ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

医療用ステンレス工具の生産拡大および新規開発品の量産化のための生産技術向上

株式会社 東洋ドリル

成果バリの発生は以前と比べ80%程度削減できた。

この事例のポイント

  • 医療用ステンレス工具の需要拡大が見込まれるなか、生産力を大幅に拡大する必要があった。
  • 円筒研削盤で切削される側のステンレスの円筒形状を高精度に作成し、振動減衰機能の高い砥石成形機と投影機で砥石の形状を高精度に測定・成形した。
  • バリの発生は以前と比べ80%程度削減できた。ステンレス素材の円筒度が向上し、砥石との相乗効果でバリの発生を以前より80%程度削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 東洋ドリル
所在地秋田県 雄勝郡羽後町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数52人
資本金2,200万円
設立1971年

事業の背景

当社は自動車・弱電産業向けの切削工具を主力とし、整形外科用などのステンレス工具も製造している。医療用工具は国内使用製品の大部分が輸入品であり、信頼性の高い国産品への潜在需要があるため、今後の市場拡大が見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力医療用ステンレス工具の需要拡大が見込まれるなか、生産力を大幅に拡大する必要があった。
  • 品質・精度ステンレスはバリが極めて発生しやすく、バリ取り作業が生産工程全体のボトルネックになっていた。
  • 新製品・新技術新規開発した骨生検専用工具セットを量産化するための生産技術が不足していた。

やったこと

円筒研削盤で切削される側のステンレスの円筒形状を高精度に作成し、振動減衰機能の高い砥石成形機と投影機で砥石の形状を高精度に測定・成形した。これにより、バリ発生を極力抑える砥石の最適形状による切削加工技術を開発した。秋田大学医学部と秋田県産業技術センターの技術支援を受けながら、フィールドテストで改良を進めた。

加工機円筒研削盤
加工機ダイヤモンド砥石成形機
検査測定投影機

新しい製品・サービス:骨生検専用工具セット(中空ドリルとスクレーパを含む一式)

事業の効果

  • バリの発生は以前と比べ80%程度削減できた。
  • 穴あけ工程数 4工程→2工程

ステンレス素材の円筒度が向上し、砥石との相乗効果でバリの発生を以前より80%程度削減できた。生体検査専用工具の量産体制が整い、生産性が大幅に改善した。中空ドリルのガイド機能により穴あけ工程が4工程から2工程に減り、執刀医と患者双方の負担軽減が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の医療用ステンレス工具製造と新規の骨生検専用工具セット試作を結びつけているが、経営戦略上の位置付けを示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    医療用工具の国内製品は大部分が輸入品で、信頼性の高い国産品への潜在需要があると具体的に述べている。

  • 課題の認識と解決4

    バリ取り工程がボトルネックという課題を示し、バリ発生を80%程度削減できたと実効性のある対策を書いている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5年後に医療用工具売上高の倍増を見込むと目標値を示しているが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    秋田大学医学部や秋田県産業技術センターの支援は書かれているが、社内の人材や事務処理体制の記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療現場の煩雑な作業や工具の使いづらさという課題に応え、工程数を4工程から2工程に減らす価値が明確である。

  • 事業化までの道筋3

    フィールドテストによる改良や特許出願、厚生労働省への申請と販売体制の構築が示されているが、スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療用ステンレス工具は国内の大部分が輸入品で、国産品の高水準化を図る取組として読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    医療現場の負担軽減や国産品の需要拡大への言及はあるが、雇用や波及効果への具体的な記述はわずかである。

  • 費用対効果4

    バリを80%程度削減し、工程数を4工程から2工程に減らしたと数字で示され、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    高精度な円筒研削や砥石形状測定といった技術は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    秋田県の企業である点はうかがえるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存販売先の医療関係メーカーや商社への拡販と新規販売先の獲得により、5年後の医療用工具売上高の倍増を見込む。骨生検専用工具セットは特許出願中であり、厚生労働省等への法的申請を早急に行い、製造・販売体制を構築する。

  • 目標:5年後の医療用工具売上高の倍増を見込む。

事業者の声

φ3mmの中空ドリルで穴あけ後、そのドリルをガイドにφ6mmの中空ドリルで穴あけ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。