ものづくり補助金平成25年度製造業北海道

生産力200%達成のための昆布粉末製造設備における大型乾燥機の設備投資

道南伝統食品協同組合

成果温度ムラを1℃以内に収めた

この事例のポイント

  • 以前から使用している昭和40年代に設備された乾燥機では生産力アップが難しく、乾燥ムラや燃費の問題があった。
  • 本事業で段差式の自動大型乾燥機を導入し、乾燥ベルトが昆布を反転させる構造とした。
  • 温度ムラを1℃以内に収めた。乾燥ムラが改善され、ベルトの仕様変更により乾燥時のロス率が低下した。

事業者のプロフィール

事業者名道南伝統食品協同組合
所在地北海道 函館市
業種食料品製造業
資本金400万円
設立1991年

事業の背景

道南伝統食品協同組合は、昆布や海藻類の特産品を高次加工した製品の普及と共同販売を目的に、旧南茅部町の生産者と加工業者が中心となって設立された。設立後はしばらく停滞期があったが、平成16年の市町村合併を機に活動を活発化させた。人気の「とろろ昆布」「きざみ昆布」「尾札部だし昆布」などを主力に、オンラインストアで商品を販売している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力以前から使用している昭和40年代に設備された乾燥機では生産力アップが難しく、乾燥ムラや燃費の問題があった。
  • 品質・精度乾燥機の温度ムラがあり、乾燥ムラが課題となっていた。
  • コスト・採算乾燥時のロス率が高く、燃費も悪かった。

やったこと

本事業で段差式の自動大型乾燥機を導入し、乾燥ベルトが昆布を反転させる構造とした。温度ムラを1℃以内に抑え、ベルトの網の目を細かくし、落下する昆布を受ける受け皿を設置した。あわせて臼尻町の新工場に、乾燥させた昆布を粉砕する設備を導入した。新工場では道南スギを使用して新築した。

加工機自動大型乾燥機
加工機昆布粉砕設備

事業の効果

  • 温度ムラを1℃以内に収めた

乾燥ムラが改善され、ベルトの仕様変更により乾燥時のロス率が低下した。粉が舞わない工場環境が実現し、新規取引の拡大により売上が増加した。その結果、雇用も増え、前向きな投資が好循環をもたらしている。乾燥後の昆布の水分も安定し、製造量の拡大と燃費向上にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    昆布加工の高次加工・共同販売を目的とした組合で、平成16年以降に活動を活発化させた経緯は書かれているが、事業計画との明確な位置付けは読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    オンラインストアで人気商品を展開し、新規取引拡大で売上増、雇用1.5倍と具体的に書かれており、強みを活かした競争力がうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    乾燥ムラ・ロス率といった課題を認識し、温度ムラ1℃以内、ロス率低下、粉砕設備導入で改善した点が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産力200%という目標タイトルは見えるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値と実現見込みは書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    支援機関や地域メーカーと3者で乾燥機を製作した協力体制は書かれているが、社内の人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    とろろ昆布などの商品と自然の味へのこだわり、消費者の嗜好に触れているが、ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    新工場建設と粉砕設備導入、乾燥機の段階的改善など投資の流れは書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    昆布の高次加工品を扱うが、一般的な普及度や高付加価値化の水準について具体的な記述は少ない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地元の雇用増や前浜の資源活用、生産地での加工による地域貢献がうかがえるが、経済波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    ロス率低下や燃費向上、製造量拡大と効果は書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    乾燥データの採取や新しい乾燥機の装置技術は書かれているが、デジタル技術や新ビジネスモデルの記述は少ない。

政策面60%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及5

    地域の特産昆布を生産地で加工し、売上1.5倍や雇用増、地元雇用への貢献を数字つきで示しており、地域の特性を活かした事業と読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新工場を起点に生産者と加工業者が共に成長していくことへの期待が示されている。産業を支える人を雇用して持続させていく基盤づくりを目指している。

  • 目標:雇用増(1.5倍)

事業者の声

道南伝統食品協同組合さんは、研究開発パートナーとしてなくてはならない存在です

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。