ものづくり補助金平成25年度製造業山形県

情報通信コネクター用金型製作における超微細高精度な狭ピッチ電極加工技術の確立

山形精研株式会社

この事例のポイント

  • スマートフォンの多機能化に伴いコネクターの数と開発需要が増えるため、狭ピッチ電極の超微細な加工技術を確立する必要があった。
  • 電極と被加工物を油に漬けた状態で行う形彫り放電加工を対象に申請した。
  • 0.2mmピッチの狭ピッチ電極を試作し、工具の損耗や傷を出さずに高精度な電極を作れるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名山形精研株式会社
所在地山形県 米沢市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数22人
資本金2,000万円
設立1980年

事業の背景

携帯電話はガラケーからスマートフォンへと変わり、機能の拡大に伴って情報量が増え、コネクターの数も増えている。タブレット端末も含め形態の変化が著しく、それに対応するコネクターの開発が必然となっている。会社は狭ピッチコネクター用コアピンの製造を専業とし、その加工技術に特化してきた。国内電子コネクターメーカーの部品が中国メーカーとの競争にさらされている状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術スマートフォンの多機能化に伴いコネクターの数と開発需要が増えるため、狭ピッチ電極の超微細な加工技術を確立する必要があった。
  • その他資金力と最新鋭の機械設備を持つ中国メーカーと価格面で競争しても勝ち目がないため、日本の技術力で勝負できる高付加価値部品の開発が必要だった。
  • 納期・工程製品開発に時間をかけると次の製品が世に出て無駄になるため、開発と加工のスピードを上げる必要があった。

やったこと

電極と被加工物を油に漬けた状態で行う形彫り放電加工を対象に申請した。ピッチの幅と加工条件を変えて試作を行い、0.2mmピッチの電極を製作した。撮像式工具測定器を使って工具の損耗を測定し、工具長の測定精度も良好で、傷の発生もなく高精度な電極を作ることができた。完成した電極で放電加工を行い、客先要求精度を満たすかを確認した結果、十分満足のいく内容だった。

検査測定撮像式工具測定器(三菱重工業社製 μV1)

事業の効果

0.2mmピッチの狭ピッチ電極を試作し、工具の損耗や傷を出さずに高精度な電極を作れるようになった。完成した電極による放電加工の結果は客先要求精度を満たし、十分満足のいく内容だった。また、中国で作れない精度の要望にもすぐ対応できる体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    中国メーカーとの競争に対し技術力で勝負すると述べ、継続的な技術開発の方針はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    スマートフォンの多機能高速化と中国メーカーとの競争という外部環境に触れ、日本人の技術力・感性で勝負すると書かれているが、自社資源の強み分析は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    製品開発に時間をかけると次製品に間に合わないという課題認識が示され、国内メーカーとの連携による対応が書かれているが、計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    0.2mmピッチ電極を製作し放電加工で客先要求精度を満足と書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員22名、米沢工場、工場長の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や人材計画の具体的説明はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    スマートフォンの多機能化に伴う狭ピッチコネクター需要と、国内電子コネクターメーカーへの高付加価値部品供給という顧客とニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    狭ピッチ電極加工の試作を行い、ピッチや加工条件を変えたと書かれているが、中長期の検証スケジュールや解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    0.2mmピッチの狭ピッチコネクター用コアピンに特化し、独自材IMO-8を開発するなど高付加価値分野に取り組んでいることが書かれている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    国際競争力のある国内部品の技術開発という目的は書かれているが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由の具体的記載は少ない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    撮像式工具測定器の使用や国内メーカーとの密なコミュニケーションは書かれているが、サプライチェーン全体への貢献は具体的でない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    電子デバイス機器の小型化・高速化に対応する精密部品技術という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

電子デバイス機器の変化が速いため、国内メーカーとの密なコミュニケーションを取りながら先を予測した製品開発を進める。携帯電話は腕時計型も登場するなど小型化が続くため、国際競争力のある高付加価値部品の技術開発を続けていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。