ものづくり補助金平成25年度情報通信業岩手県

自然言語記述からなる要求仕様書の文書品質向上のためのツール試作開発

株式会社ジェーエフピー

この事例のポイント

  • ソフトウェア開発における要求仕様書は複雑さゆえに記述の矛盾が生じやすく、論理的に矛盾のない仕様書が求められていた。
  • 自社開発のSLP(SPEC L-PERFECT)に、要求仕様書の文書品質を向上させる機能を追加する開発を行った。
  • 自然言語の曖昧さ・不自然さを大幅に減らすことで、要求仕様書の文書品質を向上させるソフトウェアツールの開発に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ジェーエフピー
所在地岩手県 盛岡市
業種情報サービス業
技術分野情報処理
従業員数30人
資本金1,000万円
設立1994年

事業の背景

当社は産業機器や家電製品などに内蔵される組み込みソフトウェアの開発を主体とし、3次元CG基盤技術による自然景観生成シミュレーションや医療分野の生体モデルのCGシステム、ISMS構築などを行っている。ネットワーク技術の発展によりソフトウェアの需要は今後も拡大が見込まれる。当社は組み込み系ソフトウェア要求仕様書の自然言語からSLPへの変換に着目した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ソフトウェア開発における要求仕様書は複雑さゆえに記述の矛盾が生じやすく、論理的に矛盾のない仕様書が求められていた。
  • 人手・技能日本語特有の曖昧な表現による認識の違いから開発過程で手戻りが多発し、組み込み特有の反復開発に支障をきたしている。
  • 納期・工程手戻りの多発により納期や開発コストの管理が難しくなり、市場での不具合発生時にも十分な説明ができないことが問題視されていた。

やったこと

自社開発のSLP(SPEC L-PERFECT)に、要求仕様書の文書品質を向上させる機能を追加する開発を行った。自然言語から主語と述語を抽出し、自然言語からSLP目次への変換、自然言語からif-else文への変換の3点の課題を検討した。自然言語をSLPに変換する過程で中間コードに変換する必要があったため、MATLAB/Simulink設計モデリングツールを本事業で新たに導入した。テンプレートで定義した構文に従ってテストデータを用意し、SLPへの正しい変換とユーザインタフェースへの表示を確認しながら実装およびテストを行った。

ソフトMATLAB/Simulink 設計モデリングツール

新しい製品・サービス:要求仕様書における「文書品質を向上させるためのソフトウェアツール」

事業の効果

自然言語の曖昧さ・不自然さを大幅に減らすことで、要求仕様書の文書品質を向上させるソフトウェアツールの開発に成功した。組み込み系ソフトウェアの開発プロセスの改善が可能となり、製品の品質と製品文書の説明力向上が期待される。条件の漏れや矛盾、冗長性、表記の揺れを検査できるようになり、スムーズな合意形成と迅速な反復開発が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の自社開発SLPに文書品質向上機能を追加する開発で、自社の技術蓄積との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    組み込みソフト開発の専門技術や知識・ノウハウを強みとして挙げ、ソフトウェア品質が求められる自動車・通信・精密機器分野を想定している。

  • 課題の認識と解決4

    要求仕様書の矛盾・手戻り・仕様変更の多発という課題を明示し、SLP機能追加で解決を図る計画が書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    経験豊かな技術者を多数擁すると書かれ、開発担当者や責任者も示されているが、人員数や体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    SLPは自然言語に近い記法で習得が容易と説明され、対象顧客は自動車・通信・精密機器企業と具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    自然言語からSLP目次・if-else文・主語述語抽出の3課題を挙げ、テストデータによる確認を行ったと書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ソフトウェア品質改善ツールは欧米中心で進んでいるとし、国内でリード的存在になることを目指すと書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    組み込みソフト品質の社会的要請や分野全体の課題に触れているが、経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    大幅なコスト削減が期待できると語られているが、補助金額に対する効果を示す数値はない。

  • イノベーションへの貢献4

    自然言語からSLPへの変換とSimulinkとの相互変換により、MBD開発プロセス改善への貢献が書かれている。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    ソフトウェア品質が求められる分野への展開は書かれているが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

開発した成果物を改良して商品化するとともに、ツールに関連するソフトウェアの受託開発やコンサルティング、コーチングの事業化を目指す。想定顧客は自動車関連企業や通信、精密機器などソフトウェア品質が強く求められる企業である。

事業者の声

ソフトウェア開発における要求仕様書の自然言語の曖昧さ、不自然さを大幅に減らすことで、組み込み系ソフトウェア開発における大幅なコスト削減が期待できると語る

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。