ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

家付き酵母を使用した独自の醤油・味噌製品を環境負荷低減下で安定的に生産する方法の確立

有限会社 石孫本店

この事例のポイント

  • 旧式の汲み上げ装置には能力的な問題があり、地下水の確保が非効率で、生産が非効率なまま続いていた。
  • 地下水汲み上げ装置を導入して地下水を安定的に汲み上げられるようにした。
  • 高純度の地下水を安定的に確保でき、鉄およびマンガンの数値が大幅に下がり、金属臭や味も満足のいく結果となって仕込み用水として最適な水を確保できた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 石孫本店
所在地秋田県 湯沢市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数8人
資本金960万円
設立1855年

事業の背景

当社は幕末から続く醤油・味噌の醸造販売元で、全国でも数少ない「家付き酵母」を用いた独自の発酵技術で製造している。古い蔵がなければ発酵されないという特有の製造環境を経営資源としている。醸造には純度の高い大量の地下水が不可欠で、製造のほか道具や現場の清掃など様々な場面で大量に使用している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力旧式の汲み上げ装置には能力的な問題があり、地下水の確保が非効率で、生産が非効率なまま続いていた。
  • 生産能力東日本大震災で蔵の一つが倒壊し、醸造能力を補うため仕込み調整用の樽をなくして残りの蔵をフル稼働させる必要があったが、そのために大量の地下水を安定的に確保する必要があった。

やったこと

地下水汲み上げ装置を導入して地下水を安定的に汲み上げられるようにした。あわせて除鉄・除マンガン装置を導入し、鉄分とマンガンを除いて良質な仕込み用水にした。さらに自動受水装置を導入し、水の使用が一箇所に限られていた非効率な状態を改善した。

その他地下水汲み上げ装置
その他除鉄・除マンガン装置
その他自動受水装置

新しい製品・サービス:家付き酵母を使用した低塩玄米味噌「金の蔵」(高機能玄米「金のいぶき」を使用)

事業の効果

高純度の地下水を安定的に確保でき、鉄およびマンガンの数値が大幅に下がり、金属臭や味も満足のいく結果となって仕込み用水として最適な水を確保できた。水垢や鉄錆によるパイプ詰まりやボイラーの不具合もなくなり、効率的で安定した製造環境になった。製造環境が安定して雑菌繁殖の心配がなくなったことで仕込みの塩分を抑えられ、低塩玄米味噌「金の蔵」を新たに開発できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    安政2年創業の伝統的な家付き酵母の醸造を経営資源とし、旧式の汲み上げ装置の能力不足を課題として明確に設定している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    同業者が真似できない独自技術が強みとして書かれているが、市場動向や競争環境の記述は見当たらず、比較の具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    地下水の鉄・マンガン除去で新商品『金の蔵』を開発し、大手百貨店での取扱いが決まったと成果を具体的に示している。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げの目標値は示されておらず、わずかに新商品の販路拡大計画がうかがえるにとどまる。

  • 事業を進める体制2

    体制や人材、事務処理能力についての記述は見当たらず、従業員8人の規模が書かれているのみである。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    低塩玄米味噌『金の蔵』の特徴や百貨店取扱いは書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展開として販路拡大や提案営業が挙げられているが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    家付き酵母による独自製法と低塩玄米味噌の開発が書かれているが、分野内での高付加価値化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地下水の安定確保が製造環境の改善につながると述べられ、地域への波及効果は直接書かれていないがわずかにうかがえる。

  • 費用対効果2

    投資額や費用対効果の数値は示されていないが、水垢や不具合の解消など効率化の効果が定性的に書かれている。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    伝統製法の継承や見学者の受け入れが書かれ、地域の特性を活かした事業であることは読み取れるが、雇用や経済成長への効果は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新商品「金の蔵」は平成29年3月から大手百貨店での取扱いが決まっており、新商品の販売拡大と既存商品の提案営業を進める。既存商品を和食以外にも使ってもらうよう提案し販路を広げる。昔ながらの道具・製法を守る伝統製法の継承にも力を注いでいく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。