ものづくり補助金平成24年度山梨県

μTCA_FMC メザニンカードの実装可能なPCI-Express 規格の汎用評価基板の研究開発

株式会社エスアンドエッチ

この事例のポイント

  • 海外メーカーのPCI-Express規格汎用評価基板は輸入代理店を経由するため高価格で、アメリカメーカーのメザニンカードは約90万円程度、専用筐体まで含めたユニットでの購入になることもある。
  • 通信分野で今後主流となるμTCA規格のA/D、D/AなどのFMCメザニンカードを実装できるPCI-Express規格の汎用評価基板を開発し、変復調アプリケーション設計に必要な評価…
  • ハーフサイズ基板化と実装部品の見直しにより、部品代と基板サイズを抑え、低価格の評価基板を供給できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エスアンドエッチ
所在地山梨県 甲府市
業種情報通信機械器具製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数24人
資本金1,000万円
設立1984年

事業の背景

通信事業者向けのATCA規格に続き、筐体を小さくしたμTCA規格が登場し、通信業界の広い分野で有望とされている。情報通信分野は従来のアナログ方式から大量データを高速に送るデジタル方式へ移行しており、各国大手情報通信会社は近年中にμTCA規格の通信方式を採用する見込みである。PCI-Expressはパラレル転送が高速化の限界を迎えたことから、シリアル転送へ移行しており、データ速度は133Mbyte/secから約700Mbyte/secを目指すとされている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算海外メーカーのPCI-Express規格汎用評価基板は輸入代理店を経由するため高価格で、アメリカメーカーのメザニンカードは約90万円程度、専用筐体まで含めたユニットでの購入になることもある。
  • 新製品・新技術海外製品はフルサイズのPCI-Express基板しかなく、デスクトップパソコンに実装するハーフサイズ基板はカバーを外さないと実装できず、一部は別シャーシで実装している状況だった。

やったこと

通信分野で今後主流となるμTCA規格のA/D、D/AなどのFMCメザニンカードを実装できるPCI-Express規格の汎用評価基板を開発し、変復調アプリケーション設計に必要な評価基板を整えた。フルサイズ基板に加えて、173mmのハーフサイズPCI-Express基板の開発に取り組み、メザニンカードを実装できる構造とした。実装部品の見直しにより部品代を抑え、基板サイズを従来の2/3とすることで基板単価を下げ、低価格の製品供給を目指した。汎用WindowsPCに実装できる構造とし、信号処理などのプログラムも開発しやすくした。

新しい製品・サービス:μTCA規格のFMCメザニンカードを実装できるPCI-Express規格のハーフサイズ汎用評価基板

事業の効果

ハーフサイズ基板化と実装部品の見直しにより、部品代と基板サイズを抑え、低価格の評価基板を供給できるようになった。国内メーカーとして、システム構築やメンテナンスなどユーザーの要望に迅速に対応できる体制を持つ。低価格化により他社との差別化を図り、ニッチな分野で営業的なシェアを獲得していく方針である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    国内メーカー発で営業的シェアを獲得し、ニッチ分野で販売していくとあり、事業の方向性はうかがえるが、過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外製品は輸入代理店経由で約90万円、専用筐体込みでは高価格とあり、国内開発でハーフサイズ基板化し基板単価を2/3に下げる差別化が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決3

    フルサイズ基板しかない価格面やハーフサイズ基板の一部別シャーシ実装という課題を認識し、実装部品代の低減で対応する方針が書かれているが、成長目標は示されていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員24人の規模と専務・営業部の担当者が記載されているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    μTCA規格が通信分野で主流になるとの見通しを前提に、ハーフサイズ化による低価格化と国内メーカーとしての迅速な対応という選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    データ速度を133Mbyte/secから約700Mbyte/secへ高める目標は示されているが、開発の工程やスケジュール、課題の解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    データ速度を133Mbyte/secから約700Mbyte/secへ高める目標と、国内初のμTCA_FMC対応汎用評価基板という点で、普及度が低い分野での高付加価値化がうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    大手情報通信会社がμTCA規格を採用する動きや通信業界での有望性は述べられているが、経済波及や雇用創出の規模は書かれていない。

  • 費用対効果2

    低価格化による商戦での優位性は述べられているが、補助金投入額に対する付加価値や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    PCI-Expressとμ TCAを用いた広帯域のデジタル変復調向け評価基板の開発が、通信分野の高速デジタル化への貢献として具体的に述べられている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    情報通信分野がアナログ方式から大量データを高速で送るデジタル方式へ移行する流れに対応する事業だと書かれているが、構造転換への寄与の大きさは示されていない。

  • 地域経済への波及2

    山梨県甲府市に立地し緑の多い環境で開発していることは書かれているが、地域の雇用や経済成長への貢献は述べられていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

各国大手情報通信会社は近年中にμTCA規格での通信方式を採用する見込みで、通信分野での需要拡大が期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。