ものづくり補助金平成24年度福井県

多機能熱間圧延機による鍛造包丁と包丁の開発

武生特殊鋼材株式会社

成果厚さ15ミリのクラッドメタルを圧延で厚さ数ミリまで延ばす

この事例のポイント

  • 越前打刃物は職人が1丁ずつ手作業で仕上げるため、量産に限界がある。
  • 熱して延ばす圧延機を導入し、クラッドメタルを鍛造して包丁の形を切り出す半製品まで製造できる体制を整えた。
  • 厚さ15ミリのクラッドメタルを圧延で厚さ数ミリまで延ばす。つば付き包丁を機械で実現でき、溶接やはめ込み式に比べ破損や腐食の恐れが少なく付加価値が高まる。

事業者のプロフィール

事業者名武生特殊鋼材株式会社
所在地福井県 越前市
業種鉄鋼業
技術分野鍛造
従業員数48人
資本金5,000万円
設立1954年

事業の背景

武生特殊鋼材はクラッドメタル(異種金属接合材料)の特許から始まった会社で、平成26年に創業60年を迎えた。主力はクラッドメタルの製造・販売で、地元の伝統工芸である越前打刃物向けの材料を製造している。平成26年度の売上高は14億9,900万円。越前打刃物の職人は減る一方で、海外からの需要は伸びている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力越前打刃物は職人が1丁ずつ手作業で仕上げるため、量産に限界がある。
  • 新製品・新技術越前打刃物ブランドを世界に広めるため、仕上げ直前までほぼ機械で担える工程が必要だった。

やったこと

熱して延ばす圧延機を導入し、クラッドメタルを鍛造して包丁の形を切り出す半製品まで製造できる体制を整えた。圧延機は持ち手に近づくにつれて厚く、つば部分はさらに厚くなるよう、圧延機の動きを制御する改造を行った。つば付き包丁を想定して開発し、ローラーの形も試行錯誤して越前打刃物独特の厚い峰と薄い刃先を再現した。試作品で仕上げた包丁は、職人が鍛造したものと遜色ない切れ味を実現し、実用化へ進んでいる。

新しい製品・サービス:つば付き包丁の半製品(クラッドメタルを圧延・切り出したもの)

事業の効果

  • 厚さ15ミリのクラッドメタルを圧延で厚さ数ミリまで延ばす

つば付き包丁を機械で実現でき、溶接やはめ込み式に比べ破損や腐食の恐れが少なく付加価値が高まる。半製品を量産することで職人は細かな仕上げや意匠に労力を振り向けられ、越前打刃物ブランドの海外展開に弾みがつくと見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    クラッドメタル製造の特許から始まった会社で、越前打刃物の材料から半製品へ事業を広げる方針が読み取れる。過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外需要の伸びと職人減少という外部環境、クラッドメタル技術という自社の強みが書かれているが、競争優位の具体的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決3

    職人が1丁ずつ手掛けるため量産に限界がある、という課題認識と半製品量産による解決の方向が書かれている。ただし事業計画の数値は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値向上や賃上げの目標値は書かれていない。半製品の量産で増産を支援するとのみ記載されている。

  • 事業を進める体制2

    職人組合との協力は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記載はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    つば付き包丁は溶接やはめ込み式に比べ破損や腐食の恐れが少なく付加価値が高いと、製品の価値と選ばれる理由が明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    圧延機の改造や試作を経て実用化へ進んでいると書かれているが、中長期の検証やスケジュールは記載されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    越前打刃物独特の厚い峰と薄い刃先を機械で再現し、職人の鍛造品と同等の切れ味を実現した点が、高付加価値化として具体的に書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    伝統工芸の越前打刃物の産地活性化や海外ブランド展開への寄与が書かれており、地域経済への波及の意義は読み取れる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    圧延機の動きを制御する改造という工夫はあるが、デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    福井県越前市の伝統工芸である越前打刃物の半製品を地元で製造し、産地の増産と海外展開を支える地域密着の事業として具体的に書かれている。

今後の展望

越前打刃物の職人組合と協力し、産地活性化に取り組む。今後は刃物以外の分野でもクラッドメタルを使ってもらえるよう働きかける。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。