ものづくり補助金平成28年度製造業岩手県

パレタイズ設備を導入し、入庫作業の自動化による生産性向上

有限会社宇部煎餅店

成果1日あたり200〜300ケースの増産を実現

この事例のポイント

  • 受注量の増加に対して出荷量が追いつかず、その原因は製品完成後から倉庫搬入までの運搬作業における時間的ロスであった。
  • 製品の仕分け、パレットへの積み付け、倉庫への搬入を自動化するため、アキュームコンベア、パレタイズロボット、パレットコンベア、在庫管理システムから構成される搬入ラインを新たに設置し…
  • 1日あたり200〜300ケースの増産を実現。搬入作業の効率が大幅に上がり、製造工場の稼働時間を14時30分〜15時終了から16時までに延ばせるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社宇部煎餅店
所在地岩手県 久慈市
業種食料品製造業
技術分野情報処理,製造環境
従業員数80人
資本金300万円
設立1947年

事業の背景

当社は1947年の創業以来、南部煎餅の製造・販売を行ってきた。1985年に煎餅工場が竣工し製造工程を自動化して量産体制を構築した。1998年に全国の複数の食品卸売商社への納品を始めてから売り上げを伸ばし、2000年と2012年に工場を増設したが、受注量に出荷量が追いつかない状況が続いた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注量の増加に対して出荷量が追いつかず、その原因は製品完成後から倉庫搬入までの運搬作業における時間的ロスであった。
  • 人手・技能製品の仕分け、パレットへの積み付け、倉庫への搬入を人手で行っており、この作業が生産量に追い付かず、生産量を抑制せざるを得ない状況であった。

やったこと

製品の仕分け、パレットへの積み付け、倉庫への搬入を自動化するため、アキュームコンベア、パレタイズロボット、パレットコンベア、在庫管理システムから構成される搬入ラインを新たに設置した。最大5ラインから流れてくる4種類のダンボール入り製品をアキュームコンベアで統合し、ダンボールに印刷されたバーコードを読み取ってパレタイズロボットに転送する。パレタイズロボットは読み取った情報をもとに、自動供給されるパレットに製品を積み付け、パレットコンベアで倉庫の入庫口まで搬送する。バーコード情報は在庫管理システムに転送され、倉庫入庫時には在庫データとして事務室や製造現場で共有できる。製造切り替え時を除き人手を必要としないフルオートメーションの搬入ラインが完成した。

その他アキュームコンベア
ロボットパレタイズロボット
その他パレットコンベア
ソフト在庫管理システム

事業の効果

  • 1日あたり200〜300ケースの増産を実現
  • 出荷量 1,400ケース→1,700ケース
  • 製造工場の稼働時間が1時間〜1.5時間延びた

搬入作業の効率が大幅に上がり、製造工場の稼働時間を14時30分〜15時終了から16時までに延ばせるようになった。1日あたり200〜300ケースの増産につながり、最大出荷量は1,400ケースから1,700ケースに増加した。倉庫搬入に2〜3人を要していた作業は基本的に不要となり、製造工程への配置転換で製造体制が強化された。積み付けや在庫入力の人為的ミスも減っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和60年の工場竣工や製造工程の自動化、全国の卸売商社への納品など過去の取組が書かれ、量産体制の延長線上に位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    受注量の増加と全国販路、製品の低価格化や短納期化といった強みが具体的に書かれ、競争優位の根拠が示されている。

  • 課題の認識と解決5

    倉庫搬入作業が制約となり製造を14時30分〜15時に止めていた課題を挙げ、1日200〜300ケースの増産と出荷量1,400から1,700ケースへの増加という数字で効果を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1日200〜300ケースの増産、最大1,400ケースから1,700ケースへの増加、5年後に現在の2倍の生産量という数値目標が明示されている。

  • 事業を進める体制2

    搬入作業の人員を2〜3人から基本不要にし製造工程へ配置転換したとあるが、事業遂行体制の詳細な記載は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    製品の低価格化や短納期化、大量仕入れによる価格抑制が顧客メリットとして書かれ、受注量の毎年の増加も示されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の受注対応と生産体制強化の方向性は書かれているが、遂行スケジュールや課題解決の具体的方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    厚焼きピーナッツ煎餅のビスケット市場参入や和風クッキーとしての展開がうかがえるが、高付加価値化や高価格化の定量的な裏付けは乏しい。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    南部煎餅の知名度向上や販路の全国展開に触れており、地域の名産の広がりがわずかにうかがえる程度である。

  • 費用対効果3

    搬入作業の効率化で増産と人員配置転換が実現したと書かれ効果は読み取れるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    バーコードと在庫管理システムを連携させたデータ共有がうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    岩手県久慈市の南部煎餅という地域の特産品の製造が書かれているが、地域経済への波及効果は具体的に述べられていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今回の搬入ラインを生かして増える受注に対応しつつ、生産体制の強化を続け、5年後に現在の2倍の生産量を達成したいと考えている。得られたマンパワーを新商品や高単価商品の開発、海外展開にも活かしたい。

事業者の声

「厚焼きピーナッツ煎餅の人気の高まりに伴い、相乗効果でほかの南部煎餅の受注も増えているのでは」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。