ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

インサート用大型成型機を導入し、安全作業と増産を計る

東北資材工業株式会社

成果成型効率 100%→150%

この事例のポイント

  • 水産業界への依存が強く、水産資源の減少や消費者の魚離れが懸念されるため、建築用途など新分野への進出が必要だった。
  • インサート用大型成型機を導入し、従来の中型機から機構を変えた。
  • 成型効率 100%→150%。大型成型機の導入により、インサート部品の装着作業が金型の間に人が入らずに行えるようになり、安全性が確保された。

事業者のプロフィール

事業者名東北資材工業株式会社
所在地岩手県 花巻市
業種プラスチック製品製造業
技術分野機械制御,製造環境
従業員数143人
資本金1億円
設立1966年

事業の背景

当社は発泡スチロール成型加工を手がけ、工場の全生産量の65〜70%が魚箱で、建築・土木用資材が18〜20%を占める。東日本大震災後に魚箱需要は一時大きく落ち込み、水揚げ額は震災前に近づきつつあるものの、水産資源の減少や消費者の魚離れも懸念されている。住宅用基礎型枠などの建築用部材は市場占有率がまだ低く、受注拡大の可能性が大きいとみていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術水産業界への依存が強く、水産資源の減少や消費者の魚離れが懸念されるため、建築用途など新分野への進出が必要だった。
  • 生産能力建築用途のインサート成型品の受注拡大に対応するため、量産体制を整える必要があった。

やったこと

インサート用大型成型機を導入し、従来の中型機から機構を変えた。金型は移動金型1つと固定金型2つを背中合わせに配置し、固定金型が横方向に180度反転する仕組みとした。これにより一方でインサート部品を装着する間に他方で成型するため、作業の並行化が可能になった。金型交換はレール移動式の金型設置台を設けて短時間化し、操作盤はキャスター付きとして制御盤と10mの有線で接続し、成型機全体を見ながら操作できるようにした。さらに装着作業を行うロボットを導入して省力化を進めた。

加工機インサート用大型成型機
ロボットインサート部品装着ロボット

新しい製品・サービス:「J - リミテッドフォーム」(発泡スチロール型枠、特許製品)

事業の効果

  • 成型効率 100%→150%
  • 1ショットあたりの成型時間 9.5分→7.3分
  • 1ショットあたりの製品取り数 1倍→2倍

大型成型機の導入により、インサート部品の装着作業が金型の間に人が入らずに行えるようになり、安全性が確保された。1ショットあたりの取り数が2倍になり、成型時間も短縮されて生産能力が向上し、増産に対応できるようになった。ロボットによる装着も可能になり省力化が進んだ。需要に対して十分な対応が可能となり、建築用途のインサート成型品を主力商品に押し上げることを目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の発泡スチロール事業を基に建築用途へ進出する方針が示され、インサート成型品の受注拡大に位置付けられている。過去の取組との関係は読み取れるが具体性は限定的。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    三陸沿岸で住宅建設が増え採用が多いこと、独自性の高い製品で国内2社のみと記載があり、市場動向と強みが具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    魚箱需要の減少を課題として認識し、建築分野への転換で増産と安全性向上を図る計画が示されている。高付加価値化の見通しは一部に留まる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    成型時間を9.5分から7.3分へ短縮し取り数が2倍になったと記載され、着工棟数の見込みも示されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    メーカーと仕様協議を3度実施し、販売体制は確立済みと記載がある。人材や事務処理体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    J-リミテッドフォームの軽量性や工期短縮、職人不足という三陸のニーズ、受注増加の事実が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後のロボット追加や今後の取り組みの節はあるが、中長期の検証や詳細なスケジュールは読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    住宅用基礎型枠は普及度が低く、独自性の高い製品で国内生産が2社のみと記載され、高付加価値の位置づけがうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    住宅の省エネ性や施工効率、三陸沿岸の復興需要への寄与はうかがえるが、経済波及や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    生産能力向上や取り数増加など効果は具体的だが、補助金額と付加価値増加の対比は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ロボットによるインサート部品装着を導入したと記載があるが、サプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    水産依存から建築分野への転換が示されるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    三陸沿岸の復興需要に応える地域性は読み取れるが、地域雇用や成長への具体的な記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

建築用途のインサート成型品を当社の主力商品に押し上げていきたいと考えている。

事業者の声

差別化できる商品を開発し、提案していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。