ものづくり補助金平成25年度製造業青森県

プレス・レーザー複合マシンの導入による厚板ステンレス加工の実現

旭光通信システム株式会社

成果生産量 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 高速道路用非常電話機などに求められる厚さ2.0mm以上のステンレス板金筐体を、現有設備では加工しきれず、大型の筐体を加工できる設備が必要だった。
  • 厚板加工、プレス加工、レーザー加工、ネットワーク化の4項目を満たす機種を条件に検討し、アマダ製工程結合マシンLC2012C1NTを選定して導入した。
  • 生産量 1倍→2倍。旧設備の加工能力の低さと工程数の多さという課題を解決し、工程のネットワーク化も実現した。

事業者のプロフィール

事業者名旭光通信システム株式会社
所在地青森県 川崎市
業種情報通信機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数70人
資本金2,520万円
設立1946年

事業の背景

当社は鉄道通信機器や情報通信システム機器などを設計から製造・販売まで一貫して手がけている。近年は固有技術を活かして道路通信市場へも進出している。高速道路用非常電話機やETCインターホンシステムは耐久性や耐候性を高めるため、板金筐体の素材として厚さ2.0mm以上のステンレスへの転換を求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力高速道路用非常電話機などに求められる厚さ2.0mm以上のステンレス板金筐体を、現有設備では加工しきれず、大型の筐体を加工できる設備が必要だった。
  • コスト・採算大きい筐体の部品の一部を外注加工に頼っていた。
  • 生産能力旧設備は加工能力が低く、加工工程数も多かった。
  • 納期・工程工程がつながっておらず、工程のネットワーク化が図れていなかった。

やったこと

厚板加工、プレス加工、レーザー加工、ネットワーク化の4項目を満たす機種を条件に検討し、アマダ製工程結合マシンLC2012C1NTを選定して導入した。導入機はレーザー加工機であり、パネルで指示すれば自由な形を自動で切り出せ、隙間なく効率よくカットでき、材料の無駄も出にくい。複合機のためパンチによる打ち抜き加工やタップ(ねじ切り)加工も1台でできるようになった。厚さ0.5〜6mmまでの材料をカットできる。

加工機アマダ製工程結合マシン LC2012C1NT

事業の効果

  • 生産量 1倍→2倍

旧設備の加工能力の低さと工程数の多さという課題を解決し、工程のネットワーク化も実現した。これにより内製化による道路通信機器の製造力と競合他社との競争力が強化された。レーザー加工により材料の無駄が減り、歩留まりも非常に良くなった。タップ加工が人手から機械に置き換わり、生産量は約2倍になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    外注加工の課題と内製化による製造力強化の方針は読み取れるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高速道路用非常電話機でシェア60%、ETCインターホンで90%と数字があり競争力は読み取れる。ただし外部環境分析の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    ステンレス転換要求への対応として、加工能力と工程数という課題を挙げ、工程統合マシン導入で解決すると具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量が約2倍になったと具体的な数字が示されている。賃上げや付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    設計・基板・ソフトまで社内で対応する体制が記載されているが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高速道路用非常電話機とETCインターホンのシェアなど顧客と選ばれる理由が数字で示されている。

  • 事業化までの道筋3

    板金サンプル提示やマニュアル化による今後の展望はあるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    厚板ステンレスの板金加工は高付加価値とうかがえるが、分野の普及度や高水準化を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    高速道路の非常電話機やETCインターホンなどインフラ設備を担う点はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    生産量約2倍、材料の無駄削減、歩留まり向上など効果は示されているが、補助金額に対する費用対効果の数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザー複合機による工程のネットワーク化はうかがえるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    八戸事業所での地元製造や中学生・高校生の工場見学など地域への関わりはうかがえるが、地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

顧客への板金サンプル提示と、作業のマニュアル化を進めることで、道路通信機器市場での受注拡大を図る。高速道路用非常電話機で約60%、ETCインターホンシステムで約90%のシェアを獲得している。八戸から安代の区間の古い設備の入れ替えも狙っている。仕事が増え工場が手狭になったため、1〜2年以内に近くへ新工場を建て、自動倉庫の導入も検討している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。