ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業秋田県

法人顧客と個人顧客の連動による新たな業態開発とサービス向上

ナガハマコーヒー株式会社

この事例のポイント

  • 会員情報が事業部ごとに分かれて連動しておらず、情報を活用しきれていなかった。
  • 各事業部が保有する会員情報を一元管理するため、顧客連動データシステムを導入した。
  • 法人会員の勤務先への注文・配達に加え、個人会員である従業員の注文・配達にも応じられるようになり、機会損失が減った。

事業者のプロフィール

事業者名ナガハマコーヒー株式会社
所在地秋田県 大仙市
業種飲食料品小売業
従業員数120人
資本金2,000万円
設立1981年

事業の背景

コーヒー豆の焙煎から卸売、小売、喫茶(10店舗)を行うカフェ事業部と、約2,000件の法人顧客にコーヒー豆などを配達するオフィスコーヒー事業部を展開している。業界では大手チェーンの地方進出やコンビニのコーヒー拡大により競争が激化している。同社は流通量が少なく大手が手を出しにくい希少な生豆を、社長と常務が厳選して仕入れ、こだわりの焙煎方法で提供することで差別化を図っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑会員情報が事業部ごとに分かれて連動しておらず、情報を活用しきれていなかった。
  • コスト・採算注文・焙煎・梱包・発送の工場作業の効率化が必要だった。

やったこと

各事業部が保有する会員情報を一元管理するため、顧客連動データシステムを導入した。焙煎したての鮮度の高い商品を届けるため、ロータリー式包装機を導入し、手作業だった商品の袋詰め作業に充てた。カフェのオーダーにはタブレットを導入した。

事業の効果

法人会員の勤務先への注文・配達に加え、個人会員である従業員の注文・配達にも応じられるようになり、機会損失が減った。販売履歴からニーズを先読みした営業も可能になった。タブレット導入でオーダーへの対応がスピーディになり、お客様の嗜好を登録して接客に活用できるようになった。包装機によって袋詰め作業がミスなく効率的に行え、工場の作業時間が大幅に短縮した。オフィスコーヒー事業部では新商品の説明もタブレットで行えるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の会員情報が事業部ごとに分散していた課題を、顧客連動データで一元管理する取組に展開しており、事業との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    希少な生豆を厳選仕入れし、こだわりの焙煎で大手と差別化している点や、コーヒー専門の審査員資格保有者がいることが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    会員情報が連動せず機会損失が生じていた課題を、顧客連動データと包装機導入で解決し、法人と個人の注文対応を広げた点が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、工場作業時間が大幅に短縮したとの定性的な記述のみである。

  • 事業を進める体制4

    コーヒービーアドバイザーの社内資格制度や社員教育に力を入れ、昨年度に新店舗を3店舗立ち上げ採用も行っていると書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    希少な生豆の厳選仕入れや、法人顧客への配達と個人会員への対応といった顧客層と選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は社員教育と店舗増加への対応が課題とされているが、スケジュールや具体的な解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    大手が手を出しにくい希少な生豆を厳選し、コーヒー鑑定士が仕入れて焙煎する高水準の差別化を図っている点が書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域社会への貢献や新店舗3店の立ち上げによる採用など、わずかに地域への波及がうかがえる程度の記述である。

  • 費用対効果2

    包装機で袋詰め作業時間が大幅に短縮したとあるが、投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    顧客連動データシステムやタブレットオーダーを導入し、販売履歴からニーズを先読みする仕組みを構築した点が書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    データ活用やタブレット導入によるデジタル化は読み取れるが、市場成長分野への進出と構造転換との関係は薄い。

  • 地域経済への波及3

    大館、能代、盛岡への新店舗展開と地域社会への貢献が示されているが、地域特性を活かした付加価値の具体的な数値は書かれていない。

今後の展望

同社では社内資格制度を整備し社員教育に力を入れ、体制整備を図る考えである。昨年度にはカフェの新店舗を3店舗(大館、能代、盛岡)立ち上げ、新たな採用も行っている。

  • 目標:カフェ事業部は10店舗

事業者の声

商品を販売している人間が商品の特徴や美味しさを分からなければ、お客様にその良さを伝えられない。社員教育は筋トレーニングに通じる部分があり、地道に継続することが大事

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。