ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

トレーサビリティーシステム導入による新分野進出(車載機器・新医療機器)

株式会社ワイ・デー・ケー

成果不良品を発見し特定するまでに数週間かかっていたが、約1日程度まで短縮できる見込み。

この事例のポイント

  • 製品の製造履歴は製造ロット単位でしか追えず、クレームや不良の苦情が来ても製品個体の部品まで追跡できなかった。
  • 基板に直接QRコードをレーザー印字するレーザーマーキング装置を導入した。
  • 不良品を発見し特定するまでに数週間かかっていたが、約1日程度まで短縮できる見込み。平成27年夏から医療機器関連部品の生産転用を開始し、平成28年春には全面運用が可能となって、目的としていた医療機器分野…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ワイ・デー・ケー
所在地岩手県 遠野市
業種情報通信機械器具製造業
技術分野情報処理
従業員数246人
資本金1億円
設立1952年

事業の背景

当社は昭和47年に遠野市で設立され、平成28年に社内カンパニー制を廃止して東北工場として再編された。主な事業は通信・放送機器、制御機器、設備機械等に内蔵される基板実装で、放送分野の実装受注が最も多い。医療機器分野は新規参入を目指す市場で、医療機器の受注ではトレーサビリティーシステムの導入が必須条件となることが多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度製品の製造履歴は製造ロット単位でしか追えず、クレームや不良の苦情が来ても製品個体の部品まで追跡できなかった。
  • 人手・技能製造履歴はコンピュータと書類の2通りで管理しており、不良への迅速な対応ができなかった。
  • 新製品・新技術車載機器・医療機器分野で新規受注を得るには、部品を含めた個体単位で一元管理できるトレーサビリティーシステムが必要だった。

やったこと

基板に直接QRコードをレーザー印字するレーザーマーキング装置を導入した。約2万種類ある電気部品にQRコードを割り付け、ラベルを貼り付けた。これらを一元管理する管理ソフトウェアを別途開発し、製品個体の部品単位まで管理するトレーサビリティーシステムを構築した。管理ソフトウェアとの一体管理を修正を重ねて整え、平成27年4月に仮稼働を開始した。

加工機レーザーマーキング装置
ソフトトレーサビリティー管理ソフトウェア

事業の効果

  • 不良品を発見し特定するまでに数週間かかっていたが、約1日程度まで短縮できる見込み。

平成27年夏から医療機器関連部品の生産転用を開始し、平成28年春には全面運用が可能となって、目的としていた医療機器分野の新規受注につながった。製品個体単位で追跡できるため、不良発生時に影響範囲を迅速に特定し、顧客への報告と回収リスクの最小化が可能になった。不良原因の特定は数週間から約1日程度に短縮され、顧客との信頼関係の強化にもつながった。データは設計、品質管理、資材購買など多くの部署で共用でき、全社的なQCD管理にも貢献すると考えられる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    製造履歴管理の課題から新分野進出へ取り組んだ経緯は読めるが、過去の取組との連続性の説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    車載・医療機器分野の新規開拓と他社との差別化を狙い、同規模他社は未整備と思料と書かれ、強みとの関係が読める。

  • 課題の認識と解決4

    数十週間かかっていた不良原因特定が約1日に短縮と具体的な課題解決効果が示され、受注拡大の方向性も書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    医療機器分野の新規受注につながったと記載があるが、付加価値や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    工場長・常務・生産技術部長などの担当者名と工程が示され、体制の一端はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    トレーサビリティの顧客価値や医療機器受注の前提条件は書かれているが、ターゲットの定量的裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    平成27年4月仮稼働、平成28年春全面運用と時系列が示され、課題修正の経過も書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    医療機器・車載向けトレーサビリティは高付加価値化を狙う内容だが、普及度や単価の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の製造業における受注拡大との関連はうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記載は薄い。

  • 費用対効果2

    数週間が約1日に短縮と効果は示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    QRコードとデータベースによる製品個体管理は先端的な取組として読め、サプライチェーン品質への寄与も述べられている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療機器や車載機器という成長分野への進出がうかがえるが、構造転換との関連は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    岩手県遠野市の企業で県内の自動車生産増にも触れるが、地域の雇用や成長への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医療機器分野への進出を進めるとともに、県内で生産が増えている自動車の車載機器分野にも積極的に進出する。トレーサビリティーを付加価値として顧客に提案し、受注単価の増額と売上向上につなげたい。ホームページなどでシステムを積極的にアピールし、受注拡大を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。