ものづくり補助金平成25年度製造業山形県

「食肉の生菌数可視化装置」と生産ラインの一部「ロボット化」による生産プロセスの改善

株式会社蔵王ミート

成果生菌検査時間 2,880分→1分

この事例のポイント

  • 食肉原料の衛生検査に従来のシャーレ培養法で48時間かかり、加工までの時間が長くなっていた。
  • 食肉の生菌数を可視化する装置を導入した。
  • 生菌検査時間 2,880分→1分。生菌数可視化装置の導入で検査時間が48時間から約1分に短縮され、加工までの時間が減って生産性が大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社蔵王ミート
所在地山形県 上山市
業種食料品製造業
従業員数90人
資本金2,700万円
設立1974年

事業の背景

食肉の未加熱商品を加工する前には、原料の食肉が衛生的かを仕入れ時に検査する必要がある。従来の検査はシャーレで菌を培養する方法で48時間を要していた。ハンバーグは一番美味しい直火焼きにこだわって製造しているが、工程に時間がかかり、作業員の負担と品質の均一化が課題になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力食肉原料の衛生検査に従来のシャーレ培養法で48時間かかり、加工までの時間が長くなっていた。
  • 品質・精度ハンバーグを直火焼きで美味しく仕上げる工程に時間がかかり、作業者によって品質の仕上がりに差が出ていた。
  • 人手・技能焼成ラインでの人の手作業が社員の負担になっており、工程時間の短縮と負担軽減が課題になっていた。

やったこと

食肉の生菌数を可視化する装置を導入した。この装置は研究開発段階だったため、当社の検査結果をサンプルとして提供するなどして開発に協力し、大学の教授と共同で世界初の装置を作り上げた。原料を入れると約1分で衛生基準に対する合格・不合格が画面に表示される。牛肉・豚肉・鶏肉で装置の調整が必要な点は、精度を高める研究開発を進めている。ハンバーグの焼成ラインでは、コンピュータとロボットによる自動化装置を導入し、熱い状態で出てくる製品の搬送段階まで全自動化した。

検査測定食肉生菌数可視化装置
ロボットハンバーグ自動化装置

新しい製品・サービス:世界初の食肉生菌数可視化装置

事業の効果

  • 生菌検査時間 2,880分→1分
  • 焼成ライン作業人数 7名→3名

生菌数可視化装置の導入で検査時間が48時間から約1分に短縮され、加工までの時間が減って生産性が大きく向上した。10検体の確認が瞬時に表示されるため、不安のある部位も検査でき、より安全な原料を使えるようになった。ハンバーグの焼成ラインを自動化したことで製品の精度と生産効率が上がり、7名で行っていた作業が3名で可能になった。浮いた人員を他の生産ラインに振り向けたことで生産コストも抑えられ、他社との差別化と競争力の強化につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の48時間検査の課題を解消するため生菌数可視化装置を導入し、今後も広げる予定と書かれ、事業の流れは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    世界初の装置と美味しさへのこだわりが書かれ差別化が示唆されるが、市場動向や自社資源との比較の記述は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    48時間が約1分に短縮、7名体制が3名になったなど、課題と効果が数字で示され生産性向上の実効性がうかがえる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    48時間から約1分、7名から3名という実績は書かれるが、今後の付加価値額や賃上げの目標値は記載がない。

  • 事業を進める体制2

    大学の教授と共同で開発し、社員の作業負担解消を図ったとあるが、補助事業を遂行する体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    安全な原料の確認、顧客への安心、糖質オフ商品開発など、価値と顧客への訴求が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は精度向上、原因菌の追究、医療分野への進出を目指すと書かれるが、スケジュールや解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    世界初の食肉生菌可視化装置とされ、新規性はうかがえるが、普及度や高価格化の具体的数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    食の安全や医療分野への貢献がうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    生産コストの抑制と7名から3名への省人化が書かれ費用対効果はうかがえるが、補助金額と付加価値増の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    大学と共同で世界初の装置を開発し、業界の安全確認に貢献しうる点はうかがえるが、サプライチェーン全体への言及は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療分野への進出を目指すとあり、食品分野の構造転換へのつながりがわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    山形県産豚肉の使用や上山市での事業が触れられ、地域の特性を活かす点がわずかにうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生菌数可視化装置の適用をさらに広げる予定である。不合格の際に原因菌を特定する研究を進め、精度を高めていく。糖尿病患者向けに食品で治療を提唱する医師と協力し、糖質オフのハンバーグやビーフシチューを開発して、医療分野への貢献と進出を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。