ものづくり補助金平成24年度山梨県

熟練技術を必要としない自動車部品用多品種検査装置の開発と生産プロセスの確立

道志ダンパー工業株式会社

成果紙ベースのマニュアル準備に約5分程度かかっていたが、自動表示により作業時間は約96%削減できた。

この事例のポイント

  • 内職で組み立てた製品は仕上がりにムラが多く、社内での確認・修正・検査の手間と時間がかかっていた。
  • 自動車部品の組み合わせ形状や色を画像処理で確認し、不良品を弾き出す多品種検査装置を自社で開発した。
  • 紙ベースのマニュアル準備に約5分程度かかっていたが、自動表示により作業時間は約96%削減できた。熟練者でなくても扱える検査装置により、100%良品納品を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名道志ダンパー工業株式会社
所在地山梨県 都留市
業種プラスチック製品製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数45人
資本金1,000万円
設立1962年

事業の背景

創業当時はカセットデッキや自動車の灰皿クローザー、システムキッチンなどに使われるダンパーの組立に特化していた。ダンパーの仕事は海外へ流出し、新たな方向を求める必要が生じた。現在は内装部品をはじめとする自動車部品を多く扱い、小ロット多品種の要求が高い。組立の多くは高齢者や子育て中の主婦、障害者施設への内職で、社内人員だけでは賄えない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度内職で組み立てた製品は仕上がりにムラが多く、社内での確認・修正・検査の手間と時間がかかっていた。
  • 品質・精度納品した製品に不良品が見つかると納品先の自動車メーカーのラインが止まるため、100%良品納品が求められていた。
  • 人手・技能熟練者ばかりとはいえない人員でも扱える検査方法が必要だった。
  • コスト・採算紙ベースの検査マニュアルの準備や片付けに時間がかかっていた。

やったこと

自動車部品の組み合わせ形状や色を画像処理で確認し、不良品を弾き出す多品種検査装置を自社で開発した。部品の形状・組み合わせ・色を細かくプログラムし、熟練者の判断基準を検査装置に組み込んだ。タッチパネルは文字の大きさやボタンの大きさ、レイアウトを検討し、操作手順と画面を設定した。タッチパネル内にビットマップファイルをデータベース化し、検査品切り替え時の約5秒のバーコード入力で検査マニュアルが自動表示されるようにした。作業台の幅は700mm、高さは1000mmとし、踏み台と高齢者用の立ち作業用椅子を用意した。

  • 検査測定多品種検査装置画像処理による組立検査機
  • その他タッチパネル作業台・コンベア

新しい製品・サービス:熟練技術を必要としない自動車部品用多品種検査装置

事業の効果

  • 紙ベースのマニュアル準備に約5分程度かかっていたが、自動表示により作業時間は約96%削減できた。
  • 100%良品納品を実現した。
  • かつては月に1〜2回あった新幹線での交換が、検査装置導入後はゼロになった。

熟練者でなくても扱える検査装置により、100%良品納品を実現した。検査マニュアルの自動表示により、検査品切り替え時の準備と片付けの作業時間が大幅に減った。作業台や踏み台、椅子の工夫により、作業者の負担が低減した。不良品による新幹線での部品交換もなくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業当時の組立特化から自動車部品へ移行した経緯は読めるが、経営戦略上の位置づけや過去の取組との一貫性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    ダンパーの仕事が海外へ流出したため新たな方向を求めたとあり、市場環境への対応はうかがえるが、自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    100%良品納品への手間と時間、不良による新幹線交換が課題とされ、検査装置開発で月1~2回の事例がゼロになったと具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    不良対応ゼロ化や作業時間約96%削減の数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    開発・生産プロセス確立や社内外の内職体制に触れるが、補助事業を遂行する人材や事務処理能力の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車メーカーの100%良品要求と小ロット多品種ニーズ、導入企業の関心が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    タッチパネル設計や作業台の寸法検討など開発手順は書かれているが、中長期の課題検証やスケジュールは読み取れない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    1000種規模の自動車部品の組立種類を瞬時判定する独自検査基準が示されるが、分野の普及度や高価格化の記述は明確でない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域雇用の確保として内職や障害者施設への発注に触れ、地域貢献の一環とあるが、国が補助する理由としては弱い。

  • 費用対効果3

    作業時間約96%削減や不良交換ゼロという効果は数字で示されるが、補助金投入額との費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    画像処理による検査の自動化が示されるが、サプライチェーン全体へのイノベーション波及までは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    山梨県都留市の新工場や地域の人手を活かした組立・内職の仕組みが書かれ、地域雇用への貢献がうかがえる。

事業者の声

誰が作業に携わってもスムーズに操作でき、しかも小ロット多品種の製品検査を次々短時間に取りこぼしなく、円滑で完全な検査ができるシステムが出来上がった。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。