのある複合システムの開発に先立ち、重症患者治療装置の効能・効果を発揮させるため、低圧制御に関する組込みソフトウェアを開発した。体圧センサを用いた体圧数値で、体圧分散が床ずれ防止の目的に適うかを評価した。床ずれ防止を目的として上市されているマットレス等の製品とも体圧を比較した。エアーベッドにおける最適流量の解析と、そのコントロールを行うソフトウェアを開発した。

  • ソフト低圧制御に関する組込みソフトウェア

新しい製品・サービス:低圧制御に関する組込みソフトウェアを組み込んだ複合システム(ビーズベッド)

事業の効果

  • 体圧 32.48mmHg→14.24mmHg
  • 体圧を57%軽減

開発システムは流動時の体圧が14.24mmHgで、マットレス無し、ウレタンマット、エアーマットと比べて大きく下回り、目標を達成したことが確認できた。最適流量の解析とコントロールにより体圧を57%軽減する最適な体圧分散効果を持つエアーベッドの実現に成功した。既存の市販システムでは軽減は3%から20%が限界とされる。2016年の事業化を目指し、欧米で年間約3000台、約45億円の市場を想定している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは書かれていない。低圧制御ソフトの開発という事業内容のみ読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    欧米市場にニーズがあることと、既存マットレス比較で体圧14.24mmHgを示した点から競争優位性がうかがえるが、自社の経営資源の強み・弱みは書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    重症患者治療装置の重量500kg超という課題と、複合システムで解決する方針は読み取れる。ただし付加価値化や成長につながる計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    体圧を57%軽減し既存品の3%〜20%軽減を上回るという数値目標と結果が示されている。付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    欧米市場ニーズ、米国2000台・欧州1000台の想定、単価150万円など顧客ターゲットと需要の裏付けが数字で示されている。

  • 事業化までの道筋4

    2014年試作、2015年市販機、2016年許認可と販売体制整備という段階的スケジュールが示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    床ずれ防止に重症患者治療装置を使う方式は欧米で主流とあり、新分野の一定の水準はうかがえるが、普及度や認知度の記述は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    欧米市場や国内市場の規模が示され、介護の機械化の社会的課題に触れているが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    既存製品比で体圧を大きく下げる効果は示されているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    組込みソフトウェアによる低圧制御という技術は読み取れるが、サプライチェーンや地域へのイノベーション貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    介護分野の機械化という成長分野への言及はあるが、日本経済の構造転換に資するという記述は乏しい。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

2014年にプロトタイプを試作し、2015年に市販機モデルを開発、2016年に欧米での許認可を取得して販売展開と事業化を目指す。市場規模は米国2000台、欧州1000台で一台150万円として45億円、国内は200〜300台、3億〜4.5億円と想定している。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。