ものづくり補助金平成24年度石川県

非接触の測定技術導入による生産性向上と次世代金型の開発

株式会社エイ・エム・シィ

この事例のポイント

  • 従来の接触式三次元測定機は測定子の先端径によって測定範囲が限定され、R0.1以下の微細形状を測定できなかった。
  • 非接触式測定機(smartscopeVANTAGE450、OGP社製)を導入し、R0.1以下の微細形状を測定できるようにした。
  • 非接触式測定機の導入により、R0.1以下の微細形状を測定し、繰り返し精度で±0.005の形状精度を維持できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エイ・エム・シィ
所在地石川県 石川県羽咋郡志賀町
業種金属製品製造業
技術分野金型
従業員数65人
資本金3,000万円
設立1996年

事業の背景

地球規模の環境問題として温暖化対策が求められ、自動車業界では燃費向上の技術開発が進んでいる。CVTは従来の自動変速機より軽量で燃費を向上できるため、急速な増加が見込まれている。さらに電気自動車も増える見込みである。当社は主に冷間鍛造金型を製造し、自動車の駆動部・エンジン部・ステアリング部などに使われる超硬ダイス型等を自動車部品メーカーへ供給している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来の接触式三次元測定機は測定子の先端径によって測定範囲が限定され、R0.1以下の微細形状を測定できなかった。
  • 品質・精度微細形状加工の出来映えを評価し、加工条件による形状精度のデータを蓄積できていなかった。
  • 生産能力既存の接触式測定機では測定に時間がかかり、生産性の向上が難しかった。

やったこと

非接触式測定機(smartscopeVANTAGE450、OGP社製)を導入し、R0.1以下の微細形状を測定できるようにした。これにより微細形状加工の出来映えを評価し、加工条件(環境・加工方法等)による形状精度のデータを蓄積して精度向上を図った。既存の接触式測定機で測定可能な金型・電極も非接触式測定機で測定し、精度と加工時間のデータを取って測定時間の短縮による生産性向上を図った。試作として、当社のワイヤー放電加工機(使用可能なワイヤーの最小線径Φ0.05mm)でR0.03とR0.04が連続する微細形状をワイヤー加工した。測定・評価を繰り返し、ノウハウを蓄積した。

検査測定非接触式測定機 smartscopeVANTAGE450(OGP社製)

新しい製品・サービス:CVTエレメントの製造に使う金型や、電気自動車に使う微細で高精度な金型

事業の効果

非接触式測定機の導入により、R0.1以下の微細形状を測定し、繰り返し精度で±0.005の形状精度を維持できるようになった。既存の接触式測定機で測定可能な製品も±0.001程度で測定でき、測定時間は約半分となった。これにより生産性の向上も実現できる見込みが得られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性40%
  • これまでの取組との一貫性2

    CVTエレメントや次世代金型の試作に取り組む経緯は書かれるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    CVTや電気自動車の普及という市場動向は触れられているが、自社の強み・弱みとの関係や競争優位性の記述は乏しい。

  • 課題の認識と解決2

    従来の接触式測定機では R0.1以下の微細形状を測定できないという課題は示されているが、高付加価値化や成長の計画は具体的でない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    既存測定で測定時間が約半分になるなど生産性向上の見込みは示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    微細形状加工のニーズや高精度金型の需要に触れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は乏しい。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として燃料電池車のセパレータ金型など微細加工への展開は書かれるが、スケジュールや解決方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    微細形状を非接触で測定し R0.03・±0.005の形状精度を実現した点は示されるが、市場での希少性は具体的に比較されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    EV・燃料電池車への対応や燃費向上への貢献はうかがえるが、波及効果や雇用創出への言及は書かれていない。

  • 費用対効果3

    測定時間が約半分になり生産性向上が見込まれると書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    非接触測定による微細形状のデータ蓄積はうかがえるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    EV車や燃料電池車の普及に対応する金型分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後、金型にはより高精度な微細形状加工が求められる。2035年には世界の自動車生産台数のうちEV車が20%程度を占める予測があり、内燃機関搭載車もハイブリッド化が進む。燃料電池車のセパレータ金型の流路部など微細加工も必要になるため、当社はこれらの金型を製造し品質保証できる体制を構築していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。